スコットランドー日本 交換レジデンスプログラム 2019-2020
Cove Park (Argyll and Bute, Scotland), photo by Ruth Clark
AITは、2019年1月より3月にかけて、文化庁の助成によりスコットランドのグラスゴー郊外アーガイル・アンド・ビュートにあるレジデンス団体「Cove Park」と協働を行い、アーティストのフローレンス・ドワイヤーとキュレーターのステイシー・ハンターを日本に招聘しました。ふたりは、東京と佐賀県有田町を横断的に移動しながら、現代における陶芸表現とデザインの交差を観察、リサーチをしながら創作を行いました。
Cove ParkとAITの協働は2012年まで遡り、当時は、アーティストのニック・エヴァンス、メアリー・レッドモンド、そしてキュレーターのケイティー・ウェストを招聘しています。また、プログラムを通した芸術文化交流を更に促進するため、翌年、推薦によって選出されたアーティストの泉太郎を交換レジデンスプログラムとしてCove Parkに派遣しました。プログラム参加後も、これらのアーティストは国内外にその活躍の場を広げています。
Hospitalfield (Arbroath, Scotland), photo by Louise Coupar
複数年に及ぶレジデンスプログラムを通した交流の経験を受け継ぎ、日本とスコットランドのアーティストとキュレーターによるプログラムを介した表現活動を一層深め、かつ国際的な場における対話を継続するために、2019年8月から9月にかけて、Cove Parkとスコットランドのアーブロースに位置する「Hospitalfield」は、ブリティッシュ・カウンシル・スコットランド、クリエイティヴ・スコットランド、大和日英基金、グレイトブリテン・ササカワ財団の助成を受けて、日本を活動拠点とする2名のアーティストを交換レジデンスプログラムに招きます。これまでの交流を契機に前進する本プログラムは、2019年から2020年にかけて、これらの団体のほかにも、エジンバラを拠点とする芸術文化団体「Edinburgh Sculpture Workshop」と、関東圏でレジデンスプログラムを行う複数の団体に連携を広げた、より大きなプラットフォームを築こうとする歩みです。
交換レジデンスプログラムでは、スコットランドと日本のアートシーンに見識のあるキュレーター、および本プログラムと2020年にかけてレジデンスプログラムを行う両国の団体からアーティストが推薦され、最終選考を経て、次のアーティストを派遣します。
◎選考について
推薦されたアーティストの申請書をもとに、本プログラム実施団体から構成される選考委員会が、これまでの作品と活動、創作の背景のほかに、派遣先の地理的条件やプログラムを通した将来の創作発展性などが議論されました。
2019-7-18