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アーロン・ランダール / Aron Landahl
(1984年 スウェーデン出身、ウプサラ在住)
イラストレーターとして活動するアーロン・ランダールは、バルト海に浮かぶゴットランド島で生まれる。マルメにあるコミック・アート・スクールで学んだランダールの作品は、スウェーデンで発行される雑誌などの媒体で見られ、そのイメージは、自然そのものや人間の手が加えられていないひっそりとした環境を描写しつつ、どこか不気味な佇まいを持ち合わせている。スチールペンとインクを用いて描く線影は、ディテールを捉え、霧がかった印象をにじみ出している。
2019年、自身初となるホラーストーリーを綴った児童書《Dropp Dropp》を出版予定。
レジデンスプログラムで日本に滞在中は、幼少の頃に図書館で出合った葛飾北斎による『富嶽百景』(100 views of Mt. Fuji)をリサーチしながら、ランダールが育ったゴッドランド島に程近い自然保護公園のカールスオー(Karlsö / ケーキのような特徴ある地形と、珍しい野鳥や自然植物の生育地として知られる)をその情景になぞらえた作品プロジェクト《100 views of Karlsö》を構想している。
これまでランダールの作品は、ギャラリーのみならず、ウプサラ大学病院での展覧会(2017年)などで展示されている。2011-12年、トルコとジョージアにおいて昆虫研究も行うなど、創作の関心対象は幅広い。
ウェブサイト
滞在期間:2019年9月4日 - 2ヶ月間
助成:Iaspis
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イルヴァ・カールグレン / Ylva Carlgren
(1984年スウェーデン・ルレオ生まれ、ストックホルム在住)
イルヴァ・カールグレンは、実験的かつ整然としたアプローチで抽象的な水彩画を制作している。細部まで念入りに塗り重ねられた色は光によって少しずつ変化し、観る者の知覚を操作する。それは私たちの限界を探ること自体を作品のメディウムとしており、その中でカールグレンの実践が生まれては終わりを迎えるといえる。模倣することをやめ、カールグレンはそこに存在することと静寂に特徴づけられる研ぎ澄まされた視覚言語を制作している。
スウェーデンのヴァランドスクールオブファインアーツにて修士課程を修了。スゥェーデン芸術助成委員会、ストックホルムのロイヤルインスティテュートオブアートなどからこれまで助成を受けている。
主な個展に「300 Layers」(Gallery Steinsland Berliner、ストックホルム、2018)、「The Shadows' call」(Gallery Steinsland Berliner、ストックホルム、2016)、グループ展には「In Light of Absence」(Market Art Fair、ストックホルム、2017)がある。
Website: Ylva Carlgren
滞在期間:2018年9月18日-12月15日まで
助成機関: IASPIS
トークイベント: AIT ARTIST TALK #74 「In Light of Absence」
〜スウェーデンよりアーティストのイルヴァ・カールグレンを迎えて〜
日時:2018年12月12日(水)19:00〜21:00(18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
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ハンス・アンダーソン / Hans Andersson
(1979年カルマル生まれ、ストックホルム在住)
ハンス・アンダーソンは、身の回りのものを用いて、抽象的なイメージや彫刻的な立体を制作している。素材が伝承する意味や内外の特性、その緊張関係に着目し、制作は直感的で非線形的な過程をたどる。
彼の展覧会や作品名は常に無題であり、これにより、作品が特定の物語を示唆することを回避し、見慣れたものや既に知られたことへの新たな視点や発見、また、非言語の領域での解釈を促している。アンダーソンは、長い時間をかけて作品と対峙しながら制作を行うが、待つことや沈思によってもたらされるというこの考え方は、フランスの哲学者、シモーヌ・ヴェイユによる待望することにより真理を追求するという芸術や哲学の思考理論にも共通する。
2005年にストックホルムのコンストファック美術大学を卒業後、さまざまな賞や助成を得ているほか、「Swedish Art Now」(スベン・ハリー美術館、ストックホルム、2016)、「Untitled」(個展、Gallery Forsblom、ヘルシンキ、2017)、「If you don't like art..」(ヴェストフォシン美術館、ノルウェー、2017)など国内外の展覧会に参加。作品はマルメ・アート・ミュージアムやマルメ・ノルディック・コンテンポラリー・アートコレクションにも所蔵されている。
Website: Hans Andersson
滞在期間:2017年9月5日-11月30日まで
助成機関: IASPIS
トークイベント: AIT ARTIST TALK #72
「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」
〜スウェーデンよりアーティストのハンス・アンダーソンを迎えて〜
日時:2017年11月14日(火)19:00〜21:00(18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
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ジェニー・ユーシャンスキー
(イタリア・ローマ生まれ、アメリカ・カリフォルニア州/スウェーデン・ストックホルム在住)
ジェニー・ユーシャンスキーは、コンセプトやリサーチに重点を置きながら、素材そのものと批評となる要因がどのように特徴づけられているかを、作品制作を通じて、詩的かつ実験的に探求している。それは、時間や記憶、歴史、言語という世界をカテゴライズするために作られたシステムのあいだに存在するような隙間を、深く掘り下げてゆく行為である。その隙間はゆるやかに広げられ、個人的な経験と、科学的な検証がそこに並走して入り込んでいく。ユーシャンスキーの作品は、鑑賞者にそれぞれの意味を投影する余地を残しながら、単一的な見方を解体し、再び想像されるようにしている。作品が対峙する、より大きな事柄と鑑賞者が、対話をもつ時間が用意されている。
イタリア、ローマ生まれ。モルドバで育ち、アメリカのカリフォルニア大学アーバイン校において視覚芸術(修士)を学んだ後、マルメ・アート・アカデミーにて批評学を学ぶ。2015年、カリフォルニア州ピッツァー大学アートギャラリーで行われたレジデンスに参加し、個展を行う。2017年、"Blacklisted: A Planted Allegory"と題した自身のアーティストブックが個展に関連して同大学より出版される。また、今秋はロサンゼルス・ギャラリー・ビジター・センターでの展示に加え、ロサンゼルス樹木園で行われる展覧会への参加が決まっている。ユーシャンスキーは、スウェーデンにあるアートセンターPersbo Studioを立ち上げ、これまでにアンドリュー・メロン財団やストックホルム王立芸術大学などの機関から、多くの賞や助成を受けている。
過去には、アルドリッチ現代美術館(2012年、コネチカット州、アメリカ)、MAK Center(2010年、カリフォルニア州、アメリカ)、LAXART(2010年、カリフォルニア州、アメリカ)、豊田美術館(2001年、愛知)での展示をはじめ、第7回イスタンブール・ビエンナーレ(2001年)にも参加している。
Website: Jenny Yurshansky
滞在期間:2016年9月6日-12月5日まで
助成機関: IASPIS
イベント: ARCUS + AIT アーティスト・ミニ・トーク Vol. (2016年11月27日(日) 16:30 - 18:00 アーカススタジオ)
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FÄRG & BLANCHE
FÄRG & BLANCHEは、2010年にデザイナーのフレデリック・フェルク(スウェーデン出身)とエマ・ブランシュ(フランス出身)により立ち上げられた、ストックホルムを拠点に活動しているデザインスタジオ。幅広い領域に渡る活動をしており、Gärsnäs(ヤシネス)、Zero(ゼロ)、 デザインハウスストックホルムなどの北欧家具ブランドとコラボレーションを行うと同時に、彼ら自身のコレクションや、ロンドンやミラノ、ニューヨークのギャラリーの依頼を受け、アート作品を制作している。一点モノの手作り家具を手がけるときも工業デザインを手がけるときも、彼らの実験的な姿勢は一貫している。
フレデリックとエマの想像性は、ストックホルムのセーデルマルムにある広々としたスタジオで垣間みることができる。地下のガレージに構えられたそのスタジオスペースは、ショールームでありながら、後方に十分な設備を備えた工房もあり、自由に実験を行う場としても機能している。特にテキスタイルは、オーダーメイドのような手法を用いながら、フレデリックとエマの遊び心に溢れた工夫が見られる。例えば、"Succession"シリーズの椅子には、新しいかたちを作り出すためにロープで結んでからオーブンで焼き痕を付けたテキスタイルと革が使われている。また、コレクション作品の中には、木工と縫製の手法を組み合わせた「エクストリーム・ソーイング」という、他に類をみない方法が使われている。
フレデリックは、家具工としての経験があるが、常にファッションへの強い興味を抱いてきた。エマは、芸術家であり美術教師でもある母親のもと、いつも身近にアートがある環境で生まれ育った。これらの影響は、エマとフレデリックの作品や、様々なコラボレーションから生まれた製品からも感じ取れるだろう。
エマとフレデリックが近年企画した主な展覧会に「インサイド・スカンジナビアン・デザイン」(2015年/ストックホルム・ファーニチャー・フェア2015)、「20 Designers at Biologiska」(2011年/ストックホルム・デザインウィーク2011)、「Beyond Couture」(ストックホルム・ファーニチャー・フェア) 、「The choreographed show Design Walk」(2010年)などがある。また、"RE-cover" シリーズの椅子は、ストックホルム国立美術館にも所蔵されている。
FÄRG & BLANCHEは、2013年に、ヤシネスの"Emma"シリーズの椅子が、デザイン雑誌『Sköna Hem』が主催した「ファーニチャー・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞した。また、2014年には"Wood Tailoring"シリーズで、「form +1 Award 2014」を受賞した。
WEB:
FÄRG&BLANCHE
滞在期間:2015年9月3日-11月30日まで
助成機関: IASPIS
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ジェニー・オーケルンド (1984年 スウェーデン生まれ)
Malmö Art Academy (スウェーデン)にてMFA取得。
オーケルンドの作品は、わたしたちの「視覚」への関心を起点としており、作品形式はドローイングやビデオ、インスタレーションなど多岐にわたる。シリーズ作品「Selenography」(月面地理学)は一見、月面の写真が掲載されている書籍のコピーに見えるが、目を凝らすと、実はそれが作家本人の手によって精密に描かれた複製であることが明らかになる。彼女の作品は、私たちが身の回りのものや状況を見る認識する際、どこに、どのように焦点を合わせるかによって、「見える」世界がいかようにも変わりうることを示唆している。
主な展覧会として、 "Projet Gutenberg" Galerie Jeanroch Dard(フランス・パリ)、"FATAMORGANA#2" Galleria Omphalos (イタリア・テルリッツィ)、"MKH" Galleri Arnstedt (スウェーデン・ウストラ カールップ)、"Art on Paper 2012" Weatherspoon Art Museum(アメリカ・グリーンズボロ)、"Our Origins" Museum of Contemporary Photography(アメリカ・シカゴ)が挙げられる。
www.jennyakerlund.com
滞在期間:2014年9月2日-11月28日まで
助成機関: IASPIS
イベント: AIT+ARCUSミングリアスナイト Vol.7 夢、月、自然観、近代建築... アーティストたちのコズミック・マインド
〜 オランダ、アルゼンチン、キプロス、スウェーデンから4名のアーティストを迎えて (2014年11月1日(土)18:30-21:30 代官山AITルーム)
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マテオ・ローザ/Matteo Rosa(1978年、イタリア生まれ、スウェーデン在住)
スウェーデン、マルメにて活動。
作品形式は、ドローイング、ペインティング、写真、ビデオ、インスタレーションと多岐にわたる。
ローザの制作の核にあるのは、「認識」への関心である。それは、有形と無形、動と静、架空と実在など、あらゆる事象の相関性へと向けられる。彼の実践はいずれも、かつて人が胎内から出た瞬間に膨大な情報に触れるという鮮烈な経験をしたように、忘れ去り、軽視しがちな自己への気づきをもたらす、アートの可能性を探る試みである。
ローザはエジンバラ・カレッジ・オブ・アートおよびマルメ・アート・アカデミーで学び、近年は、The Boiler Room(オスロ・ノルウェー/2013)、Fondazione Galleria Civica(トレント・イタリア/2011)、 Galleri Arnstedt (ウストラ カールップ・スウェーデン /2011), Skånes Konstförening(マルメ ・スウェーデン/2010)、E:ventGallery(ロンドン ・イギリス/2009)、Krognoshuset(ルンド ・スウェーデン/2007) 、Galleri Mors Mössa(ヨーテボリ・スウェーデン/2007)にて個展を開催した。
滞在期間:2013年10月2日-12月22日まで
助成機関:IASPIS
イベント:第6回 AIT+ARCUSナイト「パラレルホーム / Parallel Home」4カ国からのアーティストによるミニ・トークとラウンジ・イベント! ( 2013年12月7日(土) 18:30 - 21:30@エイトルーム代官山)
サイモン・ガーデンフォールズ/Simon Gärdenfors (1978年マルメ生まれ)
1978年マルメ生まれ、ストックホルム在住。マンガ家としてのほか、ラッパー、ラジオのパーソナリティとしても活動を行う。
マンガ作品には、丸みのあるキャラクターなど、柔らかいイメージが登場するが、そのストーリーには自叙伝的なものや現実的な主題が扱われている。これまでに4冊のグラフィックノベルを出版しているほか、スウェーデンで発行された GalagoやRocky Magasinなどの作品集にも短編が収録されている。 2010年には、作品集「Simons 120 dagar 」の 英語版「The 120 Days of Simon」を発表。2008年には、スウェーデンのテレビ放送ZTVにて、お菓子のパッケージやマンガ、ピンボールなどのジャンク・カルチャーを取り上げた 「The Simon Gärdenfors skräpkultur-show (The Simon Gärdenfors Junk Culture Show)」より6本のエピソードを紹介した。http://gardenfors.blogspot.jp/
滞在期間:2012年10月3日-12月28日まで
助成機関:IASPIS
イベント:作品プレゼンテーション(非公開)
マイケル・ヨハンソン/Michael Johansson(1975年スウェーデン生まれ、マルメ在住)
2005年にスウェーデンの"Malmö Art Academy"修士課程修了。その後いくつかのレジデンスプログラムに参加。スウェーデンの国内外で数多くの展覧会を開催し、常に新作を発表し続けている。現在、スウェーデンのマルメ在住。
滞在期間: 2011年10月20日-2012年1月初旬まで
助成機関:IASPIS
イベント:AIT ARTIST TALK #55「Horror Vacui - 余白の恐怖」
テューラ・ナーヒネン/Tuula Narhinen(1967年生まれ/フィンランド出身、ヘルシンキ在住)
フィニッシュ・アカデミー・オブ・ファインアーツや、ヘルシンキ・ユニバーシティ・オブ・テクノロジーで学ぶ。Kiasma Museum of Contemporary Art(フィンランド、2006年) <やGallery Sculptor(フィンランド、2009年)等で数々の個展を開催。ヘルシンキ市やオウル市の市立美術館や、Kiasma Museum of Contemporary Art等の機関にコレクションされている。近年は環境問題をテーマにした活動も精力的に行っている。
滞在期間:〜 2010年11月2日(火)まで
助成機関:FRAME、フィンランド・センター
展覧会:
フィンランド出身のテューラ・ナーヒネンは、主に写真やドローイング、彫刻などから構成されるインスタレーション作品を制作しています。自ら発明した撮影・描画器具を使い、雨や風などの自然現象から偶然に生まれる法則を視覚化する彼女の作品には、カメラの露光時間を長くすることで、木の枝に結び付けた電球の光がゆるやかな風の軌跡を写し出す「Win dtracers」(2000年)や、真冬のフィンランドの屋外でキャンバスに青い絵具を塗り、結氷した表面をゆっくりと乾燥
させることで霜の模様を描き出す「Frostflowers」(2008年) などがあります。
ヤコブ・シモンソン/Jakob Simonson(1974年生まれ/スウェーデン出身、マルモ在住)
フィニッシュ・アカデミー・オブ・ファインアーツや、ヘルシンキ・ユニバーシティ・オブ・テクノロジーで学ぶ。Kiasma Museum of Contemporary Art(フィンランド、2006年) <やGallery Sculptor(フィンランド、2009年)等で数々の個展を開催。ヘルシンキ市やオウル市の市立美術館や、Kiasma Museum of Contemporary Art等の機関にコレクションされている。近年は環境問題をテーマにした活動も精力的に行っている。
滞在期間:〜 2011年1月5日(火)まで
助成機関:IASPIS
イベント:
スウェーデン出身のヤコブ・シモンソンは、近代の視覚のあり方を攪乱するようなペインティングやインスタレーションを制作しています。2009年にスウェーデンのランドスクローナ市立美術館で開催された「Synrand」展では、ガラス窓で囲まれた展示空間へ、ガラス窓の上半分をアルミのフィルムで覆うという介入を行いました。これにより、観る者は、フィルムに映り込んだ展示空間内部の規則的なグリッド状の構造と、フィルムで覆われていない外の風景を同時に見ることになり、質の違う二つの空間の狭間で戸惑いを覚えることになります。
カミラ・カールソン(スウェーデン) IASPIS/AIT提携プログラム 1971年生まれ