AIT ARTIST TALK #80「リミナル ・スペース Liminal Space」
日程:2021年3月26日(金)
時間:19:00-20:00(18:50より入室可)
場所:AIT Zoomルーム
スピーカー:内田聖良、テレサ・フェルドマン
*要事前申込、無料
*通訳補助あり
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]、Baltan Laboratories
助成:令和2年度アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業
Image by Seira Uchida, Courtesy of the artist
この度、AIT ARTIST TALK #80「リミナル ・スペース Liminal Space」を3月26日(金)に開催いたします。
AITは、2021年1月より2月まで、日本からアーティストの内田聖良と、オランダを拠点にデザイナーとして活動するテレサ・フェルドマンを迎えて、オンラインとオフラインを掛け合わせたレジデンスプログラム「リミナル ・スペース Liminal Space」を行いました。
アイントホーフェンにある芸術文化団体、バルタン・ラボラトリーズ(Baltan Laboratories)と協働したレジデンスプログラムは、新型コロナウイルス感染症拡大による渡航制限のため、オンラインのアプリケーションを用いてリサーチを重ねました。日本とオランダで活動するアーティストやプログラム・オーガナイザーを迎えたスタディ・セッションを数回行い、両者が共に関心を寄せた「フェミニズム」や「家制度」を柱に、パンデミック・ロックダウン・ステイホームなど、目まぐるしい生活と社会環境の変化を機に露わになった個のストーリーや歴史について考えを深めました。
【緊急開催】
AIT ARTIST TALK #79 〜小泉明郎氏と久門剛史氏を迎えて〜
日程:2020年9月5日(土)
時間:19:00-20:30(18:50より入室可)
場所:AIT Zoomルーム
スピーカー:小泉明郎、久門剛史(敬称略、五十音順)
モデレーター:塩見有子
定員:40名(要事前登録・先着順)
*無料
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:メルセデス・ベンツ日本株式会社、原美術館
この度AITでは、「AIT ARTIST TALK #79 小泉明郎氏と久門剛史氏を迎えて」を9月5日(土)に緊急開催いたします。
AITは、2003年よりメルセデス・ベンツの文化・芸術支援活動「アート・スコープ」の企画運営を行なっています。現在、原美術館において「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018 - 2020」展が開催されており、会期終了間際のタイミングではありますが、本展に参加する久門剛史、小泉明郎を迎えて、会場の展示風景写真も織り交ぜながら、新作を中心にお話を伺います。(同展の参加のハリス・エパミノンダは、残念ながら不参加となります)
今年の春以降、コロナの感染拡大が止まらない中で新作に挑んだお二人が、変わりゆく社会をどのように観察し、それが作品に表れているかをお聞きする機会になれば幸いです。少し長めのQA時間を設けていますので、作家との交流を楽しみたいと思います。
展覧会は今週末(9月6日)に終了ですので、トークの前に作品をご覧いただくのもおすすめです。展覧会のご予約は、原美術館のHPからご予約ください。
皆さんのご参加をお待ちしています。
第12回恵比寿映像祭 YEBIZO MEETS 地域連携プログラム
AIT ARTIST TALK #78
「The Emotional Experience of Architecture - 建築の感情的経験」
〜オランダよりアーティストのペトラ・ノードカンプを迎えて〜
日程:2020年2月19日(水)
時間:19:00 - 21:00(18:30 開場)
場所:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビルB-403 [MAP] / 東急東横線代官山駅より徒歩5分、JR山手線、東京メトロ恵比寿駅より徒歩10分)
協力:Mondriaan Fonds
*有料(1ドリンク付き) / 要予約 / 逐次通訳あり
Partnership event of The Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2020
AIT ARTIST TALK #78
"The Emotional Experience of Architecture"
Artist Talk by Petra Noordkamp from the Netherlands
Date: Wednesday, February 19, 2020
Time: 19:00 - 21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room (B-403 Twin Building Daikanyama, 30-8 Sarugakucho, Shibuya-ku, Tokyo) [MAP] / 5 min. walk from Daikanyama station on the Tokyu Toyoko-line, 10 min. walk from JR Yamanote-line or Tokyo Metro Ebisu Station)
Supported by Mondriaan Fonds
*All admission with 1 drink / Booking required / Consecutive translation available
Photo by Petra Noordkamp
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AIT ARTIST TALK #72
「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」
〜スウェーデンよりアーティストのハンス・アンダーソンを迎えて〜
日程:2017年11月14日(火)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 要約通訳あり
AIT ARTIST TALK #72
"History flows from all the presents"
Artist Talk by Hans Andersson from Sweden
Date: Tuesday, November 14, 2017
Time: 19:00 - 21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admission with 1 drink / Booking required / Summarized Japanese translation available
Works by Hans Andersson, 2017, Courtesy of Galerie Forsblom, Photo by Angel Gil
AITでは、11月14日(火)19:00より、スウェーデン出身ストックホルム在住のアーティスト、ハンス・アンダーソンによるトーク「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」を開催します。アンダーソンはIaspis財団の助成により、9月から11月30日まで東京に滞在しています。
アート作品は、鑑賞者の心の状況にある種の穏やかさをもたらすことはできるのでしょうか。
こうした問いは、アートがより高次の意識のために作られていた時には重要なものでした。それは、様々な文化における宗教芸術に繰り返し見られながらも、モダニズムの幕開けによって向き合うことが困難になった問いといえます。ハンス・アンダーソンは、丁寧に時間を折り重ねた緻密なドローイングやコラージュ、立体作品を制作しています。それらは、優れた宗教芸術が持つような、時間を超越した性質を持っているとも考えられます。初期エレクトロアコースティック音楽、インディアン・タントリック・アート、建築、そして変性意識など、数々の経験や情報によってドローイングは、私たちをそうした複雑ながらも魅了してやまない物質と時間の交差に身を任せるよう促します。
今回の滞在においても、アンダーソンは、特に使い古した布である襤褸(ボロ)に着目したり、日本におけるアニミズムや建築にも関心を示し、時間や意識の重なりについて積極的にリサーチを行ない、東京以外にも、京都や広島にも訪れました。
本トークでは、アンダーソンによるこれまでの作品のスライド写真などを例に活動の様子や思考のプロセスを紹介したのち、後半はロジャー・マクドナルドとの対話によって進行します。
みなさんのお越しをお待ちしています。
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AIT ARTIST TALK #71
「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」
〜タイよりアーティストのピヤラット・ピヤポンウィワットを迎えて〜
日程:2017年10月23日(月)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 英語のみ
Collaborative patchwork created by local home-based tailor, courtesy of the artist
「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」
2000年以降、世界各地でファストファッションが旋風を巻き起こしています。多くの商品は、中国をはじめ東南アジアで生産されてショーウィンドウに並び、私たちの欲求を満たしています。一方その裏では、労働者をとりまく賃金や生活環境も問題として取り上げられています。
AIT ARTIST TALK #71「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」"Tangled Thread over Southeast Asia" では、タイ出身のアーティスト、ピヤラット・ピヤポンウィワットを迎え、東南アジアの被服生産における労働環境と格差社会から、日本の養蚕業の歴史までを俯瞰します。
ピヤポンウィワットは、国際交流基金アジアセンターのフェローシッププログラムにより、ベトナム・タイ・カンボジア・ミャンマーにある縫製工場をリサーチで訪れ、労働者に丁寧なヒアリングを行いました。工業用ミシンが所狭しに並ぶ工場で寡黙に働く人々の姿を撮影したり、携帯電話を使って労働者用の集合住宅で日常生活の様子を捉えるなど、加速するグローバリズムや資本主義経済の一端から、労働者たちのささやかな「声」を掬い上げています。ここでは、5ヶ月に及ぶこれらのリサーチと、そこから浮かび上がった東南アジアのもつれた糸を紐解くと同時に、垣間見えた彼らの日常をどのように自身の作品へと変換していくのか、ピヤポンウィワットの思考にも迫ります。
Left: Garment workers working in the factory in Phnom Penh, courtesy of the artist
Right: Worker dormitory near Phnom Penh Special Economic Zone (PPSEZ), courtesy of the artist
日本における養蚕業を中心とした繊維・縫製工場の歴史や労働環境の問題とその背景にも取り組んだピヤポンウィワットの視点から、労働をめぐる現在の東南アジアの姿と、私たちの経済・文化活動、グローバリズムの裏側について考えてみませんか。
みなさんのお越しをお待ちしています。
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AIT ARTIST TALK #70 「未来の身体を想像すること」
〜オランダよりアーティストのローリー・ピルグリムを招いて〜
日程:2017年3月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム *有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 日英逐次通訳あり
AIT ARTIST TALK #70
"FUTURE BODY TALK"
Artist Talk by Dutch artist Rory Pilgrim
Date: Friday, March 17, 2017
Time: 19:00-21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admissions with 1 drink / Booking required / Consecutive translation available
Top and bottom left: Sacred Repository N.3: THE OPEN SKY HD Film, 2016
Bottom right: Affection is the Best Protection Performance Land Art Live, Flevoland, NL 2015
「未来の身体を想像すること」
AITでは、3月17日(金)19:00より、オランダで活動を行うアーティストのローリー・ピルグリムによるトークを開催いたします。ピルグリムは、モンドリアン財団の助成により、1月から3月31日まで東京に滞在しています。
ソーシャリー・エンゲージド・アートやフェミニストのアート表現に影響を受けたピルグリムは、学校や教会、アートフェア、公共の場、そしてテレビなどで多様な人々と恊働し、人々が声をあげるための言語の必要性と、その過程や失敗を考察する作品を制作しています。インターネットが台頭する時代において、画面の向こう側にいる人々がどのように個々に、または共同体として声をあげることが出来るのかを模索し、人々が集うための方法の一つとして作曲を用い、アクションを促し、集合的な経験をつくり出しています。
彼の代表的な作品には、アムステルダム市立美術館の再オープンの際に、十代の若者と共に、彼らの世代の声を賛美歌として美術館へ届ける一連のスピーチを作り、振り付けをしたパフォーマンスがあります。2013年から16年まで制作された「聖なる宝庫(Sacred Repositories)」という三部作の映像作品では、世代間の対話から言葉の発見と奪還を目指し、言語がなおも急進的な媒介となり得るかについて探求しました。
当日は、ピルグリムが言語、身体、そしてテクノロジーを考察するパフォーマティヴなトークを行います。これまでの作品を紹介しながら、言語と身体の関係性を考える簡単なエクササイズを織り交ぜながら進行します。また、重大な局面を迎える世界的な政治状況の中で、いかに声や身体がアクションの場となり得るかを探る近年の作品、「抹消(Erasure)」にも繋がる、日本で行ったリサーチについても説明します。
ピルグリムのトークを通して、みなさんも身体の声に耳を傾けてみませんか。
みなさんのお越しをお待ちしています。
>>> English
AIT ARTIST TALK #69 「Unknown Arts & Crafts」ー無銘のアートと工芸
〜イギリスよりアーティストのエヴァ・マスターマン、ジャクソン・スプラーグを招いて〜
日程:2017年2月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 日英逐次通訳あり
AIT ARTIST TALK #69
"Unknown Arts & Crafts"
Artist Talk by British artists, Eva Masterman and Jackson Sprague
followed by a discussion with Roger McDonald [AIT]
Date: Friday, Feburary 17, 2017
Time: 19:00-21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admissions with 1 drink / Booking required / Consecutive translation available
Left: Jackson Sprague, My hand on your eye, 2017, Plywood, acrylic, Coutesy of Breese Little
Right: Eva Masterman, Used, 2016, Ceramic, Steel, Kiln Props, trolley
「Unknown Arts & Crafts ー 無銘のアートと工芸」
AITでは、2月17日(金)19:00より、ロンドンを活動拠点とする2人のアーティスト、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグによるアーティスト・トークと、AIT副ディレクターのロジャー・マクドナルドを交えたディスカッション・イベントを代官山AITルームにて行います。
現在、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグは、文化庁の助成により、AITとロンドンのカムデン・アーツ・センターとの恊働によるレジデンス・プログラムにて3月まで日本に滞在しています。
カムデン・アーツ・センターとの継続的な恊働で二回目を迎える本レジデンス・プログラムでは、主に現代アートの実践と陶芸の関係性や表現に着目しています。さまざまな議論と意見の交換を通して、今日見られるアートが、多様な表現領域の取り組みを受け入れながらどのように拡張しているのかを考察します。こうしたことに着目する背景には、近年、工芸の分野に改めて注目が集まっていることや、人間の手で作られたものや土、粘土など古来からの素材がもたらす影響と、アートにおける言論から外されてきた歴史的な参照が未だ多く残されていることが挙げられます。
本イベントのタイトル「Unknown Arts & Crafts」は、日本で民藝運動をおこした柳宗悦と、1972年に出版された柳の著作『The Unknown Craftsman』(無銘の工芸家)に由来しています。柳は、イギリスの陶芸家バーナード・リーチと半世紀にも渡って友情を深め、そこでは魅力的な交流が行われました。同じくイギリスでアーツ・アンド・クラフツ運動を主導し、アーティスト・詩人としても活躍したウィリアムス・モリスと評論家ジョン・ラスキンとの間にも、同じように豊かな影響と対話をみることができます。過去に行われたこれらの交流が、今回、カムデン・アーツ・センターと、アートやクラフトに関する恊働的なレジデンス・プログラムを行う契機のひとつとなっています。
当日は、スライドを交えながら、ふたりのこれまでの作品と活動を紹介します。その後、AITの副ディレクターを務めるロジャー・マクドナルドが加わり、アートとクラフトやアートと用の美について、共に生活すること、社会的な機能、手から造られるもの、実在することや時間についてのアイディア、過去の参照項との関連性など、幅広い観点からディスカッションを行います。
また、アートをあらゆる側面からみてみようというこれらの視点は、AITが10年以上に渡って行う現代アートの学校、MAD(Making Art Different)の新しいプログラムのテーマである「Holistic=ホリスティック(全体性、健やかに生きること、ものごとを癒すこと)」にも大きく繋がっています。
みなさんのお越しをお待ちしています。
[概要]
日程:2017年2月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403)
定員:20名(予約制)
参加費:一般1,000円、MAD受講生・修了生、一般学生・ベースメンバー 800円、ハウス/サポートメンバー 無料(すべて1ドリンク付き)
その他:要予約、日英逐次通訳あり
モデレーター:ロジャー・マクドナルド [AIT]
通訳:池田哲
主催:特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]
平成28年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業
[ご予約方法]
タイトルを「AIT ARTIST TALK #69 参加希望」とし、お名前(ふりがな)、ご連絡先を明記したメールをotoiawase@a-i-t.net宛てにお送りください。(@を半角にしてお使いください)
>>> English
ARCUS + AIT アーティスト・ミニトーク
「ピールド、ピール、ピーリング」
〜エルサルバドル、マレーシア、韓国、スウェーデンからアーティストを迎えて〜
日時:2016年11月27日(日) 16:30 - 18:00 *16:30よりミニ・トーク、18:00より交流会を行います
会場:アーカススタジオ(茨城県守谷市板戸井2418 もりや学びの里内)
アクセス:つくばエクスプレス(TX)秋葉原駅より快速で32分守谷駅下車、バスで10分
http://www.arcus-project.com/jp/about/access.html
主催:ARCUS Project、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:IASPIS
*入場無料/予約不要(会場に直接お越しください)/逐次通訳あり
ARCUS ProjectとArts Initiative Tokyo [AIT/エイト]は、11月27日(日)16:30より、それぞれのレジデンスプログラムで日本に滞在しているアーティスト4名によるミニ・トークを行います。
これまで8回に渡り、両団体はアーティスト・トークなどのイベントを通じて恊働を行ってきました。このトークは、ARCUS Projectの活動拠点アーカススタジオを会場に、ARCUS Project 2016年度のレジデントアーティスト、エルネスト・バウティスタ(エルサルバドル在住)、ガン・シオン・キン(マレーシア在住)、イェン・ノー(オーストリア在住)に加え、AITのレジデントアーティスト、ジェニー・ユーシャンスキー(スウェーデン・アメリカ在住)が登壇します。また、当日はARCUS Projectが主催するオープンスタジオ最終日となり、トーク後の18:00よりアーティストたちを囲んだ交流会を行います。
エルネスト・バウティスタは、血や銃弾、炎、人骨、刃物など、死や暴力を想起させるものを作品の素材としながら、社会や政治における諸問題を主題に、彫刻やインスタレーション、映像作品を制作しています。ガン・シオン・キンは、遊びの感覚を取り入れ、笑いやユーモア、喜びを探求しながらも、コンセプチュアルな手法で絵画の根源的構造に疑問を投げかけます。イェン・ノーは、言語や翻訳を主題に、その過程において誤読や誤解が生じる中で、社会の近代化にそれらがどのような影響を与えたかをインスタレーションやスピーチ・パフォーマンスを通して発表しています。これらのアーティストによるリサーチや制作のプロセスは、11月11日(金)より開催されるARCUS Projectのオープンスタジオでも見ることができます。ジェニー・ユーシャンスキーは、外来植物の生態系やその伝来をリサーチしながらインスタレーションを組み立てます。そこでは、移民など人の流動にまつわる現代的な社会問題も接続されるなど、私たちの社会構造に揺さぶりをかけています。
4名のアーティストは、思考や表現方法も異なりますが、その行為は私たちの社会が抱える問題の一側面を丁寧に剥がし(ピール/Peel)、これまで歩んできた過去、そして現在から未来へつながる時間と緊密な関係を持っているといえます。このミニ・トークで、彼らの活動や滞在中のリサーチについて、また、それぞれが体験したレジデンスの感想などを聞きながら、改めて私たちの社会や日常を見つめてみませんか。当日は、ARCUS ProjectとAITのコーディネーターも参加します。アーティストと意見交換をしたい方や、アーティスト・イン・レジデンスに興味のある方も、ぜひご参加ください。
>>> English
AIT ARTIST TALK #68
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)を迎えて
日時:2016年7月13日(水)19:00-21:00 *要予約 / 有料 / 日英逐次通訳あり
AIT ARTIST TALK #68: "From the History of Battle to Reconciliation and Love"
Artist Talk by Chaw Ei Thein (Myanmay/Burma) and Krishnapriya Tharmakrishna (Sri Lanka)
Date and Time: Wednesday, July 13 2016, 19:00-21:00
*Booking required. This talk will be in English with consecutive translation.
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
AITでは、7月13日(水)19:00より、アーティストのチョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)の2人を迎え、AIT ARTIST TALK #68 を開催します。
現在、2人はバッカーズ・ファンデーションの助成により、AITのレジデンス・プログラムにて東京に約3ヶ月間滞在しています。また、本トークは、7月9日(土)から23日(土)まで山本現代で開催される展覧会「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展の関連企画として行われます。
チョウ イー・ティン
(1969年ミャンマー/ビルマ生まれ)
(画像左 チョウ イー・ティン)
芸術家である父、マウン マウン・ティンのもと、芸術的指導を受けたチョウ イー・ティンは、多様な表現方法を追求し、画家、パフォーマンス・アーティストとして多くの国際的な賞を受賞しています。2001年にヤンゴンの町角でおこなった行商パフォーマンスでは、当時の政権下では流通していない旧貨幣を釣り銭として使用したことが政治活動とみなされ、警察に拘束された経験を持っています。社会政治的な環境の下での矛盾や葛藤をありのままに描き出す作風は、言論の自由の制限や身の回りの社会変化が及ぼす影響による、自身の経験から紡ぎ出されました。
2009年、アジアン・カルチュラル・カウンシルのグランティーとしてニューヨークに滞在したことを契機に、現在は母国から離れて芸術活動を続けています。
クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ
(1987年ジャフナ、スリランカ生まれ)
(画像 Impression 2-1, 2015, Nail drawing on tracing paper)
国がもつ歴史の悲しさと地形から、「インド洋の涙」とも呼ばれるスリランカ島の最北の地、ジャフナ県に生まれたターマクリシュナは、1980年代始めに勃発した激しい内戦により、幼い頃から家族と離ればなれに暮らさざるを得ない環境で育ちました。こうした経験は、自身の喪失の痕跡をたどり、忘却の彼方にある記憶と、そこにある自己像を掘り起こすような創作活動にも表れています。ドローイングや絵画、コラージュを主な表現とする彼女の作品には、紙やトレーシングペーパーに釘を押し当ててモチーフを描く手法が用いられています。淡い色を背景に浮かび上がる点や線は、幼少期をはじめとして、特定の時間におけるターマクリシュナのアイデンティティを表し、当時の心情を浮き彫りにしています。海外での作品発表は、日本が初めてとなります。
当日は、これまでの作品に加え「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展のために日本で制作した新作についてトークを行います。
ミャンマー/ビルマとスリランカは、どちらも争いの歴史を持ち、彼女たちはそれを直に経験しました。母親としての想い、あるいは母親への想い、そして女性アーティストとして二人が見つめてきた過去と未来は、どのような姿をしているのでしょうか。
みなさんのお越しをお待ちしています。
AIT ARTIST TALK #67
「映像とトークで触れるカンボジアの『過去に在る、いま』」
カンボジアより、アーティストのラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスを迎えて
日時:2015年7月15日(水)19:00-21:00 *要予約
AIT ARTIST TALK #67: "Today of Yesterday"
Talk and Film Screening by Rattana Vandy and Kanitha Tith from Cambodia
Date and Time: Wednesday, July 15 2015, 19:00 - 21:00
Top Left: Rattana Vandy, Looking In My Office 7, 2006 / Top Right: Rattana Vandy, Surface, France, 2011
Bottom Left: Kanitha Tith, Season of Cambodia, Transparent Studio at Bose Pacia, NYC photo courtesy: Pete Pin
Bottom Right: Kanitha Tith, "Endlessly"(2011), Photo by Heng Ravuth
「カンボジアからの気鋭のアーティストが映像とトークで語る歴史・記憶・時間」
AITでは、7月15日(水)の19:00より、カンボジアより、アーティストのラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスの2人を迎え、AIT ARTIST TALK #67 を開催します。2人は現在、バッカーズ・ファンデーションの助成により、AITのレジデンス・プログラムにて東京に滞在しています。
本トークは、7月11日から25日まで、山本現代にて開催される2人の展覧会「Today of Yesterday - 過去に在る、いま」展の関連企画として開催されます。
独学で写真を学んだラッタナ・ヴァンディー(1980年生まれ)は、ジャーナリストとしての活動経験を経て、現在は主に写真や映像を制作しています。近年は、東京都現代美術館ほか国内外に巡回する「TIME OF OTHERS/他人の時間」展を始め、「dOCUMENTA(13)」などの名立たる国際展、また、本年の『Hugo Boss Asia Art Award』のファイナリストの一人にも選出されるなど、カンボジアにおける気鋭の若手作家の一人です。
最新の映像作品「MONOLOGUE《独白》」では、クメール・ルージュ統治時代に命を落とした"あなた"への語
りかけを綴り、決して歴史化されることのない時間や痛みを映し出したほか、近年は、ポル・ポト時代に焚書政策で失われた哲学書や専門書をクメール語に翻訳するプロジェクトを通して、その記憶や歴史に触れる活動を
行っています。
カニータ・ティス(1987年生まれ)は、彫刻やパフォーマンス、インスタレーションなど、多岐に渡る表現を行っています。これまでに、水着をまとった自らの身体に水と砂を浴びせ続けるパフォーマンス作品「Heavy Sand」(2012)のほか、針金の彫刻と女性の下着で構成されるインスタレーション「Season of Cambodia」(2013)などを通し、カンボジアにおける女性に向けられるステレオタイプな眼差しへの問いかけ、また、資本や権力の下で消えてゆく歴史や場所などを取り上げた作品を制作しています。
2010年には芸術活動を通じて、カンボジア女性の権利や社会的立場の向上のために貢献した女性に贈られる
『You Khin Memorial Women's Art Prize』を受賞しました。
近年、経済発展を迎えながらも、カンボジアにおける歴史や時間の多くは埋もれたままであるといえるでしょう。
当日は、二人の映像作品とトークをふまえて、アーティストが眺めるカンボジアの社会的状況、また、彼らが表現を行うにあたっての思考について耳を傾けてみませんか。みなさんのお越しをお待ちしています。
*なお、同プログラムにて、ポーランドからキュレーターのマリアンナ・ドブコウスカが7月7日から日本に滞在します。彼女のキュレーター・トークは、7月22日(水)にAITにて英語のみで開催します。
詳細は近日中にメールニュースとウェブサイトにて告知いたします。こちらもぜひご参加ください。
第7回恵比寿映像祭 地域連携プログラム
オランダよりアーティスト エロディー・ヒーリックスックを迎えて
日時:3月2日(月)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム *要予約 *逐次通訳付き *学生・MAD受講生割引有り
Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2015 Event
AIT ARTIST TALK #66 by Artist Elodie Hiryczuk from the Netherlands
Date and Time: Monday, March 2nd 2015, 19:00-21:00
Venue: AIT Room Daikanyama
*Booking required *Talk will be in English with consecutive translation
Girl Making a Model of a Landscape - Sceneries series, 2005-2007
pigment print on archival paper, 100 x 100 cm
AITでは、3月2日(月)に、第7回恵比寿映像祭地域連携プログラムの一環として、オランダからエロディー・ヒーリックスックを迎えてのアーティスト・トークを代官山AITルームにて開催します。ヒーリックスックは、オランダのMondriaan Fonds財団の助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスで2015年1月から4月中旬まで東京に滞在しています。
庭園の模型を作る女性や、都会に設置された大自然の写真のビルボードなど、ヒーリックスックの写真やインスタレーションは、観る者に人間と自然との関係や空間の認識方法について思考を巡らせるきっかけを与えてくれます。本トークでは、実験的な空間表現を追求する制作プロセスに迫ります。
AIT ARTIST TALK #65
「技術、労働、抽象」オランダ出身アーティスト ヴィンセント・ヴルスマを迎えて
日時:3月24日(月)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム *要予約 *逐次通訳付き *学生・MAD受講生割引有り
*当日は、オランダのドリンクやチーズを振る舞います!
Left: Figure 1.1 (Raghu Bhai), 2013 and Figure 1.2 (Norbhai Badhiya), 2013, Jacquard fabric, hand spun cotton
and machine-spun cotton, on wooden stretcher, 215 x 150 x 4 cm and 500 x 150 x 4 cm
Right: Figure 1.2 (Norbhai Badhiya), 2013, detail, Jacquard fabric, hand spun cotton and machine-spun cotton,
on wooden stretcher, 500 x 150 x 4 cm/ Photo: Achim Kukulies
AITでは、3月24日(月)に、ヴィンセント・ヴルスマ(オランダ)を迎えて、アーティスト・トークを開催します。ヴルスマは、オランダのMondriaan Fonds財団の助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスにて2014年1月から3月下旬まで東京に滞在しています。
ヴルスマは、多くの場合、フィールドワークを通し、芸術と社会政治学的な関係、また、文化的盗用による経済や歴史の成り立ち、製品と作品の関係性について言及しています。ものの生産がデジタル化される現代において、さまざまな生産技術をリサーチし、対峙させることで、物質的/非物質的な労働における階層構造を問う作品を制作しています。
これまでの作品「Figure 1.1 (Raghu Bhai)」と 「Figure 1.2 (Norbai Badhiya)」では、 インド北西部のキャリコ博物館に収蔵されている18世紀のインド更紗(錦織物)をモチーフに、コンピュータ化されたジャカード織機(フランスの発明家ジャカードが1801年に発明した自動織機)を使ったインスタレーションを制作しました。ハンドスキャナーを用い、そうした歴史的な織物をデジタル化したその作品には、スキャンの過程で生じる模様のゆがみが抽象性を伴って表れています。それぞれの作品の丈は、スキャンした長さに比例し、綿の質量とともに、その身体的な労働量も映し出すことになります。
ヴルスマは、織物産業の歴史におけるインドの主導的役割や、急速に発展したヨーロッパの市場で、織物の模様・技法が組み替えられていった流れ、また、現代における不平等な労働分布に着目し、工芸品に内在する歴史的な影響関係を明かします。
当日のトークでは、彼がこれまでに行ったプロジェクトのほか、日本でのリサーチについても紹介します。
今回のレジデンスを機に、ヴルスマは江戸時代において、縞物や更紗などの織物がどのように外来の文化や技法を改作、模倣しながら発展してきたかを学びました。かつて、そうした織物は、オランダ東インド会社の貿易によって盛んに取引され、東南アジアやヨーロッパに伝来した歴史も持ちます。ヴルスマは、模様そのものの成り立ちよりも、日本の型染めと、インドの木版染めの技法の違いなど、異なる地域において染色や印刷技法がどのような変遷を経たかという過程に関心を持っています。
今回の滞在で京都、岡山などでも精力的にリサーチを行ったヴルスマ。
彼が体験したことやリサーチの成果が今後、どのように新作に繋がっていくのか、その過程を一緒に眺めてみませんか。当日は、オランダ王国大使館のサポートにより、オランダのドリンクやチーズもお出しします。
皆さんのお越しを心よりお待ちしています。
映像作品上映会 & トーク!
オランダ出身アーティスト メルヴィン・モティを迎えて
日時:3月28日(木)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム *要予約 *逐次通訳付き *学生・MAD受講生割引有り
Eigenlicht (The Inner Self in Outer Space), 2012, 35mm film, 18 minutes
AITでは、3月28日(木)にメルヴィン・モティ(オランダ)を迎えて、上映会およびトークを開催します。
モティは、オランダのMondriaan Fonds財団の助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスにて2013年1月から4月上旬まで東京に滞在しています。
モティは、映像作品やアーティスト・ブック、立体、ドローイングなど、多岐に渡る作品を制作しています。
神経学や科学などの学問分野への関心、また、戦時下における美術館の歴史や、オランダ植民地時代のスリナムにおいて契約移民として労働をしていたインド人の歴史など、綿密なリサーチを繰り返しながら立ち表れるモティの映像世界は、詩的でありながら、時に歴史の陰に隠れた出来事や、自然界の構造の不可思議さを映し出します。
今回は、そうしたモティの近作の映像作品の中から、"Eigengrau(The Inner Self in Outer Space-宇宙における、内なる自己)" , "Eigenlicht(左に同じ *関連作品)" および "Dust(塵)"の3作を上映します。その内の一作品である、 "Eigenlicht (Intrinsic light-内に秘めた光)"では、「物質」は自らの性質について語ることができるか、という
作家の関心を起点に制作されました。画面に広がる、魅惑的な蛍光色の物体は、実は紫外線を浴びて発光している、ウランを含む鉱石であることがわかります。
強烈なまでに鮮やかな蛍光グリーンの色をとおして、我々はウランという物質の危険性や猛毒性を感じとることができます。
また、本作品は、こうした映像の他に、広島原爆投下以降の、日本とウランの歴史を紹介したアーティスト・ブックによって構成されています。それにより、私たちは、視覚と言語という異なるアプローチを通し、「ウラン」という物質を体験することになります。
当日は、上映に加え、モティの制作に対する姿勢のほか、江戸小紋や紅型といった日本の伝統的な染めの技法など、東京滞在中に行っているリサーチについて説明します。2008年のベルリン・ビエンナーレに参加した他、海外における名立たる美術館や国際展で作品発表をしている気鋭のアーティスト、モティ。
初の日本滞在となる彼の、最新の映像作品を鑑賞できる貴重な機会となります。
皆さんのお越しを心よりお待ちしています。
ドイツより、ベネディクト・パーテンハイマーとリタ・ヘンセンを迎えて
「落下する人と、寄生する彫刻」
日時:10月29日(月)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム *要予約 *逐次通訳付き *学生・MAD受講生割引有り
左:Benedikt Partenheimer / Falling / Lars falling, Munich 2005
右:Rita Hensen / Ausatmen(Breathe Out) / 2011 / multipartite, wood, lacquer, plastic / 140x240x45cm
AITでは、10月29日(月)に、ドイツよりベネディクト・パーテンハイマーとリタ・ヘンセンを迎えて、アーティストトークを開催します。
2人は、ダイムラー・ファウンデーション・イン・ジャパンの芸術文化支援プログラム「アート・スコープ」により、AITのアーティスト・イン・レジデンスにて11月末まで東京に滞在します。このレジデンスの経験を経て制作する新作は、2014年に原美術館にて開催される展覧会「アート・スコープ」にて発表される予定です。
ベルリンを拠点に活動をするベネディクト・パーテンハイマーは、主に写真や映像作品を制作しています。これまでの作品には、写真のトリックを使いさまざまな風景に水平に立つ知人を撮影した「落下」シリーズや、かつて民族紛争の地であったバルカン半島の現在の風景を撮影した「境界」シリーズなどがあります。2006年より行っている「転換」シリーズでは、メキシコの海岸や、ニューヨークのアパート、ベルリンの森などを背景に、ダミアン・ハーストやダン・グラハム、フランク・ステラなど、著名なアーティストの後ろ姿を撮影しています。後ろ姿の彼らは何を見ているのか・・私たちもまた、彼らの前に広がる建築、自然、都市の風景を眺めながら、その表情について想いを巡らせることとなります。このシリーズは、東京でも継続する予定です。
リタ・ヘンセンは、ドイツで最も古い美術大学の一つであるミュンヘン美術院で学び、現在もミュンヘンを拠点に活動をしています。豊かな色彩の作品の数々は、ドローイングから彫刻、写真まで多岐にわたります。2011年の展示では、淡いペパーミント色や鮮やかなオレンジに彩色された山脈状の彫刻「デポー 1 (風)」や、板に開いた穴と球状のプラスチックが互いを支え合う、建築モデルのような「吹く」など、壁に寄生したり連鎖状に広がる作品の数々を展示しました。ところどころ残る板の地の色や、接合個所を記すメモ書きが残る作品の様子は、さながら制作過程を覗き見ているようです。そこには、「彫刻」はどのプロセスから作品になり、未完成/完成の地点はどこなのかという、アーティストの思考の痕跡が見られます。
今回のトークでは、2人が過去の作品や制作方法、アイディアなどについて紹介するほか、日本滞在の発見と、それを通して見えて来る新作のアイディアについて話をします。東京滞在の経験は、二年後の展覧会で発表される作品にどのように表現されるのでしょうか。当日は、アーティストの思考や制作のプロセスを、皆さんと一緒に共有します。皆さんのご参加をお待ちしています。
「二羽の鳥と石と馬」アイシェ・エル クメン(トルコ)、クリスティーナ・ベルニング(ドイツ)、ヘンク・フィシュ(オランダ)を迎えて
日時:9月10日(月)19:00-21:00 *要予約 *逐次通訳付き
会場:代官山AITルーム *要予約 *逐次通訳付き
Henk Visch/Miss Universe/2011/metal, mixed media/h 130cm
AITでは、アイシェ・エルクメン (トルコ)、クリスティーナ・ベルニング(ドイツ)、ヘンク・フィシュ(オランダ)によるアーティストトークを開催します。本トークは、9月8日(土)よりワコウ・ワークス・オブ・アートで開催されている「Two birds, a stone and a horse 二羽の鳥と石と馬」展(ヘンク・フィシュ企画) にあわせて、企画されたものです。
ヘンク・フィシュは、ベニス・ビエンナーレやドクメンタなどの国際展をはじめ、数多くの展覧会やパブリックアートプロジェクトを手がけてきたオランダを代表する作家の一人です。詩人のような独特の思索からフォルムを導き出し擬人化した立体や、抽象的な造形で知られています。ブロンズ作品の他、近年では、ワイヤーを主な素材とした人体を思わせる立体作品をしています。
http://www.henkvisch.nl/
アイシェ・エルクメンは、昨年のベニス・ビエンナーレのトルコ館の代表作家で、近年ますます注目を浴びている作家の一人です。既成品を素材とし、新たな空間に配置し直すことで、鑑賞者に身体性をともなうユニークな鑑賞体験を与えます。展覧会では、インターネットで自らの名前を画像検索し、ポートレートを制作した《On Its Own》を展示します。インターネット上に存在する画像の所属先の不明・不透明性、またブラウザーや国によって結果が変化すること等のシステムを問い直します。
http://www.ayseerkmen.com/
クリスティーナ・ベルニングは、三人のなかでは一番若手で、独特の造形力と構成力に今後の活躍が期待される作家です。木材、プラスター、さまざまな拾得物などの日常的な素材を、粗野で未処理な特徴を残したままで使い、一見もろく見える作品を制作します。こうして出来た作品は、西洋美術がよりどころとしている、自然や現存する事物の模倣という定義の解体、再構築をこころみるものです。彼女により生み出された非現実的な造形は、鑑賞者に、形態と空間の概念についての再解釈を迫ります。
http://www.kristina-berning.com/
レディメイドの素材を斬新な構成で変容させるアイシェ・エルクメン、具体と抽象の間を自在に行き来するヘンク・フィシュ、生のままの素材を使いながらも非具象的な表現をおこなうクリスティーナ・ベルニング。今回のトークでは、三人の異なる立体表現を展開する作家たちが新作や旧作について語るほか、ヘンク・フィシュの企画意図などについても紹介します。
ヘンク・フィシュは、2004年にAITのトークに参加して以来、8年ぶりの登壇となります。
皆さんのご参加をお待ちしています。
「失速なき創造回路ー狩野哲郎、小泉明郎、西野達、丹羽良徳、森千裕ー」
5名のアーティストのミニ・トークと交流会
日時:8月22日(水)19:30-21:30 *開催時刻が変更となりました
会場:ヒルサイドフォーラム *要予約(定員50名)
左:西野達/「マーライオンホテル、The Merlion Hotel」/撮影:服部祐介
真中:丹羽良徳/「自分の所有物を街で購入する」(2011) /撮影: Tetsu Nakahori/(c) Yoshinori Niwa Courtesy of Ai Kowada Gallery
右:小泉明郎/"The Chair"/single channel video installation, 3min36sec/2001
アーティストの創造回路に触れ、会話とドリンクを楽しむ夏の夜!!
AITでは、8月22日(水)の19:30から21:30まで、「DAIKANYAMA ART STREET」の関連イベントとして、ヒルサイドフォーラムにて、展覧会参加アーティストによるミニトークと交流会「AIT ARTIST TALK# 61」を開催します。
「DAIKANYAMA ART STREET」は、8月20日から8月26日まで、代官山の旧山手通り周辺の多数の会場で約1週間開催されるイベントです。『Not Authority, But Art〜常識に尻を向けろ。』をテーマに、会期中、現代アートをはじめとして、映画、音楽など、さまざまなジャンルが一堂に会します。
その一環として開催される展覧会は、コレクターの吉野誠一氏とギャラリストの小山登美夫氏によりディレクションされ、現在注目を集める17名のアーティストによる作品が展示される予定です。
本トークのゲストには、展覧会の参加アーティストの中から5名を招き、出品作品やその裏側にある思考に迫ります。
網や果物などを配した空間に鳥や植物を誘い込み、人間以外の視点による複数の世界認識を浮かび上がらせる狩野哲郎をはじめ、出兵する若き日本兵などの映像作品を通し、演出する作家と演じる役者の関係性を撹乱する小泉明郎。
資本主義社会の中でモノを所有することの可笑しさを遊びのようなパフォーマンスを通して映し出す丹羽良徳。
教会の風見鶏やシンガポールのマーライオンなど、公共のモニュメントを取り囲んで部屋を建築し、ホテルやリビングルームといったブライベート空間を出現させる西野達。
一見無秩序に見えるペインティングを通して、世の中のルールや価値観への違和感を描きだす森千裕など、私たちが普段「こうであろう」と信じて疑わない出来事に対峙し、アイディアを立ち上げ、多彩な作品表現へと転換する5名のアーティスト。
当日は、対談形式のミニ・トークに続き、フードやドリンクを楽しみながら、アーティストと参加者が気軽にコミュニケーションを楽しめる交流会を行います。
当たり前と考えられていることを疑うアーティストの視点には私たちの身の回りで起きている社会的な変化を考える上で、多くのヒントが隠されているかもしれません。
アーティストの表現について身近に話を聞いてみたい方、直接意見交換をしてみたい方はぜひご参加ください。
「スロットマシーン」スイス出身アーティスト、ミリアム・カーンを迎えて
日時:3月27日(火)19:00-21:00 *要予約 *逐次通訳付き
会場:代官山AITルーム
Miriam Cahn / "meine juden" 2005/2006 / oil on canvas, set of 16 (detail)
AITでは、3月27日(火)に、WAKO WORKS OF ARTで日本初の個展「私のユダヤ人、原子爆弾、そしてさまざまな作品」を開催予定のミリアム・カーンのアーティストトークを開催します。
ミリアム・カーンは、スイスを拠点に、ドキュメンタやヴェニス・ビエンナーレなど多数の展覧会で作品を発表してきました。
70年代からハプニングやフェミニズム・ムーブメントに影響を受け、ドローイングのパフォーマンスで活動を開始して以来、写真、ペインティング、ドローイングなど、様々なメディアを横断して作品世界を展開しています。
彼女の作品は、アイデンティティーや戦争、核問題などの具体的な社会問題に正面から向き合う強いテーマ性を持ちながも、たぐいまれな色使いが独特の雰囲気を醸し、幾重にも重ねられた筆使いや背景に溶け込むような輪郭が高い抽象性を備えています。毎回、展示のたびごとに空間の特徴を常に意識するというカーンは、時にインスタレーションのように平面作品を展示し、いくつもの意味が複雑に交差する重層的な鑑賞体験をもたらすことも大きな特徴です。
今回のトークでは、展覧会での作品や過去の制作について、その内容や動機、背景などを語ります。
トークのタイトルは、500点にもおよぶ作品画像をまるで「スロットマシーン」のように次々と紹介していくのはどうか?というアーティストのユニークな提案からつけられました。
日本で初の個展のために来日しているアーティストの話を聞く、貴重な機会となります。
皆様のお越しをお待ちしています。
ロシア出身アーティスト、クセニア・ガレイヴァによるトークとワークショップのご案内
「写真=フラット・スカルプチャー?ー平面から立体を、立体から平面をつくる写真術」
日時:3月12日(月)19:00-21:00 *要予約 *逐次通訳付き
会場:代官山AITルーム
"Untitled", 2011, Analogue colour photo
AITでは、ロシア出身でオランダで活動をしているアーティスト、クセニア・ガレイヴァを迎えて、AIT ARTIST TALK #59を開催します。
ガレイヴァはオランダの文化財団FONDS BKVBの助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスプログラムで2012年4月まで東京に滞在します。
トークでは、まずガレイヴァが自身のこれまでの作品を紹介します。
その後、ワークショップにうつり、三次元のものを二次元に写し取る、あるいは二次元のものから三次元を浮かび上がらせる写真の特徴を、実際にカメラを使って考えてみます。
写真は平面的に世界を切り取りますが、実は、目で見たときには気づかなかった質量や空間をそこに読み取ることができたり、写真を折り曲げた瞬間に三次元になるという点で立体的であるといえます。あるいは逆に、どんな立体のものも、撮影された瞬間に平面的なものとして私たちの前に現れる等、写真は二次元と三次元の間を行き来するメディアであるといえるでしょう。
ワークショップの冒頭では、ガブリエル・オロスコ、ヴォルフガング・ティルマンス、アーウィン・ワーム等、他のアーティストの作品も事例として取り上げ、あらゆる写真撮影の方法を探ります。その後、カメラを使って、皆さんの家にあった日用品や思い出のつまったもの、AITルームにある素材(色紙や段ボール等を用意します)でセットを作り、撮影することに挑戦します。
最後は、その場で撮影した写真をもとに、一人一人がどのように世界を見ているのか、みんなで話し合います。
(カメラは、デジカメやiphoneのカメラ機能など、後ほど撮った写真をデータで見せられるものをお持ちください。)
アーティストと共に、写真の認識を変化させる、ちょっとした冒険をしてみませんか?
皆さんのご参加をお待ちしています。
第4回恵比寿映像祭地域連携プログラム
「ヂョン・ヨンドゥ、作品を語る ―現実を疑い、『リアル』を探そう!」
日時:2月11日(土)13:00-15:00 会場:代官山AITルーム
*本トークは日本語で行われます
ヂョン・ヨンドゥ《シックス・ポインツ》 2010/作家蔵 シングルチャンネル・ヴィデオ(HD)
協力:ティナ・キム・ギャラリー、ニューヨーク
ソウルを拠点に世界で活躍するアーティスト、ヂョン・ヨンドゥが、今回の恵比寿映像祭で発表する≪空中庭園≫や≪シックスポインツ≫をはじめ、これまでに手掛けた写真や映像作品について語ります。イメージにおける「リアル」をさまざまに探る彼の仕事をとおして、私たちの時代の「確からしさ」を考えてみませんか?
ヂョン・ヨンドゥの写真や映像作品は、イメージの舞台裏や可塑性(無から作り上げること)に言及することで、イメージの「確からしさ」と「嘘っぽさ」の間に人々の注意を誘います。
それは、ある市井の人物の現在の姿と理想の姿が同じ構図で交互に立ち現れる≪奥様は魔女≫(2001年)であったり、カメラのアングルはそのままに舞台設定が次々と変化しながら85分にわたって次々と入れ替わる6つの場面をワンテイクで撮ってゆくドキュメンタリー作品≪ドキュメンタリー ノスタルジア≫(2008年)であったり、またあるときは、舞台で繰り広げられるマジックを撮影し、それを映像作品として再提示することで映像化したときに見えている部分と隠されている部分に同時に注意を引かせる≪シネ・マジシャン≫(2009年)であったり。
私たちが彼のイメージに「確からしさ」を感じるとしたら、それは表わされたイメージに対してなのでしょうか、それともそのイメージの背後にあるさまざまな装置や設定に対してなのでしょうか、あるいはその組み合わせから生まれる「作品」に対してなのでしょうか、それとも...?
作品作りにおけるコンセプトやそれを具体化する方法論をとおして、目の前の現実と映像が映し出す「リアル」の差を捉えます。
フィンランド出身アーティスト、ユーリ・カーシネンを迎えて
「日常の宝もの=表現者、フィルム、ピクセル、そしてケミカル」
日時:1月16日(月)19:00-21:00 *要予約 *逐次通訳付き
"Stubborn", 2007
AITでは、1月16日(月)の19:00より、フィンランド出身アーティストのユーリ・カーシネンを迎えて、AIT ARTIST TALK #57 を開催します。カーシネンはフィンランドのFRAMEおよびフィンランドセンターの助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスプログラムで2012年1月27日まで東京に滞在します。
主に写真作品を制作し、自身をメディアアーティストと称するカーシネン。彼の関心は、身の回りに偶然立ち現れる詩的な風景に向けられています。上記参考作品の「Stubborn(頑固なもの)」では、映画の一場面のように、凍ったバルト海の上に一台のショッピングカートが静止している、幻想的な光景が写し出されています。ぽつんと置かれたショッピングカートは、偶然そこにいきついたのか、それとも、誰かのいたずらによって置き去りにされたのか、観る者はこうした疑問を持ちながら、しばし作品に目を奪われることになります。また、カーシネンは、10年近くアーティストやミュージシャン、グラフィック・デザイナーなど、自身の周りにいる表現者たちのポートレイトを撮り続けています。彼らの活き活きとした表情やふとした身振りからは、躍動感溢れる「日常」の物語りが見えてくるようです。
トークでは、主にフィンランドで撮影した過去の作品紹介のほか、ゲームボーイやコーヒーを用いた実験的な撮影ツールや現像の手法についても触れます。東京滞在中も、カメラを肌身離さず持ち歩くことで、日常の宝ものー「treasures of everyday life」を切り取るカーシネン。
彼の話しに耳を傾け、独自の視点や考え方を通して見える光景を体験してみませんか?
皆さんのお越しをお待ちしています。
アーティスト福士朋子によるトーク+ワークショップ
「つぶやきから世界が見える!?−ラッキーちゃんの4コママンガ講座」
日時:12月19日(月)19:00-21:00 *定員12名 *要予約
4コママンガ「ラッキー☆ラッキー」より
AITでは、12月19日(月)の19:00から21:00まで、アーティストの福士朋子氏によるトーク+ワークショップ、「つぶやきから世界が見える!?−ラッキーちゃんの4コママンガ講座」を開催します。
福士朋子氏は、現在、AITと東京文化発信プロジェクト室が主催する「ストリートペインティング・プロジェクト」で、改修工事中の東京芸術劇場(池袋)の仮囲い壁に≪見て見て☆見ないで≫を展示中です(2012年3月まで)。
美術大学で油絵を学んだ福士氏は、ホワイトボードにマジック用いて、ペインティングにマンガのコマ割りや言葉を取り入れた作品を制作しています。1995年からは、ギャラリー以外での発表方法として、自宅のFAXから不定期に友人やギャラリーなどに1ページ完結の「FAXマンガ」を送信していました。FAXマンガ『ラッキー☆ラッキー』では、主人公のラッキーちゃんがアーティストの声を代弁する存在として、小さな皮肉とユーモアでアート界や社会に立ち向かうアーティストの機微をいきいきと展開しています。現在は形を変えて作家のウェブサイト『少女画帖』で連載を観ることができます。
今回は、こうした『ラッキー☆ラッキー』の方法を取り入れ、ワークショップを行います。
俳句や短歌のように形式が決まっているからこそ、「世界」を凝縮して表わすことができる4コママンガ。
今回のトークとワークショップでは、前半に福士氏が考える絵画とマンガの相違点や4コママンガの仕組み、またこれまでに発表した「FAXマンガ」を紹介し、後半は、参加者の皆さんがそれぞれ4コママンガを描きます。
テーマは、「最近つぶやいたこと」。
4コママンガにしてみると、意外に自分が意識していなかった世相が表わされていることに気づくでしょう。イラストやマンガを描いたことのない人も、特別な技術は必要ありませんので、ぜひお気軽にご参加ください!
「Horror Vacui - 余白の恐怖」スウェーデン出身アーティストのマイケル・ヨハンソンを迎えて
日時:12月5日(月)19:00-21:00 *要予約 *逐次通訳付き
左から:Strolls through time and space, 2009 / Monochrome Anachron, 2008 / Self Contained, 2010 / Ghost II, 2009
AITでは、12月5日(月)の19:00より、スウェーデン出身アーティストのマイケル・ヨハンソンを迎えて、AIT ARTIST TALK #55 を開催します。ヨハンソンはスウェーデンのIASPISの助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスプログラムで2012年1月まで東京に滞在します。
ヨハンソンは、時計や本、スーツケース、家具、車など、私たちの身の回りにある大小様々な日用品を使用したインスタレーションを制作しています。立方体に物を積み上げ、隙間無くびっしりと空間を埋めつくした作品は、色彩豊かな寄木細工のようであり、装飾性を限りなく削ぎ落としたミニマリズム彫刻をも想起させます。建築的に積み上げられた日用品の数々は、集合体となることで個々の機能は取り去られ、全く異なる意味を提示します。
トークのタイトルでもある"Horror Vacui"は、ラテン語で、空白を細やかなディテールで埋め尽くすアートの手法を意味します。この手法は、イスラム美術のアラベスク模様や、アウトサイダーアートのドローイングなどにも見られます。
ヨハンソンの目には、過密な都市である「東京」もまた、あらゆる情報やものによって埋め尽くされた場と映ったようです。
さまざまな場や空間への好奇心を起点に制作される作品は、ヨハンソンの東京での滞在経験により、どのように移り変わって行くのでしょうか。
当日は、近年に発表した作品や、ヨハンソンが埋めずにはいられない「空白の恐怖」と、その制作行程などについて話します。
また、AITルームの一角で、当日限りのミニ展示も予定していますので、どうぞお楽しみに。
皆さんのお越しを、心よりお待ちしています。
文化的変容とアイデンティティを語る:アーティスト、ケン・ラムを迎えて
日時:11月28日(月)19:00-20:30 *参加無料 *本トークは英語のみで行われます
スピーカー:ケン・ラム(アーティスト)
Ken Lum "Cheeseburger" 2011
AITでは、11月28日(月)の19:00より、カナダからケン・ラムを迎え、12月に東京・MISA SHIN GALLERYで発表される作品を中心としたトークを行います。
ケン・ラムは、1956年生まれの中国系カナダ人。その写真やインスタレーションなどさまざまな形態をとる作品は、5年に一度ドイツのカッセルで開催される世界最大級の国際展、ドクメンタ11(2002年)やトルコのイスタンブール・ビエンナーレ(2007年)、光州ビエンナーレ(2008年)などに出品されています。言語や人物像を巡る問題を扱ったコンセプチュアルなアプローチが特徴で、多く、日常生活を支えている構造を疑い、広告やビジネス、消費社会における記号や視覚形式を巧みに操って作品化しています。また、カナダやヨーロッパにおける大規模なパブリック・アートの作品も手掛けているほか、キュレーターのオクウィ・エンヴェゾーと共に「The Short Century」展(2001)の企画制作も行っています。
2001年から2008年までは、AITの活動に関するアドヴァイザーを務めました。
世界の現場で活躍するケン・ラムが、日常経験される文化的変容の絶えまない力のなかで作られるアイデンティティについて、またそれを作品として成立させることについて話します。
現代アートの奥深さに触れるこの機会にぜひご期待ください。
「相対を越えて」アーティストの平川典俊氏を迎えて
日時:7月26日(火)19:00-21:00
平川典俊 In Reminiscence of the Sea ありし日の遠州灘 -Moonlight on Sunset- , 2007, Fuji Crystal Archive (C-print), 25.4 x 38 cm
AITでは、7月26日(火)の19:00より、平川典俊氏を迎えて、ARTIST TALK #53 を開催します。平川典俊氏は、これまでインスタレーション、映像、演劇、パフォーマンスやサウンドなど様々なメディアを複合した作品を発表、社会や文化の規律によって規定されている私たちの知覚を広げ、それらから解放を促す社会システムや制度を提案してきました。身体性やジェンダー、メディア、宗教、政治、現代美術そのものなど、幅広いテーマで時に挑戦的なメッセージを発信している作品を続けている平川氏ですが、その根本には一貫して社会システムと個人、そして個人と自由意志についての真摯な問いかけと提言が見られます。
東日本大震災以降、社会とアートの関係について人々の認識に変化が生じ、アートに何が出来るのか、といった議論が活発になっています。平川氏が2007年に発表した浜岡原発をめぐる写真作品「In Reminiscence of the Sea ありし日の遠州灘 -Moonlight on Sunset-」がにわかに注目を集めているのも、その一端といえます。いま、人は社会にどう問いかけ、どう前進していくべきなのか? 人間の自我、社会システム、自由意志、そしてアートとは何なのか? このように、平川氏は自身の作品をとおして、鑑賞者に絶えず問いかけ、認識の変化を迫ります。
トークでは、平川氏のこれまでの作品についてや、彼が制作する上で大きなテーマとしている「覚道」という概念とアートの関係、そしてこれからの人間の存在とその可能性について話します。
オランダ出身アーティスト、エリック・ヴァン・デル・ヴァイデを迎えて
「アートの実践としてのフォトZINE(雑誌)づくり」
2月23日(水)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム
"Siedlung"/2008年
ドイツやブラジルなど、世界を旅しながらフォトZINEをつくり続けているオランダ出身アーティストの実践を追う
2月23日(水)の19:00より、エリック・ヴァン・デル・ヴァイデ(オランダ出身・1977年生まれ)を迎え、AIT ARTIST TALK #51を開催します。
ヴァイデは、FONDS BKVBの助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスプログラムで3ヶ月東京に滞在します。
ヴァイデは、訪れた街の歴史、あるいは街の一角で起きた出来事や事件の調査を起点に、そのプロセスで発見した建築や植物などを一冊のフォトZINEにまとめ、作品として発表しています。
2008年に制作した「Siedlung」(ドイツ語で近所、界隈の意味)では、第二次世界大戦前にナチスが自分たちを支持する労働者階級の人々に提供した何軒もの住宅を写真におさめ、冊子にしました。統一された住宅の概観からは、居住者に連帯感、一体感を植え付けようとしていた意図が伺えます。
トークでは、ヴァイデがこれまでに制作したアーティスト・ブックやフォトZINEをご紹介しながら、そのプロセスで行なったリサーチなどについて話します。まちの歴史や日常の知られざる一面をていねいに調べ、撮影し、見えなくなっていた物語にスポットライトを当てる彼の制作活動にご期待ください。
恵比寿映像祭作家 中田周作と松本力を迎えて
「アニメーション ー 自分の思いに息を吹き込む」
2月21日(月)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム
左:中田周作「Medo 新ヴァージョン」/2010年(部分)
右:松本力「終わりを照らすもの」/2010年(Take Ninagawaでの展示風景/[参考図版] 協力:タケニナガワ)
※上記いずれも恵比寿映像祭HPより引用
2月21日(月)の19:00より、アーティストの中田周作と松本力を迎えてAIT ARTIST TALK #50「アニメーション ー 自分の思いに息を吹き込む」を開催します。
中田周作は、彫刻、ドローイング、およびアニメーションなどの表現を取り入れた作品を制作しています。雑踏の中で撮影した人物やネット上で見つけた画像などをコンピュータ上でドローイングに起こし、それらをスクリーンやカンヴァスに無作為にちりばめ、幻想的な世界を創造します。
松本力は、コマ割りにしたス再生紙にドローイングを描き、それらを一コマ一コマ撮影することで、あたたかみのあるローテクのアニメーション作品を制作しています。
また、エレクトロニカ・バンド「オルガノラウンジ」や音楽家「VOQ」、ニブロール代表・矢内原美邦の演劇ソロプロジェクトなど、異ジャンルのアーティストとのコラボレーションも精力的に行っています。
本トークの前半では、2人にそれぞれの表現活動の根底に流れる考えや、制作におけるテクニックなどについて話を聞きます。後半では、AITのスタッフを交えてアニメーションの醍醐味にさらに踏み込み、参加者からの質問も受け付けながら、映像やアニメーションに関する自由な意見交換を行います。
新進気鋭のアーティストによる表現形式に対する考えや作品などをお楽しみください。
皆さまのご参加をお待ちしています。