会期:2017年1月14日(土)-2月5日(日)
*オープニングレセプション:1月14日(土) 18:00-20:00
開廊時間:11:00-19:00 (月曜休廊)
*入場無料
会場:gallery COEXIST-TOKYO(東京都江東区木場3-18-17)
★アーティスト・トーク:1月28日(土)14:00より 会場:AITルーム(代官山)★
AITは、江東区木場にあるギャラリーgallery COEXIST-TOKYOにて、若手芸術家の育成を目的に、若手アーティスト6名によるグループ展『ゆるんだ遠近法』をARTISTS' GUILDとアートト/art toと協力して開催します。
本展は、人と人の関係をさぐることをテーマにした展覧会です。
年をとり気づかぬうちに少しずつ変わってきた親子、毎日ルーティンをこなす労働者とそれに疑問を抱く人、同姓同名ながらまったく違った人生を歩んだ二人、メディアに取り上げられる人とそれを受け取る人。
人がいる分だけそれらの関係は多様さを極め、その時代や社会の複雑な状況や雰囲気を映し出します。
本展のアーティストたちは、身近にいながらも見過ごすことのできない人たちと関係をとりつつ、それを作品化しています。
関係をとるということは、もしかしたら距離やコミュニケーションのしかたを調節するということ、そしてそれは終わりのない作業であるのかもしれません。
彼ら彼女たちの、人とのかかわりと距離がどのように表され、「今っぽさ」を語りだすのか、ご期待ください。
*本展覧会は、AITと文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講しているアーティスト・プラクティス 2016の一環で企画制作され、美術家の森弘治、小泉明郎、森田浩彰、キュレーターの小澤慶介、コーディネーターの杉本ひと美が1年をかけて若手アーティストを指導しています。
アーティスト・トーク開催決定!
本トークでは、2016年5月より開講したアーティスト・プラクティス2016コースを受講した6名の作家が何を学び、それをどう表現へと昇華させたかなどを含め、本展で発表している作品についてプレゼンテーションを行います。
入場無料・予約不要ですので、こちらもあわせてご参加ください。みなさまのご来場をお待ちしております。(モデレーター:小澤慶介)
*トーク会場は、代官山AITルームで行われますので、お間違いのないようにお願いします*
日時:2017年1月28日(土) 14:00 - 16:00 (13:30 開場)
会場:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403) [ MAP ]
定員:30名 *イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。
参加費:無料(予約不要)
>>> English
AIT SLIDE TALK #34 「Can we curate commons? - コモンがつくられるとき」
〜スペイン バスク州より、キュレーターのアイゼア・バルセニーラを迎えて〜
日時:2016年12月21日(水) 19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
※要予約 / 逐次通訳あり
All photos from "Andrekale", courtesy of Señora Polaroiska
AITでは、12月21日(水)19:00より、キュレーターのアイゼア・バルセニーラを迎えて、AIT SLIDE TALK #34「Can we curate commons? - コモンがつくられるとき」を開催します。
バルセニーラは、アーティストの表現活動や展覧会などキュレーティングの場において、実践的行為を通じ、「パブリック」や「コモン」という概念がどのように作用しているのか、また、日本各地で見られるまちづくりの動きの中で、これらの関係性に着目しながらリサーチを行っています。
バルセニーラによると、2001年に出版された書籍『Public Places in Asia Pacific Cities』の中で、日本におけるさまざまな場は、場そのものが持つ物理的な特性よりも、行事などを通じてどのように使用されているのかということに、場の認識が左右されると言及されています。いいかえれば、パブリックとは、とある時間/とある場所で一時的に現れるものとも考えられます。
そうした「パブリック」あるいは「コモン」をテーマに、バルセニーラはこれまでにも多くのプロジェクトを手がけてきました。2012年から14年までは、フランス財団が主催し、ビルバオとパリで行われた「ニュー・パトロン」において、参加者が選択した都市空間や歴史を記述すること、ジェンダーや地域活性 などをテーマにプロジェクトを行いました。それらは、2014年から16年までTABAKALERAを会場に、発展的なプロジェクト「Andrekale」として引き継がれました。
本トークでは、「ニュー・パトロン」や「Andrekale」など、過去に手がけた事例を参照しながら、実践的行為や活動は、コモンという概念に接続可能なのか、そして、さまざまな資源や知識と並んで、どのような社会関係としてとらえることができるのか。また、アートをはじめ多くの文化活動は、パブリック(ネス)が創られる瞬間にどのような役割を果たすことができるのか、など、バルセニーラがこれまでの実践や日本での滞在での経験から生まれた問いをみなさんに投げかけます。
レジデンス・プログラムを通じたバルセニーラの考察から、みなさんも「バブリック」と「コモン」が成し得る可能性を一緒に探ってみませんか。ご参加をお待ちしています。
なお、バルセニーラは、12月31日まで日本に滞在予定です。
[概要]
日時:2016年12月21日(水) 19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403) [ MAP ]
定員:30名(予約制)
参加費:一般1,000円、MAD生・学生・ベースメンバー800円、ハウス/サポートメンバー無料(すべて1ドリンク付き)
通訳:池田哲
主催:NPO法人アーツイニシアティブトウキョウ[AIT/エイト]、TABAKALERA International Center for Contemporary Culture
助成:BASQUE INSTITUTE ETXEPARE, ACCIO´N CULTURAL ESPANA(AC/E), EU JAPAN FEST
*平成28年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業
〜 MAD修了生は何をしてる?アートとのより良い関わりかたを探して 〜
ゲスト:MAD受講生・修了生のみなさん
日時:2016年12月10日(土)18:30-21:00 *19:00-20:00までミニ・トークあり
会場:代官山AITルーム [ MAP ]
*参加無料、予約不要、入退場自由
*イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。
左:MAD2016レクチャーの様子 右:過去のミングリアスの様子
AITでは、12月10日(土)の18:30から21:00まで、代官山のAITルームにて、ラウンジ・イベント「ミングリアス」を開催します。「ミングリアス」とは、現代アートの学校MADの受講生や修了生、アート好きな人々が集まり、ドリンクを片手に交流を楽しむ入場無料のイベントです。 毎回、心地良い音楽やイベントテーマにちなんだドリンクやフードも楽しめます。
今回のテーマは、ズバリ「自分で見つけるアートとの関わりかた」です。
AITが2001年から開講している現代アートの学校MAD(Making Art Differentーアートを変えよう、違った角度で見てみよう)では、20-30代の社会人を中心に、さまざまな関心を持った人々が学び、これまでに約2,000人が受講し、アート界に多くの人材を輩出してきました。
その中には、MADをきっかけに仲間を募りビジネスをはじめたり、会社で働きながら自分たちの持っているノウハウや経験を生かしてアートプロジェクトをはじめた修了生も数多く活躍しています。
当日は、そうした修了生を招き、アートプロジェクトやギャラリ−の立ち上げ、新たなアートビジネスをはじめた動機や、実際に活動をはじめて感じたこと、仲間作りの仕方などについて聞いていきます。
また、修了生によるDJタイムも設けるほか、2017年度のMAD講師や、AITのレジデンス・プログラムで日本に滞在しているアーティストのジェニー・ユーシャンスキー(イタリア・ローマ生まれ、アメリカ・カリフォルニア州/スウェーデン・ストックホルム在住)とキュレーターのハイジア・バルセニーラ(サン・セバスチャン/スペイン生まれ)も参加予定です。
MADで学んだ人たちは何をしているの?という疑問をお持ちの方、また、MADで学んだ知識を仕事に活かしてみたい、身近な修了生の話を聞いてみたいという方は、ぜひお気軽にご参加ください。
>>> English
ARCUS + AIT アーティスト・ミニトーク
「ピールド、ピール、ピーリング」
〜エルサルバドル、マレーシア、韓国、スウェーデンからアーティストを迎えて〜
日時:2016年11月27日(日) 16:30 - 18:00 *16:30よりミニ・トーク、18:00より交流会を行います
会場:アーカススタジオ(茨城県守谷市板戸井2418 もりや学びの里内)
アクセス:つくばエクスプレス(TX)秋葉原駅より快速で32分守谷駅下車、バスで10分
http://www.arcus-project.com/jp/about/access.html
主催:ARCUS Project、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:IASPIS
*入場無料/予約不要(会場に直接お越しください)/逐次通訳あり
ARCUS ProjectとArts Initiative Tokyo [AIT/エイト]は、11月27日(日)16:30より、それぞれのレジデンスプログラムで日本に滞在しているアーティスト4名によるミニ・トークを行います。
これまで8回に渡り、両団体はアーティスト・トークなどのイベントを通じて恊働を行ってきました。このトークは、ARCUS Projectの活動拠点アーカススタジオを会場に、ARCUS Project 2016年度のレジデントアーティスト、エルネスト・バウティスタ(エルサルバドル在住)、ガン・シオン・キン(マレーシア在住)、イェン・ノー(オーストリア在住)に加え、AITのレジデントアーティスト、ジェニー・ユーシャンスキー(スウェーデン・アメリカ在住)が登壇します。また、当日はARCUS Projectが主催するオープンスタジオ最終日となり、トーク後の18:00よりアーティストたちを囲んだ交流会を行います。
エルネスト・バウティスタは、血や銃弾、炎、人骨、刃物など、死や暴力を想起させるものを作品の素材としながら、社会や政治における諸問題を主題に、彫刻やインスタレーション、映像作品を制作しています。ガン・シオン・キンは、遊びの感覚を取り入れ、笑いやユーモア、喜びを探求しながらも、コンセプチュアルな手法で絵画の根源的構造に疑問を投げかけます。イェン・ノーは、言語や翻訳を主題に、その過程において誤読や誤解が生じる中で、社会の近代化にそれらがどのような影響を与えたかをインスタレーションやスピーチ・パフォーマンスを通して発表しています。これらのアーティストによるリサーチや制作のプロセスは、11月11日(金)より開催されるARCUS Projectのオープンスタジオでも見ることができます。ジェニー・ユーシャンスキーは、外来植物の生態系やその伝来をリサーチしながらインスタレーションを組み立てます。そこでは、移民など人の流動にまつわる現代的な社会問題も接続されるなど、私たちの社会構造に揺さぶりをかけています。
4名のアーティストは、思考や表現方法も異なりますが、その行為は私たちの社会が抱える問題の一側面を丁寧に剥がし(ピール/Peel)、これまで歩んできた過去、そして現在から未来へつながる時間と緊密な関係を持っているといえます。このミニ・トークで、彼らの活動や滞在中のリサーチについて、また、それぞれが体験したレジデンスの感想などを聞きながら、改めて私たちの社会や日常を見つめてみませんか。当日は、ARCUS ProjectとAITのコーディネーターも参加します。アーティストと意見交換をしたい方や、アーティスト・イン・レジデンスに興味のある方も、ぜひご参加ください。
ぴあプレミアム会員向けプログラム2016 with AIT
感動の「その先」にあるもの
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*受付は終了しました
KEYWORDは「経験ジャンルを広げてみよう」
現在AITでは、チケッチぴあ主催のアートプログラム「ART MEEYS YOU!」に企画・制作・運営協力をしています。
毎月一回、アーティストやコレクターにお話を聞いたり、様々なジャンルの芸術を紹介する本や
DVDをプレゼントするこのプログラム、10月は「経験ジャンルを広げてみよう」をキーワードに、現代アートの展示空間のダンス公演というコラボレーションを体験します。
公演前に見所ポイントなどをお伝えするミニレクチャーを、
公演後にはドリンクを片手に感想や想い、疑問をシェアする懇親会をご用意しました。
ダンス公演は未体験/気になっているけど観るきっかけがない/いまいち楽しみ方がわからない!という方におすすめです。
AIT企画協力
作家やキュレーターと一緒にあいちトリエンナーレ2016をめぐる三日間
「あいちトリエンナーレ アートテリングツアー」
2016年10月8日(土)・9日(日)・10日(月・祝)*現地集合・解散(定員:10名)
*MAD受講生・修了生およびAITハウス・サポートメンバー割引あり
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9/1(木)〜9/4(日)まで
「あいちトリエンナーレ2016」のPOP UP SHOPが渋谷ヒカリエ8Fの「aiiima」にオープン!
POP UP SHOPでは、あいちトリエンナーレのスタッフが常駐しており、おすすめのまわりかたや、美味しいご飯屋さんなどを紹介。AIT x RUNDAが企画する「あいちトリエンナーレ アートテリングツアー」のツアーデスクも用意してもらいました。ツアースタッフは、9/3(土)、9/4(土)の午後からいますので、お気軽にお声掛けください!
http://aichitriennale.jp/news/2016/001650.html
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チラシ Download(PDF / 862K)
3年に1度、愛知県で開催する現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」。第3回となる今回は「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」というテーマのもと、日本をはじめ世界中から100組を超えるアーティストが集結します。
美術、映像、音楽、パフォーマンス、オペラ...ありとあらゆる作品があってどれをどこから見たらいいのかわからない...という方のために。「あいちトリエンナーレ アートテリングツアー」では、この芸術祭に参加している作家やキュレーターと一緒に作品をみたり、遊んだり、おいしいごはんを食べてじっくり語らいあうツアーをご用意しました。
>>> English
AIT ARTIST TALK #68
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)を迎えて
日時:2016年7月13日(水)19:00-21:00 *要予約 / 有料 / 日英逐次通訳あり
AIT ARTIST TALK #68: "From the History of Battle to Reconciliation and Love"
Artist Talk by Chaw Ei Thein (Myanmay/Burma) and Krishnapriya Tharmakrishna (Sri Lanka)
Date and Time: Wednesday, July 13 2016, 19:00-21:00
*Booking required. This talk will be in English with consecutive translation.
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
AITでは、7月13日(水)19:00より、アーティストのチョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)の2人を迎え、AIT ARTIST TALK #68 を開催します。
現在、2人はバッカーズ・ファンデーションの助成により、AITのレジデンス・プログラムにて東京に約3ヶ月間滞在しています。また、本トークは、7月9日(土)から23日(土)まで山本現代で開催される展覧会「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展の関連企画として行われます。
チョウ イー・ティン
(1969年ミャンマー/ビルマ生まれ)
(画像左 チョウ イー・ティン)
芸術家である父、マウン マウン・ティンのもと、芸術的指導を受けたチョウ イー・ティンは、多様な表現方法を追求し、画家、パフォーマンス・アーティストとして多くの国際的な賞を受賞しています。2001年にヤンゴンの町角でおこなった行商パフォーマンスでは、当時の政権下では流通していない旧貨幣を釣り銭として使用したことが政治活動とみなされ、警察に拘束された経験を持っています。社会政治的な環境の下での矛盾や葛藤をありのままに描き出す作風は、言論の自由の制限や身の回りの社会変化が及ぼす影響による、自身の経験から紡ぎ出されました。
2009年、アジアン・カルチュラル・カウンシルのグランティーとしてニューヨークに滞在したことを契機に、現在は母国から離れて芸術活動を続けています。
クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ
(1987年ジャフナ、スリランカ生まれ)
(画像 Impression 2-1, 2015, Nail drawing on tracing paper)
国がもつ歴史の悲しさと地形から、「インド洋の涙」とも呼ばれるスリランカ島の最北の地、ジャフナ県に生まれたターマクリシュナは、1980年代始めに勃発した激しい内戦により、幼い頃から家族と離ればなれに暮らさざるを得ない環境で育ちました。こうした経験は、自身の喪失の痕跡をたどり、忘却の彼方にある記憶と、そこにある自己像を掘り起こすような創作活動にも表れています。ドローイングや絵画、コラージュを主な表現とする彼女の作品には、紙やトレーシングペーパーに釘を押し当ててモチーフを描く手法が用いられています。淡い色を背景に浮かび上がる点や線は、幼少期をはじめとして、特定の時間におけるターマクリシュナのアイデンティティを表し、当時の心情を浮き彫りにしています。海外での作品発表は、日本が初めてとなります。
当日は、これまでの作品に加え「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展のために日本で制作した新作についてトークを行います。
ミャンマー/ビルマとスリランカは、どちらも争いの歴史を持ち、彼女たちはそれを直に経験しました。母親としての想い、あるいは母親への想い、そして女性アーティストとして二人が見つめてきた過去と未来は、どのような姿をしているのでしょうか。
みなさんのお越しをお待ちしています。
>>> English
The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) vol. 9
「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)による新作展
会期: 2016年7月9日(土)- 7月23日(土)
時間: 11:00 - 19:00(日曜・月曜・祝日休廊)*入場無料
会場: 山本現代(白金高輪)
オープニング・レセプション:7月9日(土)18:00 - 20:00
(19:00よりチョウ イー・ティンによるパフォーマンス)
アーティスト・トーク:7月13日(水)19:00 - 21:00(18:30開場)@代官山AITルーム *要予約
(詳細・ご予約方法はこちら)
The BAR vol. 9「Healing and Loving」展チラシイメージ/designed by Yasutaka Fukuoka
[Top] Krishnapriya Tharmakrishnar "Richness", 2015, Nail Drawing on tracing paper
[Bottom] Chaw Ei Thein "What a wonderful world #6", 2015, Acrylic painting on camouflage fabric
プレスリリース:Download(PDF / 1.2MB)
展覧会チラシ: Download(PDF / 1.6MB)
アーティスト インタビュー:Download(PDF / 3.3MB)
バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月9日(土)から7月23日(土)まで「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展を白金高輪の山本現代にて開催します。本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの9回目の成果展となり、2016年はミャンマー(ビルマ)出身のチョウ イー・ティンと、スリランカ出身のクリシュナプリヤ・ターマクリシュナの2名のアーティストが、これまでの作品に加え、日本で制作した新作を発表します。
チョウ イー・ティン(1969年、ミャンマー/ビルマ生まれ)は、ペインティングや彫刻のほか、非道な弾圧や独裁政治のもとで生きた女性たちの経験に言及するパフォーマンスを公共の場で行なっています。2015年にミャンマー/ビルマで行われた総選挙と政治的局面に大きな変化が起こるまで祖国から離れて暮らし、その間も強い信念を持って制作活動に取り組んできました。
本展では、日本で見つけた迷彩柄の布地や、見捨てられた木材に施されるペインティングを新たに発表します。
クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(1987年、スリランカ生まれ)は、スリランカ最北に位置する都市、ジャフナを拠点に活動しています。1980年代半ばから、ジャフナは激しい内戦の場となりました。その最中、自らの家族と家を失った経験は、ドローイングや木版画など、ターマクリシュナの幅広い作品制作における源泉となっています。本展が日本初の作品発表となる彼女は、紙に釘を押し当て、うっすらとした姿を浮かび上がらせる立体のドローイングを制作します。展示に向け、彼女はこういいます。
「点は線となり、線は形をつくり、私の過去、夢、選択、喪失と獲得という人生のゆく末を示すのです。」
二人の作品は、争いにまつわる経験や記憶、そこでの喪失や不安を根幹にもちながらも、歩みを止めずにいきることへの強い想いを感じさせます。これらの表現は、翻弄された過去を批判するのではなく、すべての人びとに向けた「和解」と「愛情」の意思表明と捉えることもできるでしょう。
母親として、そして女性としての実体験に密接な関係を持つ彼女たちの作品にご期待ください。
熱気あふれる会場を一緒に楽しもう!
日程:2016年5月12日(木)〜14日(土)
時間:19:30-20:15 (5/12,13) / 10:45-11:30 (5/14)
会場:アートフェア東京2016会場(有楽町)
ナビゲーター:成相肇(東京ステーションギャラリー学芸員)、長谷川恵美子(アートコレクター)、東孝彦(アートナビゲーター)
定員:各15名
左:アートフェア東京2016 ポスター/右:アートフェア東京2015 ガイドツアーの様子 Photo by 岩下宗利
過去最多の157 ギャラリーが出展する、日本最大のアートの見本市「アートフェア東京2016」。AITでは、プログラム・パートナーとして、3つのガイドツアーを企画しました。
今年は、コレクターやキュレーターなど、アート界で活躍する専門家をナビゲーターに迎え「キュレーション」「コレクション」「鑑賞力」をテーマに、アートフェア東京の魅力を多角的に捉えます。
アートファンだけでなく、初めてアートに触れる方まで楽しめるツアーとなっています。
みなさまのご参加をお待ちしております!
プロのアーティストを育成するプログラム
左:MAD2015「アーティスト・プラクティス」チュータリングの様子 右:修了展「感性の法則」展示風景
近い将来、独自の制作体系を構築しながら自立的に活動をし、美術館や国際展などにおいて作品を発表してゆくアーティストの育成を目的とした9ヶ月にわたるプログラムです。国内外で活躍するアーティストやキュレーターとの議論をつうじて、制作動機やコンセプトの組み立て、作品の強化法、展示空間への展開のしかた、またネットワークの形成などについてのセミナーおよびディスカッションを全10回、アートを異分野との関わりや社会状況との関係において考えるレクチャーを全7回受講することができます。また、都内のアートスペースでの作品発表(2017年1月中旬予定/以下、修了展)を目的とします。本プログラムは、少人数制のため、選考があります。(書類審査・インタビューあり)
[ ポイント ]
・ 少人数の実践型プログラム。
・ アーティストの支援組織アーティスツ・ギルドの森弘治氏(美術家)、小泉明郎氏(美術家)、森田浩彰(美術家)そして、アートトの小澤慶介(キュレーター)が、講師としてプログラムをリードします。
・ 講師のほか、フェロー・アーティストが、受講生とともに議論や現場での展覧会制作に伴走します。
・ 講師やフェロー・アーティスト以外のキュレーターや美術家、ギャラリストなど、プロフェッショナルに出会う機会づくりをサポートするチュートリアル(1回1時間3回まで)があります。
2015年度のチューター:崔敬華(東京都現代美術館学芸員)、住友文彦(アーツ前橋館長)、竹久侑(水戸芸術館現代美術ギャラリー学芸員)、成相肇(東京ステーションギャラリー学芸員)、アーティスツ・ギルドの美術家ほか
・ スカラシップ制(全額あるいは一部免除)
・ 同時代の社会的課題やそれに対する研究を共有する一連のレクチャーにも参加できます。
・ 2017年1月中旬に、都内のアートスペースにての受講生による修了展を開催します。
[ 概要 ]
開講日程:2016年6月〜2017年2月 *各回、原則的に土曜日開講(月1-2回)
開講場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
講 師:森弘治(美術家)、小泉明郎(美術家)、森田浩彰(美術家)、小澤慶介(キュレーター)ほか
対 象:個展グループ展を問わず、これまでに現代アートの領域で展覧会を行ったことがある方
定 員:5名
主 催:文化庁、 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
制 作:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協 力:アーティスツ・ギルド、アートト
文化庁委託事業「平成28年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
[ 無料説明会 ]
「アーティスト・プラクティス2016」講師の小澤慶介が、プログラム全体の内容や受講方法について説明し、みなさんの疑問や質問にお答えします。また、当日、説明会にご参加の方には前年度のMAD2015「アーティスト・プラクティス」修了展のカタログをプレゼントいたします。
*会場は、コース受講場所のアートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)となります。代官山エイトルームではございませんので、お間違いのないようお気をつけください。
日程:2016年4月28日(木)19:00〜20:30
場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
定員:20名(定員に達し次第締め切ります。)
申し込み方法:件名を「4月28日 無料説明会参加希望」とし、「1.氏名(ふりがな)、2.携帯番号」をartistpractice@a-i-t.netまで、お送りください。折り返し、申込受付のメールをお送りします。(@を半角にして、お使いください)
[ お申し込み方法 ]
応募要項を、以下よりダウンロードし、必要事項をご記入の上、ポートフォリオ(A4/10枚まで)をPDFデータにし、artistpractice@a-i-t.netまでメールでお送りください。
* 応募書類の受付はメールで行います。郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
* 書類審査とインタビューによる選考の上、受講生が決定されます。
[ 締め切り ]
2016年5月10日(火)23:59(日本時間)必着 *郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
[ 受講料 ]
86,400円(税込)
* 本プログラムは、文化庁との協働事業により、上記の受講料となっています。
* 受講者は、書類審査とインタビューの結果によって選考されます。
* 受講料には、外部のキュレーターやアーティストとのチュートリアル、修了展制作費(会場費、会場運営費、広報印刷費など)が含まれます。
* 受講料には、作品の材料費、制作費は、含まれません。
[ お申込後のスケジュール ]
締切日: 5月10日(火)23:59(日本時間)必着
書類選考結果通知: 5月中旬予定
インタビュー: 5月23日(月)、24日(火)予定
インタビュー選考結果通知:5月下旬予定
開講期間: 2016年6月10日(金)-2017年2月中旬予定
修了展: 2017年1月中旬-下旬予定
「今こそ、現代アートを買う楽しみを手に入れよう」
日程:2016年4月7日(木)・21日(木)・5月12日(木)・28日(土) 全4回
時間:19:30-21:00 (4/7, 4/21) / 19:00-21:00 (5/12) / 18:00-21:00 (5/28)
会場:AITルーム(代官山)、アートフェア東京2016(有楽町)、SUNDAY(三宿)
ゲスト:吉野誠一(アート・コレクター)、島林秀行(アート・コレクター)、小山登美夫(小山登美夫ギャラリー代表)ほか
定員:20名
受講料:1)MAD受講生・修了生およびAITハウス・サポートメンバー/学生 26,000円(税別)
2)一般 28,000円(税別) *アートフェア東京2016入場パス、懇親会費含む
左:ペギー・グッゲンハイム・コレクション(ベニス)の展示風景/右:アートフェア東京 2014会場風景 / 撮影:岩下宗利
この度、AITでは、現代アートへの関わり方の新たな提案として「現代アート・コレクション講座」を開催します。
この講座では、現代アートを買ってみたいと考えている人に向けて、最初の一歩に役立つ情報を織り交ぜながら、参加者同士でつながり、相互に情報交換しながら、未来のコレクションを充実させていくための土台づくりを目指します。
美術館やギャラリーの展覧会を見たり、地方の芸術祭に足を運ぶようになっても、実際にアート作品を買ったことがある人はほんの人握り。一方で、アートとの関わり方を、鑑賞モードから所有モードにスイッチを切り替えるだけで、作品の見方が深まり、世界がぐっと広がります。と言われても、実際に体験してみるまでは半信半疑ではないでしょうか。そして、「世界が広がる」とはどのようなことなのでしょう。アート作品は、ときに、その作り手であるアーティストの分身で、時代を映す鑑(かがみ)のようなもの。作品を所有し自身の生活に取り込むことで、アーティストのサポートはもちろん、多くの新しい「つながり」が生まれます。作品についてアーティストと直接話すことで、その考え方や感性に共感し、理解が深まるだけでなく、他のアーティストやコレクターたちとも交流が始まることもあります。一方で、好きなアート作品のある日常は、とても個人的で親密な体験です。コレクションのもつ社会性と個人性。その先にどのような世界を見つけることができるでしょうか。
講座の一環として、アートフェア東京2016にもご案内します。一人では躊躇してしまう現代アート・コレクションへの道。一緒に始めてみませんか。
>>> English
「非自己/Non-self」
オランダ出身のアーティスト、ローザ・ドールネンバルによる展覧会のご案内
会期:2016年3月26日(土)- 31日(木)12:00 - 19:00 *無休 / 入場無料
オープニングレセプション:3月26日(土)18:00 - 20:30 *19:00よりパフォーマンスレクチャーあり
会場:Higure 17-15 cas / 東京都荒川区西日暮里3-17-15
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:オランダ王国大使館
助成:Mondriaan Fonds
Left: Shapes of my Pinkish Purity / 2016 / Collages, fabric, ceramic, 410 mm × 620 mm
Right: Calming Balming / 2016 / Single channel video (color, sound)
「非自己/Non-self」
この度、AITでは、3月26日(土)から3月31日(木)まで、Higure 17-15 casにて、オランダ出身アーティスト、ローザ・ドールネンバルの展覧会「非自己/Non-self」を開催します。ドールネンバルは、オランダのMondriaan Fonds財団の助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスにて2016年1月から4月初旬まで東京に滞在しています。
ドールネンバルは、写真、彫刻、映像など、多様なメディアを用い、鑑賞者とモノ、道具、彫刻の相互作用に着目しています。アートにおける相似性や、彫刻作品を体験することへの思索が表現の核となり、時に、批評的、かつ遊び心にあふれた状況を創出しています。
今回の東京滞在を通し、ドールネンバルは日常にみられるモノが伝統・文化・社会的な観点からどのように知覚されているかをリサーチしました。 本展は、制作中の映像や彫刻などを通して、特に集中的にリサーチを行った茶道の文脈や歴史と、ポップカルチャーを融合させた、いわば今後、作品に発展していくプロセスを紹介する場となります。茶道の専門家に行ったインタビューや、瀬戸で制作した焼き物、秋葉原などで見つけたアニメーションから構想した掛け軸など、多様な表現が紹介されます。
「もし、茶室が森羅万象を包括できるとすれば、茶碗は無を創り出せるのか?」
茶道は、その歴史の中で芸術的言語が確立されてきました。茶会は、現実の世界から身を離し、茶を点てふるまい、味わう行為そのものに神経を集中させる時間を与えてくれるといえるでしょう。それにより、煩悩を捨て、精神的な領域へと立ち入り、自己を越える体験に繋がります。
その一方で、今日の都会化した景色を歩けば、全く異なる現実に対面します。独自の美的概念を持った現代のポップカルチャーにみられるのは、漫画やアニメに見られるように、常に若い少女たちなどで、彼女らの瞳は過剰なほどに大きく誇張されています。
「非自己/Non-self」展は、このふたつの矛盾したような、しかしその境目が曖昧な、視覚文化における美的思考の探求といえます。
- ローザ・ドールネンバル
3月26日のオープニングでは、ドールネンバルがパフォーマンスとレクチャーを通して、そうした原理を表現します。彼女のリサーチの成果が今後、どのように作品に繋がっていくのでしょうか。
まずはその出発点を共に体験しませんか。皆さんのお越しを心よりお待ちしています。
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【 Thai Art Night: 網目をくぐれ!タイの最新アート事情 】
バンコクとチェンマイよりアーティスト、キュレーター、ライターを迎えて
日時:2016年3月12日(土)17:00-20:00(トークは17:30より)
会場:GRAIN/キッチン+イベントスペース (原宿) 東京都渋谷区神宮前5-25-1
定員:20人/要予約
参加費:無料 *当日は、タイ料理シェフ、モモコさんのタイ料理が味わえます。(フードとドリンクは有料)
AITでは、タイよりアティコム・ムクダプラコーン(アーティスト)、
ペンワディー・ノッパケット・マーノン(キュレーター)、ジュダ・スー(ライター)、
また、2014年にタイで滞在制作、発表をした小鷹拓郎(アーティスト)を迎え、
「編み目をくぐれ、タイの最新アート事情」と題するトークイベントを、3月12日に原宿のGRAINにて開催します。
ムクダプラコーンとペンワディーは、AITのレジデンス・プログラムにて、3月末まで東京に滞在します。
近年、バンコクやチェンマイなどの都市では、若手のアーティストやキュレーターによるオルタナティヴ・スペースの立ち上げや、研究者や他分野の専門家を招いた座学や意見交換の場が草の根的に生まれています。こうした動きは、いわゆる美術館やギャラリー、西洋の文化機関による企画とは異なる方法論を生み出そうとする流れであると共に、美術大学の教育とは違う、新たな知識の交換の場づくりと捉えることができます。
また、近年のデモやクーデターなどにより、ますます不安定になるタイの政治情勢や表現/言論の自由の制限に対して、表現者たちがどのようにそうした環境に向き合い、創造するかという議論にも通じる活動だと考えられます。公的な助成金が限られる中、彼らは独自の手段やネットワークにより、まさにさまざまな網目をくぐりながら、アーティスト同士の連携や、よりしなやかな活動のあり方を模索していると言えるでしょう。
当日は、スピーカーの活動と実践を聞きながら、彼らが眺めるタイのアートシーンのこれから、そして、課題とサバイバル術などについて耳を傾け、日本における表現者たちの意見も共有します。
タイ料理シェフのモモコさんによる美味しい料理やドリンクも楽しめますので、気軽に彼らとの意見交換を楽しんでみませんか。
みなさまのご参加をお待ちしています。
【ラウンジ・トーク】
「なぜ、芸術に向かってしまうのか」
日時:2016年3月6日(日)14:00-16:30
会場:代官山AITルーム 東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山B-403
定員:20名 *予約不要/直接会場へお越し下さい
参加費:無料
この度、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、次世代を担うアートの場作りを実践する3人を迎えて、「なぜ、芸術に向かってしまうのか」と題したラウンジ・トークを行います。
芸術に関わってみると、それだけで食べてゆくには意外と大変ということに気づく人も少なくないはず。それでも、なぜ、芸術に向かってしまうのか。
芸術に関わることによって、何か見返りを期待しているのだろうか。
鈍った考えや感性を刺激したり回復したりするためなのだろうか。
うまくいっていない社会をよくしたいという思いがあるからだろうか。
それとも、何か他のものから逃れようと芸術に退避しているのだろうか。
「川の間」や「モデルルーム」など、芸術の場づくりを行う人たちと、芸術への衝動について気軽に話し合ってみましょう。
※本トークは、MAD2015光岡ゼミ「何のためのアート? - アートの社会的役割について考える」受講生によって企画・実施されます。
AITのロジャー・マクドナルド、小澤慶介がご案内します!
「第8回恵比寿映像祭」を巡るガイドツアー開催
日時:2016年2月11日(木・祝)- 2月20日(土)※会期中6回
時間:10:30 - 12:00 (2/11, 2/13, 2/14, 2/20) / 18:30 - 20:00 (2/17, 2/18)
会場:第8回恵比寿映像祭会場 ※詳細は各ガイドツアー概要をご参照ください
参加無料、各回先着15名
上: [参考図版]ロバート・スミスソン《マンハッタン島を周遊する浮島》2005/シングルチャンネル・ヴィデオ
下:ウォー・ピクルス・プロジェクト《ウォー・ピクルスII》2014/インスタレーション/作家蔵[参考図版]
いよいよ2016年2月11日(木・祝)より10日間開催される、「第8回恵比寿映像祭」。年に一度、展示や上映、ライブ、トークなどを複合的に行うアートと映像のフェスティヴァル。第8回は「動いている庭《Garden in Movement》」をテーマに、現代社会を日々変容していく庭ととらえ直し、さまざまな映像作品やメディア表現を通して自然のみならず、人間が生み出したテクノロジーや自動生成される都市環境、ネットワーク社会といった、現代の自然というべき事象が今日的なヴィジョンとして立ち現れます。
〈荒れ地とは、人間の力が自然の前に屈したことを示すものだった。
けれども違う見かたをしてみればどうだろう?〉
- ジル・クレマン著『動いている庭:谷の庭から惑星という庭へ』(みすず書房)より
昨年に引き続き、改修休館中の東京都写真美術館から恵比寿の街に飛び出して行われる恵比寿映像祭。参加アーティストは、1970年の大阪万博でペプシ館パビリオンを人工霧で覆ったプロジェクト以来、科学者やエンジニアと恊働し「霧の作品」を発表している中谷芙二子、湾岸戦争時の空爆映像が示した非人間性をきっかけに俯瞰的空撮風景に関するリサーチを重ねているジャナーン・アル=アーニ、ユタ州のグレートソルト湖で6500トンの岩、土砂、塩を使って制作された記念碑的作品《スパイラル・ジェッティ》等、ランドアートの先駆者として知られるロバート・スミスソン、昨年急逝したベルギーの映画監督シャンタル・アケルマンの追悼上映として、2014年に亡くなった母親を被写体としたビデオ・エッセイ《No Home Movie》ほか、国内外の気鋭のアーティストによる作品が多数展示・上映されます。
映像祭に合わせて、これまで地域連携プログラムで参加してきたAITが、昨年からガイドツアーを担当。恵比寿ガーデンプレイスを中心に点在するそれぞれの会場の作品や見どころをAITスタッフがご案内します。ガイドツアーは、いずれも参加無料ですので、恵比寿映像祭は初めてという方や、もう少し詳しく解説を聞いてみたいという方はぜひご参加ください。
[ガイドツアー 参加方法]
・各回開始30分前に、恵比寿映像祭のメイン会場「ザ・ガーデンホール」受付にて、整理券配布。
・開始時間の5分前までに、ザ・ガーデンホールの受付前に集合してください。
※集合時間に遅れた場合も、そのまま進行致しますので、予めご了承ください。
※終了時は、その場所で解散いたします。
※最新情報は映像祭公式ウェブサイトをご覧ください。
※本ツアーは日本語で行われます。
『現代美術キュレーター・ハンドブック』の著者が語る!
〜 究極の現場術:知っているようで知らないキュレーターの仕事 〜
ゲスト:難波祐子(キュレーター)
日時:2016年2月6日(土)18:30-21:30 *19:00-20:00までミニ・トークあり
会場:代官山AITルーム [ MAP ]
*参加無料、予約不要、入退場自由
*イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。
左:『現代美術キュレーター・ハンドブック』
右:目【め】《世界に溶ける》2014、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014での展示風景、写真:麻野喬介
AITでは、2月6日(土)の18:30から21:30まで、代官山のAITルームにて、ラウンジ・イベント「ミングリアス」を開催します。「ミングリアス」とは、現代アートの学校MADの受講生や修了生、アート好きな人々が集まり、ドリンクを片手に交流を楽しむ入場無料のイベントです。
アートの新たな魅力を世に出すキュレーターの仕事とは?
『現代美術キュレーター・ハンドブック』出版記念ミニ・トークを開催!
今回は、「キュレーターの仕事」をテーマに、キュレーターの難波祐子さんをゲストに迎え、ミニ・トークを開催します。
昨年9月に出版された著書『現代美術キュレーター・ハンドブック』では、キュレーターに求められる素養や魅力、また、展覧会を開催するまでの企画から実務に関わる資金調達や書類の作成方法まで、この一冊があれば、キュレーターの仕事が具体的に理解できる手引き書として話題になりました。
近年、作品を発表する場は、美術館やギャラリー、アートフェアだけでなく、商店街の一角や、ある家の一室など、オルタナティブな場所で、手探りながらも魅力的な展覧会が数多く開催されています。
こうした展覧会開催の背景には、キュレーションを学ぶ場が増えてきたことや、実験的なオルタナティブ・スペースが続々と生まれ、様々なアイデアをグローバルに共有できるようになったことなどが挙げられるのではないでしょうか。
しかしながら、そのアイデアを実際に形にするためのノウハウや、展覧会プランが現実的にスムーズに実施され、万全な体制が整っているかというと、依然として多くの課題が残されています。
今回のミニトークでは、『現代美術キュレーター・ハンドブック』を軸に、今まで難波さんやAITが手がけてきた展覧会を例に挙げながら、展覧会の企画から実施までに至るまでの実務的な活動や、苦労話など、知っているようで知らなかったキュレーターの実態についてお話を伺います。
キュレーターの仕事に興味のある方や、いま、まさに展覧会を企画している方、アートとの新たな関わり方を探ってみたい方は、ぜひ、ドリンクやスナックを片手に、ゲストとの交流を楽しんでみませんか?
これからMADを受けてみたいという方にもオススメです。
皆さまのご参加をお待ちしています。
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「第8回恵比寿映像祭」地域連携プログラム
アティコム・ムクダプラコーン(タイ)企画による映像展
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』
日時:2016年2月12日(金) - 20日(土)11:00-19:00 *日曜休み
会場:代官山AITルーム
*オープニング・レセプション:12日(金)19:00-21:00(開場18:30)*19:30よりトークあり
Photo by Atikom Mukdaprakorn (Reference image for the exhibition)
この度AITでは、「第8回恵比寿映像祭」地域連携プログラムの一環として、タイよりアーティストのアティコム・ムクダプラコーンを招き、2016年2月12日(金)より 20日(土)まで、映像展『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』を代官山AITルームで開催します。
恵比寿映像祭は、映像作品の上映のみならず、ライヴやトークセッションを複合的に行うユニークな祭典です。8回目となる今回は「動いている庭」をテーマに、2月11日(木・祝)から10日間に渡り、恵比寿ガーデンプレイスにあるザ・ガーデンホールを中心に開催されます。同展の地域連携プログラムとなる『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』は、タイ・チェンマイ在住の気鋭のアーティスト、アティコム・ムクダプラコーンのキュレーションによる映像展です。2011年にチェンマイで結成されたアーティヴィスト集団(Artist + Activist)が主催した展覧会を、東京ヴァージョンにアレンジして再現します。近年のタイにおいて、政変によりますます厳しくなる言論統制や表現の自由の制約により、アーティストの活動も影響を受けざるを得ない状況にあります。本展では、ミュージック・ビデオ、カラオケなどの手法を巧みに取り入れて制作された映像集を展示し、そのような社会・政治的状況に対するタイの若手アーティストたちのリアクションに眼差しを向けます。
12日(金)のオープニングレセプションでは、ムクダプラコーンによるトークを交え、タイのアートシーンから垣間見える社会や政治、そこでの自由と不自由さなどを丁寧にひも解くことを試みます。ムクダプラコーンがこれまで関わったアーティスト達や様々なプロジェクトは、私たちに何を語りかけるのでしょうか。通訳には、タイ文学研究者の福冨渉氏をお招きします。
当日は、タイ料理レストラン、クルア・ナムプリックさんからのドリンクやスナックもお楽しみいただけます。ぜひ、ご参加ください。
みなさんのご来場をお待ちしています!
会期:2016年1月29日(金)-2月14日(日)
*オープニングレセプション:1月29日(金) 18:00-20:00
開廊時間:12:00-19:00 (金曜日のみ20:00まで/最終日17:00まで)
休廊日:月曜日、火曜日
*入場無料
会場:マキイマサルファインアーツ(東京都台東区浅草橋1-7-7)
<会期中のパフォーマンス・公開制作>
・加瀬才子は、来場者が持ってきた食べ物を食べます。食べ物を食べさせ、それを食べることから、肉体の感覚によるコミュニケーションの可能性を探ります。ぜひ、加瀬に食べさせたい物をお持ちください。
実施時間:1月29日(金)19:00-20:00、2月3日(水)および2月10日(水)12:00-19:00
・奥誠之は、展覧会会期中、会場にて公開制作を行います。
実施時間:不定期
NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](以下、エイト)は、台東区浅草橋にあるギャラリー「マキイマサルファインアーツ」にて、若手芸術家の育成を目的に、4人の若手アーティストによるグループ展、『感性の法則』を開催します。
「故郷」や「家族」や「友達」などの関係や価値が一昔前よりも不安定に流動化している今、若い世代の人々は何を信じているのでしょうか。インターネットやSNS、テレビなどのメディアにはどれが本当かわからない情報が渦巻き、若く頼りなげな人たちはその波間を必死に泳いでいるように見えます。そのような時代において失われがちなものが、頭ではなく、感覚や感性からこの世界を捉えてゆくことなのかもしれません。
本展は、時代の趨勢に見過ごされがちな価値を見出して問いかけるアーティストのグループ展です。井田大介(いだだいすけ)は、資本主義によって特殊な環境になってしまった生まれ故郷をモチーフに作品制作をし、原田賢幸(はらだまさゆき)は、複雑になってしまった家族の関係を紐解くことによって自らのアイデンティティを見つめ直します。奥誠之(おくまさゆき)は、父親が携わっていた国立競技場をモチーフにしたインスタレーション作品を展開し、加瀬才子(かせさいこ)は、彼女自身の肉体をとおして、「食べる」を考えます。
いずれも、身の周りの人やもの、状況を体の感覚を通して捉え、そこから彼ら彼女たちが生きる世界を諦めずに見通す試みと言ってもいいかもしれません。
そのような、感性から見える彼ら彼女たちの世界の姿にぜひご期待ください。
*本展覧会は、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト] と文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講しているMADアーティスト・プラクティスの一環で企画制作され、美術家の森弘治、小泉明郎、森田浩彰、キュレーターの小澤慶介、フェローアーティストの松川朋奈が1年をかけて若手アーティストを指導しています。