アーティスト・プラクティス 2016
プロのアーティストを育成するプログラム
左:MAD2015「アーティスト・プラクティス」チュータリングの様子 右:修了展「感性の法則」展示風景
近い将来、独自の制作体系を構築しながら自立的に活動をし、美術館や国際展などにおいて作品を発表してゆくアーティストの育成を目的とした9ヶ月にわたるプログラムです。国内外で活躍するアーティストやキュレーターとの議論をつうじて、制作動機やコンセプトの組み立て、作品の強化法、展示空間への展開のしかた、またネットワークの形成などについてのセミナーおよびディスカッションを全10回、アートを異分野との関わりや社会状況との関係において考えるレクチャーを全7回受講することができます。また、都内のアートスペースでの作品発表(2017年1月中旬予定/以下、修了展)を目的とします。本プログラムは、少人数制のため、選考があります。(書類審査・インタビューあり)
[ ポイント ]
・ 少人数の実践型プログラム。
・ アーティストの支援組織アーティスツ・ギルドの森弘治氏(美術家)、小泉明郎氏(美術家)、森田浩彰(美術家)そして、アートトの小澤慶介(キュレーター)が、講師としてプログラムをリードします。
・ 講師のほか、フェロー・アーティストが、受講生とともに議論や現場での展覧会制作に伴走します。
・ 講師やフェロー・アーティスト以外のキュレーターや美術家、ギャラリストなど、プロフェッショナルに出会う機会づくりをサポートするチュートリアル(1回1時間3回まで)があります。
2015年度のチューター:崔敬華(東京都現代美術館学芸員)、住友文彦(アーツ前橋館長)、竹久侑(水戸芸術館現代美術ギャラリー学芸員)、成相肇(東京ステーションギャラリー学芸員)、アーティスツ・ギルドの美術家ほか
・ スカラシップ制(全額あるいは一部免除)
・ 同時代の社会的課題やそれに対する研究を共有する一連のレクチャーにも参加できます。
・ 2017年1月中旬に、都内のアートスペースにての受講生による修了展を開催します。
[ 概要 ]
開講日程:2016年6月〜2017年2月 *各回、原則的に土曜日開講(月1-2回)
開講場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
講 師:森弘治(美術家)、小泉明郎(美術家)、森田浩彰(美術家)、小澤慶介(キュレーター)ほか
対 象:個展グループ展を問わず、これまでに現代アートの領域で展覧会を行ったことがある方
定 員:5名
主 催:文化庁、 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
制 作:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協 力:アーティスツ・ギルド、アートト
文化庁委託事業「平成28年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
[ 無料説明会 ]
「アーティスト・プラクティス2016」講師の小澤慶介が、プログラム全体の内容や受講方法について説明し、みなさんの疑問や質問にお答えします。また、当日、説明会にご参加の方には前年度のMAD2015「アーティスト・プラクティス」修了展のカタログをプレゼントいたします。
*会場は、コース受講場所のアートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)となります。代官山エイトルームではございませんので、お間違いのないようお気をつけください。
日程:2016年4月28日(木)19:00〜20:30
場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
定員:20名(定員に達し次第締め切ります。)
申し込み方法:件名を「4月28日 無料説明会参加希望」とし、「1.氏名(ふりがな)、2.携帯番号」をartistpractice@a-i-t.netまで、お送りください。折り返し、申込受付のメールをお送りします。(@を半角にして、お使いください)
[ お申し込み方法 ]
応募要項を、以下よりダウンロードし、必要事項をご記入の上、ポートフォリオ(A4/10枚まで)をPDFデータにし、artistpractice@a-i-t.netまでメールでお送りください。
* 応募書類の受付はメールで行います。郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
* 書類審査とインタビューによる選考の上、受講生が決定されます。
[ 締め切り ]
2016年5月10日(火)23:59(日本時間)必着 *郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
[ 受講料 ]
86,400円(税込)
* 本プログラムは、文化庁との協働事業により、上記の受講料となっています。
* 受講者は、書類審査とインタビューの結果によって選考されます。
* 受講料には、外部のキュレーターやアーティストとのチュートリアル、修了展制作費(会場費、会場運営費、広報印刷費など)が含まれます。
* 受講料には、作品の材料費、制作費は、含まれません。
[ お申込後のスケジュール ]
締切日: 5月10日(火)23:59(日本時間)必着
書類選考結果通知: 5月中旬予定
インタビュー: 5月23日(月)、24日(火)予定
インタビュー選考結果通知:5月下旬予定
開講期間: 2016年6月10日(金)-2017年2月中旬予定
修了展: 2017年1月中旬-下旬予定
[ 受講内容 ]
アーティスト・プラクティス 全10回
1. プレゼンテーション 6月18日(土)13:30-17:30
これまでの活動や作品について、各自プレゼンテーションを行います。持ち時間は、1人10分。イメージを使って、効果的な伝達を心がけます。
2. コンセプトを作品へ 7月23日(土)13:30-17:30
プレゼンテーションのフィードバックをし、各自の作品や制作における課題を浮かび上がらせます。
3. 制作動機とリサーチ 8月21日(日)13:30-17:30
作品や制作における課題の取り組み状況の報告を受け、作品の強化に必要なリサーチを検討します。
4. プロトタイプ発表 9月10日(土)13:30-17:30
2017年1月に発表する作品のプロトタイプを制作し、発表。指導者からフィードバックを受けます。
5. リサーチの方法 10月16日(日)13:30-17:30
プロトタイプの作品化に向けてのリサーチ方法について話し合います。
6. 展示案のシミュレーション 11月19日(土)13:30-17:30
実際の展覧会(修了展)会場を訪れ、設備や機材などの有無を確認しながら、作品を練り直します。
7. 展示案のプレゼンテーション 12月11日(日)13:30-17:30
展示する作品の空間図面を描いて、作品の強度を高める方法について話し合います。
8. 展示設営の注意点 12月24日(土)13:30-17:30
前回を受けて修正点を改善した作品案について話し合い、展示前の最終確認をします。
9. 展示設営に向けて 日時未定
搬入の順序や現場で起こりうる課題の確認をします。
10. 展覧会フィードバック 日時未定
実際に展示をしてわかったことや展示の可能性について話し合います。
レクチャー 全7回
1. 芸術とは何か?地域とはどこか? 6月10日(金)19:00-21:00
近年日本各地で開かれるようになった芸術祭とアートの関係について、社会学から考えます。
2. クレオール 世界の見立てを変えるとき 6月18日(土)10:00-12:00
書き言葉ではなく話し言葉の文化から、世界を捉えます。さまざまな言語の混交から生まれる文化から、絶えず変わりゆく世界の姿が見えてきます。
3. 権力への抵抗力はどこに? 太平洋戦争下の芸術と戦後日本の前衛芸術 7月8日(金)19:00-21:00
戦前、戦中の松本竣介や戦後日本の前衛芸術から、権力に対するアートのあり方を探ります。
4. 二つのオリンピックと私たちの体 9月24日(土)14:00-16:00
管理社会、私たちの体、自由をキーワードに、2020年前夜の社会とアートの結び目を考えます。
5. 今、何をすべきか ディスカッション 10月21日(金)19:00-21:00
これまで紹介した学説、社会現象、時代思潮を振り返り、作品制作と関連付けて話し合います。
6. 「他者」を読み解く方法論 11月18日(金)19:00-21:00
「自己と他者」という、世界を二分して価値づけする西洋の癖と表象文化について考えます。
7. 記憶とは何か? 12月17日(土)10:00-12:00
過去に向き合い表現を立ち上げる方法と記憶の政治性について考えます。
[ 講師 ]
小澤慶介:1971年生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジにて現代美術理論修士課程修了。 NPO法人AIT(エイト)に2002年の設立から2016年4月まで在籍し、現代アートの教育および展覧会プログラムの企画制作を行う。これまでに、「十和田奥入瀬芸術祭-SURVIVE-この惑星の、時間旅行へ」(十和田市現代美術館ほか、2013年)など、キュレーターとして、さまざまな展覧会企画に携わっている。「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」共同キュレーター。また、一般社団法人アート東京キュレーターと第2回富士の山ビエンナーレディレクターを兼任している。現在、2016年6月に清澄白河で開講する現代アートとヨガの学校「アートト」を準備中。 |
|
森弘治(美術家):マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院修了。社会空間への介入をテーマに、主に映像作品を制作している。「アート・スコープ2005/2006」(原美術館、2006年)や第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際企画展(ヴェネツィア、2007年)、越後妻有アートトリエンナーレ2009、「5x5Castello10 International Contemporary Art Prize」(カステジョン現代美術センター、スペイン2010年)、第3回恵比寿映像際「デイドリーム ビリーバー、映像の力」(東京都写真美術館、2011年)など、国内外で作品を発表。その他、2009年に小泉明郎、須田真実とともにアーティストのための会員制芸術支援システム「Artists' Guild」を開始。 |
|
小泉明郎(美術家):国際基督教大学卒業後、ロンドンのチェルシー・カレッジにて映像を学ぶ。2005年よりオランダ・アムステルダムのライクスアカデミーにて二年間制作活動を行う。主な個展に「Project Series 99: Meiro Koizumi」ニューヨーク近代美術館(2013年)、「Stories of a Beautiful Country」Centro de Arte Caja de Burgos(CAB)(ブルゴス、スペイン、2012年)、「MAM Project 009:小泉明郎」森美術館(東京、2009年)など。主なグループ展に「フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2012」ピンチュック・アートセンター(キエフ、2012年)、「インビジブル・メモリーズ」展 原美術館(東京、2011年)、「リバプール・ビエンナーレ2010」(2010年)、「メディア・シティ・ソウル2010」(2010年)、「第一回あいちトリエンナーレ」(2010年)など。 |
|
森田浩彰(美術家):1973年福井県生まれ。東京都在住。1998年Bゼミスクール修了。その後、2000年よりロンドン大学ゴールドスミスカレッジに留学。2002年同校にてMAファインアート修了。いくつかのロンドンでのグループ展を経て、2002年に帰国。帰国後は日常生活に飲み込まれそうになりながらも、なんとか踏みとどまり制作を続けている。主な展覧会に「エラー」(ギャラリーツインスペース他、2003年)、「Urban & Suburban Stories」(VTO、ロンドン、2003)、「アンチノミー」(Gallery Objective Correlative、東京、2003)などのグループ展に参加。「森田浩彰」(ギャラリーツインスペース、大阪、2004年)、「New Order」(Gallery Objective Correlative、東京、2005)、水戸芸術館「日常の喜び」展(2008年)など多数。 |
|
杉本ひと美(アート・コーディネーター):慶應義塾大学環境情報学部卒業後、外資企業に勤務しながらNPO法人AIT(エイト)にてキュレーションについて学ぶ。これまでに、「曽根裕展 Perfect Moment」(東京オペラシティアートギャラリー、2011年)でのアシスタントキュレーター、トーキョーワンダーサイトでの勤務、「HERB & DOROTHY 50X50 South East Asia Premier」(シンガポール、2014年)でのコーディネーターなど、さまざまな現代アートに関する仕事に携わっている。 |
|
Artists' Guildとは?
Artists' Guild(アーティスツ・ギルド)は、アーティストによる、アーティストのための会員制芸術支援システムです。会員はプロフェッショナルに活動している?アーティストによって構成されます。映像を扱うアーティストに必要不可欠な「機材」を活動の中心に据え、機材共有システムを構築します。このシステムを?個々のアーティストが利用することによって、制作・展示の現場での経済負担を軽減し表現活動の幅を広げ、よりクオリティーの高い芸術作品を1つでも多く社会に産み落とすことを目的とします。新しい芸術支援の可能性をアーティスト自ら模索する社会実験の一形態です。
アートトとは?
「こころ」と「からだ」をやわらかく。
キュレーターの小澤慶介が開設した、アートの発想力や創造性をヒントに、自由であることをさぐる場です。時には現代アートやヨガをヒントに、またある時は他の団体との連携をとおして、その可能性を広げます。アートと生活、アートと仕事、アートと休日などの結びつきを豊かにし、清澄白河の地から、東京を、さらに、さまざまな人や文化が入り乱れる世界の姿を浮かび上がらせることができればと考えています。
[ 授業・チュータリングの様子 ]
[ 過去開催の修了展 ]
MAD2015「アーティスト・プラクティス」修了展 |
MAD2013「アーティスト・プラクティス」修了展 |
2016-4-14