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「明け方の計略」展

会期:2018年1月13日(土) - 1月27日(土)
*オープニングレセプション:1月13日(土)18:00-20:00 
開廊時間:12:00 - 19:00 (月曜休廊)
*入場無料
会場:駒込倉庫(東京都豊島区駒込2-14-2)
    アクセス JR山手線・東京メトロ南北線駒込駅北口または東口より徒歩2分

★アーティスト・トーク:1月18日(木)19:00より 会場:代官山AITルーム★

「明け方の計略」展



この度、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、文化庁との共催で、現代アートのグループ展「明け方の計略」を駒込倉庫で開催します。

本展に出品する6名は、いずれも今後の活躍が期待される若い世代の芸術家です。
 タイトルにある「明け方」は、街や人の姿が闇に沈み、次第にそれらの輪郭が浮かび上がってくる時間帯です。これから世に出てゆこうとしている芸術家たちは、ぼんやりとしてはっきりと見えない世界を目を凝らし手をのばして捉えようとします。それはスマホやコンピュータを頼らずに、自らの足元で起こっている変化を意識することからはじまるのかもしれません。
 本展では、それぞれのアーティストが、この不透明な時代に対して私的な関心から立ち向かい、それを解き明かそうとする試みです。その試みに賭ける彼ら彼女たちの意思と表現にご期待ください。



*本展覧会は、AITと文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講しているアーティスト・プラクティス 2017の一環で企画制作され、美術家の森弘治、小泉明郎、森田浩彰、キュレーターの小澤慶介、コーディネーターの杉本ひと美が1年をかけて若手アーティストを指導しています。



アーティスト・トーク開催決定!
本トークでは、2017年5月より開講したアーティスト・プラクティス2017コースを受講した6名の作家が何を学び、それをどう表現へと昇華させたかなどを含め、本展で発表している作品についてプレゼンテーションを行います。
入場無料・予約不要ですので、こちらもあわせてご参加ください。みなさまのご来場をお待ちしております。(モデレーター:小澤慶介)

日時:1月18日(木)19:00-21:00 (18:30開場)
※会場は、代官山AITルームになります。
(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B403)

定員:20名
参加費:無料(予約不要、先着順)
*会場が混み合う場合、立ち見となる可能性もあります。あらかじめご了承ください。


2017-12-13

「日産アートアワード2017」展覧会・関連イベント


ファイナリスト5名による新作展:未来に駆け出す現代美術のアーティストたち
NAA2017
左上から:題府基之《無題》(Project Family より)2010年/藤井光《帝国の教育制度》2016年/石川竜一《A Grand Polyphony, ZK.013 NAHA》2013年
左下から:田村友一郎 《裏切りの海》2016年 展示風景:横浜美術館「BODY/PLAY/POLITICS」展/ 横山奈美《最初の物体》2016年 撮影:怡土鉄夫/日産アートアワードロゴ

 



日産アートアワードは、隔年で開催される現代美術のアワードで、日本人アーティストの国内外での活躍をサポートし、次世代へと続く日本の文化発展に貢献することを目的に、2013年にスタートしました。(AITは、企画・運営事務局として関わっています。)

第3回目となる今回は、日本人アーティストの活動を国内外の視点で捉えてきたキュレーターや研究者、NPOなど異なる背景を持つ10名が、それぞれ候補となるアーティスト3名をノミネートしました。その後、世界を拠点に活動する美術関係者5名からなる審査委員会により、25名の候補者から5名のファイナリストを選出しました。

 ファイナリスト
 題府基之    1985年東京都生まれ / 東京都在住
 藤井光     1976年東京都生まれ / 東京都在住
 石川竜一    1984年沖縄県生まれ / 沖縄県在住
 田村友一郎   1977年富山県生まれ / 静岡県在住
 横山奈美    1986年岐阜県生まれ / 茨城県在住


選出されたファイナリスト5名は、9月16日(土)より11月5日(日)まで横浜のBankART studio NYK にて開催される展覧会にて、新作を含む作品を発表。展覧会期間中には、グランプリ受賞のほかに、来場者からの投票により選出されるオーディエンス賞が発表されます。(詳細は9月28日、日産アートアワード公式サイトをご覧ください)
グランプリ受賞者には、賞金のほかに3ヶ月間にわたるニューヨーク滞在(協力:ISCP)の機会を提供し、さらなる飛躍の契機を創出します。

本展では、ファイナリストの作品により親しんでいただくための関連プログラムのほか、新たにファミリー向けのプログラムを開催します。(参加無料 / 一部要予約)

日産アートアワードに向けて新たに制作されたインスタレーション、映像、写真、絵画など、多岐に渡る表現が初めて披露されます。ぜひ、ファイナリストたちの作品を通して、アートが示す多様な世界のあり方をご覧ください。

みなさまのご来場お待ちしています。


2017-9- 8

The BAR Vol. 10「Shaping Voices, Silent Skies」展

>>> English

The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) Vol. 10
「Shaping Voices, Silent Skies」
ミティ・ルアンクリタヤー(タイ)とサラ・アブ アブダラ(サウジアラビア)による新作展


会期: 2017年7月1日(土)- 7月17日(月・祝)
時間: 11:00 - 20:00 *入場無料/会期中無休
会場: 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(渋谷ヒカリエ8F)
オープニング・レセプション:6月30日(金)18:00 - 20:00
アーティスト・トーク:7月8日(土)14:00 - 16:00(13:30開場)@渋谷ヒカリエ8F COURT *要予約
(詳細はこちら)


The BAR Vol.10

The BAR Vol. 10「Shaping Voices, Silent Skies」展チラシ/Designed by Yasutaka Fukuoka
[Top] サラ・アブ アブダラ / 新作のための映像作品よりスティル画像, 2017, Courtesy of the artist
[Bottom] ミティ・ルアンクリタヤー / "Imagining Flood", 2011, Giclée print on archival paper, Courtesy of the artist


展覧会チラシ: Download(PDF / 680KB)



バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月1日(土)から7月17日(月・祝)まで「Shaping Voices, Silent Skies」展を8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて開催します。本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラム(The BAR)の10回目の成果展となり、本年はタイ出身のミティ・ルアンクリタヤーと、サウジアラビア出身のサラ・アブ アブダラが、日本未発表の作品に加え、東京で制作した新作を披露します。

ミティ・ルアンクリタヤーは、バンコクを拠点に創作活動をしています。主に写真やインターネット上のイメージを用いて、タイで近年みられる急激な都市開発による環境の変化、また、そこに集う人々の姿と欲望、喧騒と静寂など、都市が見せるさまざまな表情に着目しています。代表的なシリーズのひとつである《Imagining Flood》(2011)は、バンコクが洪水による被害を受けた日の、暗く静粛な人間不在の都市を切り取ることで、幻想的な都市の異相と自然への畏怖を際立たせています。

近年、シャルジャ・ビエンナーレ11(2013)などの国際展でも注目されるサウジアラビア出身のサラ・アブ アブダラは、絵画的な思考を取り入れながら、映像作品を中心に表現活動を行う若手アーティストです。映像作品《SAUDI AUTOMOBILE》(2012)には、アブ アブダラが、遺棄された車に無言のまま薄いピンクの塗料を施していく姿が映し出されています。「この切望的な行為のみが、私が車を所有できる唯一の方法なのです」と彼女が言うように、作品からは、女性が車を運転することが禁止されている同国の性規範への一つの眼差しが表現されています。

ふたりに共通するのは、グローバル化する都市や社会が作り出す幻想と、そこから取り残されて行く存在に触れながら、衝突ではなく静かな批判制を内包した表現ということでしょう。彼らの作品からは、私たちが生きる社会状況を映しつつも、政治性やジェンダーのステレオタイプに集約されることを意識的に避けようとする態度が見えます。
本展では、日本未発表の作品に加え、ルアンクリタヤーはバンコクにおける都市開発と東京、特に開発が進む渋谷の現在の姿を重ね合わせ、その裏に潜む環境汚染への危惧感にも言及します。アブ アブダラは、彼女がサウジアラビアで見ていた日本のアニメーションや漫画から構想した新作を発表します。3ヶ月の滞在で、ふたりが都市の囁きをどのように掬い取るのか、新作にご期待ください。


テキスト:堀内奈穂子[AIT/エイト]


2017-5-29

The BAR vol. 9「Healing and Loving」展

>>> English

The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) vol. 9
「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)による新作展


会期: 2016年7月9日(土)- 7月23日(土)
時間: 11:00 - 19:00(日曜・月曜・祝日休廊)*入場無料
会場: 山本現代(白金高輪)
オープニング・レセプション:7月9日(土)18:00 - 20:00
(19:00よりチョウ イー・ティンによるパフォーマンス)

アーティスト・トーク:7月13日(水)19:00 - 21:00(18:30開場)@代官山AITルーム *要予約
(詳細・ご予約方法はこちら)


The BAR vol.9
The BAR vol. 9「Healing and Loving」展チラシイメージ/designed by Yasutaka Fukuoka
[Top] Krishnapriya Tharmakrishnar "Richness", 2015, Nail Drawing on tracing paper
[Bottom] Chaw Ei Thein "What a wonderful world #6", 2015, Acrylic painting on camouflage fabric


プレスリリース:Download(PDF / 1.2MB)

展覧会チラシ: Download(PDF / 1.6MB)

アーティスト インタビュー:Download(PDF / 3.3MB)


バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月9日(土)から7月23日(土)まで「Healing and Loving (ヒーリング・アンド・ラヴィング)」展を白金高輪の山本現代にて開催します。本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの9回目の成果展となり、2016年はミャンマー(ビルマ)出身のチョウ イー・ティンと、スリランカ出身のクリシュナプリヤ・ターマクリシュナの2名のアーティストが、これまでの作品に加え、日本で制作した新作を発表します。

チョウ イー・ティン(1969年、ミャンマー/ビルマ生まれ)は、ペインティングや彫刻のほか、非道な弾圧や独裁政治のもとで生きた女性たちの経験に言及するパフォーマンスを公共の場で行なっています。2015年にミャンマー/ビルマで行われた総選挙と政治的局面に大きな変化が起こるまで祖国から離れて暮らし、その間も強い信念を持って制作活動に取り組んできました。
本展では、日本で見つけた迷彩柄の布地や、見捨てられた木材に施されるペインティングを新たに発表します。

クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(1987年、スリランカ生まれ)は、スリランカ最北に位置する都市、ジャフナを拠点に活動しています。1980年代半ばから、ジャフナは激しい内戦の場となりました。その最中、自らの家族と家を失った経験は、ドローイングや木版画など、ターマクリシュナの幅広い作品制作における源泉となっています。本展が日本初の作品発表となる彼女は、紙に釘を押し当て、うっすらとした姿を浮かび上がらせる立体のドローイングを制作します。展示に向け、彼女はこういいます。
「点は線となり、線は形をつくり、私の過去、夢、選択、喪失と獲得という人生のゆく末を示すのです。」

二人の作品は、争いにまつわる経験や記憶、そこでの喪失や不安を根幹にもちながらも、歩みを止めずにいきることへの強い想いを感じさせます。これらの表現は、翻弄された過去を批判するのではなく、すべての人びとに向けた「和解」と「愛情」の意思表明と捉えることもできるでしょう。
母親として、そして女性としての実体験に密接な関係を持つ彼女たちの作品にご期待ください。

2016-5-27

展覧会「非自己/Non-self」


>>> English


「非自己/Non-self」
オランダ出身のアーティスト、ローザ・ドールネンバルによる展覧会のご案内
会期:2016年3月26日(土)- 31日(木)12:00 - 19:00 *無休 / 入場無料
オープニングレセプション:3月26日(土)18:00 - 20:30 *19:00よりパフォーマンスレクチャーあり
会場:Higure 17-15 cas / 東京都荒川区西日暮里3-17-15
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:オランダ王国大使館
助成:Mondriaan Fonds


Left: Shapes of my Pinkish Purity / 2016 / Collages, fabric, ceramic, 410 mm × 620 mm
Right: Calming Balming / 2016 / Single channel video (color, sound)




「非自己/Non-self」

この度、AITでは、3月26日(土)から3月31日(木)まで、Higure 17-15 casにて、オランダ出身アーティスト、ローザ・ドールネンバルの展覧会「非自己/Non-self」を開催します。ドールネンバルは、オランダのMondriaan Fonds財団の助成により、AITのアーティスト・イン・レジデンスにて2016年1月から4月初旬まで東京に滞在しています。

ドールネンバルは、写真、彫刻、映像など、多様なメディアを用い、鑑賞者とモノ、道具、彫刻の相互作用に着目しています。アートにおける相似性や、彫刻作品を体験することへの思索が表現の核となり、時に、批評的、かつ遊び心にあふれた状況を創出しています。

今回の東京滞在を通し、ドールネンバルは日常にみられるモノが伝統・文化・社会的な観点からどのように知覚されているかをリサーチしました。 本展は、制作中の映像や彫刻などを通して、特に集中的にリサーチを行った茶道の文脈や歴史と、ポップカルチャーを融合させた、いわば今後、作品に発展していくプロセスを紹介する場となります。茶道の専門家に行ったインタビューや、瀬戸で制作した焼き物、秋葉原などで見つけたアニメーションから構想した掛け軸など、多様な表現が紹介されます。


「もし、茶室が森羅万象を包括できるとすれば、茶碗は無を創り出せるのか?」

茶道は、その歴史の中で芸術的言語が確立されてきました。茶会は、現実の世界から身を離し、茶を点てふるまい、味わう行為そのものに神経を集中させる時間を与えてくれるといえるでしょう。それにより、煩悩を捨て、精神的な領域へと立ち入り、自己を越える体験に繋がります。

その一方で、今日の都会化した景色を歩けば、全く異なる現実に対面します。独自の美的概念を持った現代のポップカルチャーにみられるのは、漫画やアニメに見られるように、常に若い少女たちなどで、彼女らの瞳は過剰なほどに大きく誇張されています。

「非自己/Non-self」展は、このふたつの矛盾したような、しかしその境目が曖昧な、視覚文化における美的思考の探求といえます。

- ローザ・ドールネンバル


3月26日のオープニングでは、ドールネンバルがパフォーマンスとレクチャーを通して、そうした原理を表現します。彼女のリサーチの成果が今後、どのように作品に繋がっていくのでしょうか。
まずはその出発点を共に体験しませんか。皆さんのお越しを心よりお待ちしています。

2016-3- 9

映像展+トーク『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』


>>> English


「第8回恵比寿映像祭」地域連携プログラム
アティコム・ムクダプラコーン(タイ)企画による映像展
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』

日時:2016年2月12日(金) - 20日(土)11:00-19:00 *日曜休み
会場:代官山AITルーム
*オープニング・レセプション:12日(金)19:00-21:00(開場18:30)*19:30よりトークあり


Photo by Atikom Mukdaprakorn (Reference image for the exhibition)



この度AITでは、「第8回恵比寿映像祭」地域連携プログラムの一環として、タイよりアーティストのアティコム・ムクダプラコーンを招き、2016年2月12日(金)より 20日(土)まで、映像展『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』を代官山AITルームで開催します。

恵比寿映像祭は、映像作品の上映のみならず、ライヴやトークセッションを複合的に行うユニークな祭典です。8回目となる今回は「動いている庭」をテーマに、2月11日(木・祝)から10日間に渡り、恵比寿ガーデンプレイスにあるザ・ガーデンホールを中心に開催されます。同展の地域連携プログラムとなる『ムーラン・ド・ラ・ギャレットでカラオケを』は、タイ・チェンマイ在住の気鋭のアーティスト、アティコム・ムクダプラコーンのキュレーションによる映像展です。2011年にチェンマイで結成されたアーティヴィスト集団(Artist + Activist)が主催した展覧会を、東京ヴァージョンにアレンジして再現します。近年のタイにおいて、政変によりますます厳しくなる言論統制や表現の自由の制約により、アーティストの活動も影響を受けざるを得ない状況にあります。本展では、ミュージック・ビデオ、カラオケなどの手法を巧みに取り入れて制作された映像集を展示し、そのような社会・政治的状況に対するタイの若手アーティストたちのリアクションに眼差しを向けます。

12日(金)のオープニングレセプションでは、ムクダプラコーンによるトークを交え、タイのアートシーンから垣間見える社会や政治、そこでの自由と不自由さなどを丁寧にひも解くことを試みます。ムクダプラコーンがこれまで関わったアーティスト達や様々なプロジェクトは、私たちに何を語りかけるのでしょうか。通訳には、タイ文学研究者の福冨渉氏をお招きします。

当日は、タイ料理レストラン、クルア・ナムプリックさんからのドリンクやスナックもお楽しみいただけます。ぜひ、ご参加ください。
みなさんのご来場をお待ちしています!


2016-1-18

「感性の法則」展

会期:2016年1月29日(金)-2月14日(日)
*オープニングレセプション:1月29日(金) 18:00-20:00
開廊時間:12:00-19:00 (金曜日のみ20:00まで/最終日17:00まで)
休廊日:月曜日、火曜日
*入場無料
会場:マキイマサルファインアーツ(東京都台東区浅草橋1-7-7)

<会期中のパフォーマンス・公開制作>
・加瀬才子は、来場者が持ってきた食べ物を食べます。食べ物を食べさせ、それを食べることから、肉体の感覚によるコミュニケーションの可能性を探ります。ぜひ、加瀬に食べさせたい物をお持ちください。
実施時間:1月29日(金)19:00-20:00、2月3日(水)および2月10日(水)12:00-19:00

・奥誠之は、展覧会会期中、会場にて公開制作を行います。
実施時間:不定期

「感性の法則」展



NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](以下、エイト)は、台東区浅草橋にあるギャラリー「マキイマサルファインアーツ」にて、若手芸術家の育成を目的に、4人の若手アーティストによるグループ展、『感性の法則』を開催します。

「故郷」や「家族」や「友達」などの関係や価値が一昔前よりも不安定に流動化している今、若い世代の人々は何を信じているのでしょうか。インターネットやSNS、テレビなどのメディアにはどれが本当かわからない情報が渦巻き、若く頼りなげな人たちはその波間を必死に泳いでいるように見えます。そのような時代において失われがちなものが、頭ではなく、感覚や感性からこの世界を捉えてゆくことなのかもしれません。

本展は、時代の趨勢に見過ごされがちな価値を見出して問いかけるアーティストのグループ展です。井田大介(いだだいすけ)は、資本主義によって特殊な環境になってしまった生まれ故郷をモチーフに作品制作をし、原田賢幸(はらだまさゆき)は、複雑になってしまった家族の関係を紐解くことによって自らのアイデンティティを見つめ直します。奥誠之(おくまさゆき)は、父親が携わっていた国立競技場をモチーフにしたインスタレーション作品を展開し、加瀬才子(かせさいこ)は、彼女自身の肉体をとおして、「食べる」を考えます。

いずれも、身の周りの人やもの、状況を体の感覚を通して捉え、そこから彼ら彼女たちが生きる世界を諦めずに見通す試みと言ってもいいかもしれません。
そのような、感性から見える彼ら彼女たちの世界の姿にぜひご期待ください。



*本展覧会は、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト] と文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講しているMADアーティスト・プラクティスの一環で企画制作され、美術家の森弘治、小泉明郎、森田浩彰、キュレーターの小澤慶介、フェローアーティストの松川朋奈が1年をかけて若手アーティストを指導しています。

2016-1-14

「日産アートアワード2015」展覧会・関連イベント


ファイナリスト7名による新作展:未来に駆け出す現代美術のアーティストたち
NAA2015
左上から:秋山さやか 撮影:Hideto NAGATSUKA、久門剛史、石田尚志、岩崎貴宏 Photo: Ichiro Mishima
左下から:ミヤギフトシ Photo: Chris Kang、毛利悠子 Photo: Naoko Maeda、米田知子 ©Tomi Räisänen、日産アートアワード2015ロゴ

 



日産アートアワードは、隔年で開催される現代美術のアワードで、日本人アーティストの国内外での活躍をサポートし、次世代へと続く日本の文化発展に貢献することを目的に、2013年にスタートしました。(AITは、「日産アートアワード2015」の企画・運営事務局として関わっています。)年齢を問わず、現代社会を瑞々しい感性で鋭く見抜き、特に過去2年間の活躍が目覚ましかったアーティストに贈られます。

本展は、キュレーターやアートスペース・NPO運営者10名が推薦した、33名のアーティストの中から、国際審査委員による書類審査を経て選出されたファイナリスト7名、秋山さやか、久門剛史、石田尚志、岩崎貴宏、ミヤギフトシ、毛利悠子、米田知子による新作展です。

会期中には、国際審査委員による最終審査が行われ、グランプリ受賞者1名が決定します。グランプリ受賞者には賞金に加えて、第二回目からの新たな取り組みとして、ロンドンの歴史あるアートセンター「カムデン・アーツ・センター」で、2ヶ月間にわたるロンドン滞在の機会を提供し、さらなる飛躍の契機を創出します。また、来場者の投票により選出されるオーディエンス賞も設立。より多くの人々に参加いただくことで、ファイナリストの活動を応援します。

本展では、日産アートアワードに向けて新たに制作されたインスタレーション、彫刻、映像、写真など、多岐に渡る表現が初めて披露されます。ぜひ、ファイナリストたちの作品を通して、日本の現代美術の今をご体感ください。

*グランプリ受賞者とオーディエンス賞の詳細は、11月25日に、日産アートアワードの公式サイトにて発表します。


2015-10- 2

「日産アートアワード2015」運営スタッフ募集

AITが企画・運営事務局をつとめる「日産アートアワード2015」の運営スタッフ(受付・監視/ガイドツアー)を募集中です。 国内外で活躍するアーティストやキュレーターの生の声を聞き、今のアートの動向を知ることができる現場で、スタッフとともに新しい経験を積んでみませんか?
みなさまのご応募、お待ちしております。

「日産アートアワード2015」とは
「人々の生活を豊かに」というビジョンのもと、日産自動車株式会社は、現代美術における優れた日本人アーティストの活動を支援するため、2013年に日産アートアワードを開始しました。本年は、5月にイタリア・ヴェネチアで「日産アートアワード2015」の第一次選考を行い、世界を拠点に活動する美術関係者5名からなる審査委員会により、33名の候補者から、7名のアーティストをファイナリストとして選出しました(秋山さやか、石田尚志、岩崎貴宏、久門剛史、ミヤギフトシ、毛利悠子、米田知子)。ファイナリストによる新作の展覧会は、11月14日(土)から横浜のBankART Studio NYKにて開かれ、11月24日(火)の最終審査会でグランプリが決定します。

<展覧会概要>
「日産アートアワード2015」ファイナリスト7名による新作展
会期:2015年11月14日(土)〜12月27日(日)
時間:11:00-19:00(無休 / 11月24日(火)は、イベント開催のため一般入場ができません)
会場:BankART Studio NYK 2F(神奈川県横浜市中区海岸通3-9)
主催:日産自動車株式会社
企画・運営協力:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協力:カムデン・アーツ・センター
展覧会協力:BankART1929、エプソン販売株式会社、ライトアンドリヒト株式会社
展覧会後援:横浜市
公式サイト:http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/



「日産アートアワード2015」 運営スタッフ募集要項

(1)受付・監視スタッフ
業務内容:受付および案内、来場者の安全確保と作品保護を目的とした会場全体の監視、開閉場の準備
募集人数:約20〜30名 *応募多数の場合、選考あり
期間:11月14日(土)〜12月27日(日)
時給:1,000円(交通費込)
時間(シフト交替制):
 A. 10:30-19:30(8時間勤務/昼食休憩あり)
 B. 10:30-15:30(5時間勤務/休憩あり)
 C. 14:30-19:30(5時間勤務/休憩あり)
 * 他の時間帯をご希望の際はご相談ください。(最低5時間以上)

応募条件:
・事前研修日(11月12日、13日、26日、28日)のうち1日、研修に参加できる方。
・現代美術に興味があり、責任感を持って取り組める方。
・8時間勤務(上記シフトA)が可能な方、会期中4日以上の出勤が可能な方を優先します。簡単な英会話が出来る方も歓迎します。

(2)ガイドツアースタッフ
業務内容:作品への理解を深め、展覧会を更に楽しんでいただくためのガイド業務
募集人数:若干名 *応募多数の場合、選考あり
月日:11月28日、12月5日、12日、19日、26日(全日程土曜日)
時間:12:30-14:00(ガイドツアー実施 13:00-13:45)
謝礼:1回5,000円(交通費込)
応募条件:
・事前研修日(11月14日、21日)のうち1日、研修に参加できる方。
・ 現代美術のある程度の知識があり、責任感を持って取り組める方。
・複数日の出勤が可能な方を優先します。

*受付・監視スタッフとして複数日の出勤が可能な方の中から、事前のシフト作成補助と会期中の連絡をまとめるスタッフリーダーを同時募集します。事前に数回の打合せを行います(謝礼別途)。ご興味ある方は、応募理由にその旨お書き添えください。

2015-10- 2

The BAR vol. 8「Today of Yesterday - 過去に在る、いま」展

>>> English

The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) vol. 8
「Today of Yesterday - 過去に在る、いま」
カンボジアからのアーティスト、ラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスの新作展


会期: 2015年7月11日(土)- 7月25日(土)
時間: 11:00 - 19:00(日曜・月曜・祝日休廊)*入場無料
会場: 山本現代(白金高輪)
レセプション: 7月11日(土)18:00 - 20:00

The BAR vol.8
Left: Rattana Vandy "Bomb Ponds", 2009/ Right: Kanitha Tith "Companions", 2011, Photo by Rattana Vandy



プレスリリース:Download(PDF / 1.5MB)

展覧会チラシ: Download(PDF / 3.3MB)

アーティスト インタビュー:Download(PDF / 3.3MB)
Interview by ベン・デイビス

バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月11日(土)から7月25日(土)まで「Today of Yesterday - 過去に在る、いま」展を白金高輪の山本現代にて開催します。本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの8回目の成果展となり、2015年はカンボジア出身の作家ラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスの2名が、これまでの代表作に加え、日本で制作した新作を発表します。

ヴァンディーは、主に写真や映像を用いて、歴史や記憶に触れる作品を制作しています。独学で写真を学び、「ドクメンタ(13)」(2012年)等の国際展や、東京都現代美術館をはじめ国内外に巡回する「TIME OF OTHERS / 他人の時間」展(2015年)にも参加している気鋭の作家です。ジャーナリストとしての活動経験を持ち、これまでに、国境紛争で緊迫した状況下にあった兵士たちのささやかな日常を捉えた写真を撮影した「Preah Vihear」(2008年)や、ベトナム戦争時にアメリカ軍による爆撃でできたクレーターが現在も池のように残された場所を撮影した「Bomb Ponds」(2009年)、また、70年代のクメール・ルージュ統治時代に命を落とした"あなた"への語りかけを綴った最新映像作品「MONOLOGUE《独白》」(2015年)などを制作しています。ヴァンディーは、そういった時代の痕跡や、記憶の断片を詩的なアプローチで紡ぎ出し、個々の人間の存在や、歴史を別の角度から伝えてゆくことの意味を私たちに問いかけます。本展では「Bomb Ponds」シリーズに加え、東京で制作した新作を発表します。新作「Shadow in the Dark」では、無数の釘を使った彫刻や詩で、人間の内面に潜む感情や精神性を静かに映し出します

ティスは、彫刻やインスタレーション、映像、パフォーマンスなど多岐に渡るメディアを用いた作品を制作しています。2010年には芸術活動を通じて、カンボジア女性の権利や社会的立場の向上のために貢献した女性に贈られる『You Khin Memorial Women's Art Prize』を受賞し注目を浴びました。2012年に行ったコミュニティ・プロジェクト「SurViVart」では、アート活動や対話の場が限られたカンボジアで、プノンペンのティスの自宅を開放し、幅広い世代の人々が集う交流の場を創出しました。細い針金を編んだ彫刻作品は、ティス自身の個人的な記憶や経験に加え、カンボジアの社会的事象から受けた影響が反映されており、それは瞑想に近いプロセスから生み出された繊細で力強いモニュメントとも言えます。本展では、日本と東南アジアの儀礼文化における "霊魂(スピリット)"への関心と、ティス自らの体験を反映させた新たな彫刻作品を新作として制作します

近年、カンボジアを含む東南アジアにおける経済的、社会的な変化の波は急激に加速しています。一方で、その裏側にある複雑な社会情勢や歴史の忘却、そして秘められた想像力を、私たちは未だ知る機会は多くありません。時代の痕跡や、作家自身を取り囲む大きな社会構造とそこからこぼれ落ちてゆく儚いものを、現代を生きる若い作家の新たな視点で眺めてみることは、過去から続く今日という日に想いを馳せるきっかけとなりうるでしょう。


テキスト:依田理花(AIT) 英文翻訳:ベン・デイビス

2015-6-12

AITキュレーター共同企画「Invisible Energy」展(ST PAUL St Gallery, ニュージーランド)



AITキュレーター共同企画「Invisible Energy」展
2015年2月20日(金)- 3月27日(金)
ST PAUL St Gallery (ニュージーランド)

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画像:Masahiro Wada / Stylish Flies for Housewives (still) / 2012-2013



このたび、ニュージーランドのST PAUL St Galleryで2月20日から3月27日まで開催される「Invisible Energy」展にて、AITの堀内奈穂子がの共同キュレーターとして参画しています。この企画は、AITが2013年にニュージーランドより招聘したキュレーターのVera Mey氏との交流から発展し、展覧会の開催が実現しました。

オークランド・アート・フェスティバルに合わせて開催される本展では、特に2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震後を契機に表出した社会構造や関係性の築き方、またそれ以前にも日常の中に存在していた集団意識やコミュニケーションの違和感について、日本人作家6名の映像作品やインスタレーション、ワークショップ、トークイベンなどを通して検証します。なお、本展に向け、参加アーティストの土屋信子と西尾美也が現地で滞在制作し、新作を発表します。
ニュージーランドにおいては、2004年にゴベット-ブリュスター・アート・ギャラリーにて、日本の現代美術を紹介する「メディアリーナ:コンテンポラリー・アート・フロム・ジャパン」展(グレゴリー・バーク、南條史生、 ロジャー・マクドナルドの共同キュレーション)が開催されました。本展は、そこから10年を経て立ち現れた表現や思考を紹介する場ともなります。

3月14日(土)には、本展の報告イベントをAITにて開催いたしますので、ぜひご参加ください。 詳細はこちら

2015-2-25

2月21日(土)「回る世界の静止点で」ー舞踏、能、コンテンポラリー・ダンス、現代陶芸を繋ぐ 1日限りのイベント


>>> English


[2月21日(土)開催!ロンドンのカムデン・アーツ・センター オーガナイザーによる企画]
"回る世界の静止点で"
ー 舞踏、能、コンテンポラリー・ダンス、現代陶芸を繋ぐ 1日限りのイベント
Simon Martin_AITtokyo
日時:2015年2月21日(土)15 : 30 - 21 : 00 (開場15:00)
会場:SHIBAURA HOUSE(東京都港区)
定員:50名 *先着順 *入退場自由 *予約不要
参加費:無料 *このイベントは終了いたしました。沢山のご来場ありがとうございました。


ジーナ・ブエンフェルドとAITによる、今回のイベントの記録をまとめたタブロイド版冊子PDF(日本語・英語)を下記に公開しています。

タブロイド冊子をみる


(PDF)デザイン:岡田味佳(Fruitsmachine)




この度AITは、ロンドンのカムデン・アーツ・センターより、オーガナイザーのジーナ・ブエンフェルド氏を迎え、一日限りのパフォーマンス+上映+ディスカッションイベント『At the still point of the turning world... 回る世界の静止点で』を、2月21日(土) にSHIBAURA HOUSE (建築設計:妹島和世建築設計事務所)にて開催します。ブエンフェルド氏は、AITのキュレーター・イン・レジデンス(研究者のためのレジデンス) により、平成26年度 文化庁 文化芸術の海外発信拠点形成事業の助成で2月末まで東京に滞在します。

ブエンフェルド氏が所属するカムデン・アーツ・センターは、1960年代に設立されて以来、野心的かつ優れた展覧会を数多く企画してきたほか、質の高いプログラムを提供していることでも知られる、世界屈指のアート・センターです。施設内にはギャラリーやスタジオ、工房などを兼ね備え、近年は特に現代陶芸の分野で活動するアーティストを招聘し、発表の機会を作るレジデンス・プログラムを継続して行っています。

昨年9月に東京に滞在し、約2週間のリサーチ活動とトークを行ったブエンフェルド氏は、その際に得た構想を元に、彼女が以前より興味を持ち、研究を続けているテーマである「能」や「舞踏」そして「陶芸」など、日本の伝統芸能の影響がいかにしてコンテンポラリー・ダンスの身体表現や現代陶芸の新たな形態へと受け継がれて変化していったかを、2部構成のイベントにて考察します。

オープニングのトークではAITのアーティスト・イン・レジデンスで東京に滞在中のジェシー・ワイン(イギリス)とキャロライン・アシャントル(フランス)を迎え、現代陶芸の表現やそれに伴う身体性について考えます。2人の作品も、会場にて展示予定です。

ライブ・パフォーマンスでは、イギリスより来日するミルドレッド・ランボー(フランス)を迎え、陶芸粘土を使用した実験的なパフォーマンスを行うほか、映像上映では、伝説の振付家として知られるトリシャ・ブラウン(アメリカ)や、'ドクメンタX' や '横浜トリエンナーレ2011' など多くの国際展に参加したヨアヒム・コースター(デンマーク)、サイモン・マーティン(イギリス)、スリワナ・スポーン(ニュージーランド)ほか多くの気鋭作家による短編映像作品を上映します。

こうした表現や作品をとおして、肉体や踊りが持つ、感覚や精神の解放や永遠性 ー ブエンフェルド氏がタイトルに引用したイギリスの詩人・劇作家である T.S. エリオットの言葉を引用するならば「回る世界の静止点」にある、過去や現在、未来という時間的概念を超えた瞬間に潜む輝きを見つけてみませんか。
皆様のお越しを心よりお待ちしています。



2015-1-22

AITキュレーター企画 タイと日本のアーティストのグループ展「Shuffling Spaces」(チェンマイ)



AITキュレーター企画「Shuffling Spaces」展
2015年2月8日(日)- 2月15日(日) 11:00 - 21:00 *入場無料
Venue: Gallery Seescape (チェンマイ、タイ)

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Shuffling Spaces展 チラシ


このたび、AITのキュレーター堀内奈穂子が企画した、国際交流基金主催の展覧会「Shuffling Spaces」を、チェンマイのGallery Seescapeにて開催いたします。本展は、タイと日本の作家4名によるグループ展です。

「漂流」をテーマに新作の映像作品、インスタレーション、パフォーマンスを通して、都市の新たな見方、移動、現代の社会環境を考えます。チェンマイは、1990年代には、路上やお寺、公園など、美術館以外の場所でアーティストが実験的な展示や学びの場を創出するチェンマイ・ソーシャル・インスタレーション(CMSI)の活動が行われ、オルタナティブなアート・シーンがつくられてきました。
本展では、会期中に、トークやプレゼンテーションも開催し、CMSIの活動に関わったアーティストも招くことで、現代におけるさまざまな表現、知識が交差する場の意味や文脈を、参加者とともに捉え直します。

'Shuffling Spaces' features four artists and an artists group from Thailand and Japan who will present a variety of new works including video, installation, and performance.
The works in this exhibition present different interpretations of physical and imaginary spaces, urban environments, and social situations; allowing us to consider how we can gain autonomy from modern day society.
In conjunction with the exhibition, artists will be joined by guests from academia and the general public in presenting talks relating to the theme of 'drifting'. The events will be open to the general public and will offer a platform for those in attendance to discuss the ideas that emerge from the various presentations.

2015年3月14日(土)には、本展の報告イベントをAITにて開催いたします。キュレーターによる、展覧会の開催報告ほか、参加作家の小鷹拓郎のミニ・トークと、新作映像の上映会もあります。ぜひご参加ください!
詳しくはこちら>>

2015-1-21

「アート・スコープ2012-2014」―旅の後もしくは痕

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展覧会:「アート・スコープ2012-2014」―旅の後(あと)もしくは痕(あと)
会期: 2014年7月12日(土)から10月13日(月・祝)
会場: 原美術館(東京都品川区)



ArtScope2014

「アート・スコープ2012-2014」チラシ画像 デザイン: Masayoshi Kodaira (FLAME)



この度、AITが企画およびアーティスト・イン・レジデンスの協力を行った、ダイムラー・ファウンデーション ジャパンと原美術館主催の展覧会「アート・スコープ2012-2014」―旅の後(あと)もしくは痕(あと)を2014年7月12日(土)から10月13日(月・祝)まで開催します。本展は日本とドイツの間で互いに現代美術のアーティストを派遣・招聘し、異文化での生活を体験しながら交流をはかることを目的とするダイムラー・ファウンデーション ジャパンの文化・芸術支援活動「アート・スコープ」プログラムで、AITは2003年から事務局およびレジデンスプログラムを運営しています。

本展は2012年にドイツから招聘したリタ・ヘンゼンとベネディクト・パーテンハイマー、2013年に日本から派遣した今村遼佑と大野智史、あわせて4名による展覧会です。いずれのアーティストも、異国での滞在プログラム(アーティスト・イン・レジデンス)を終えたのち、その経験を踏まえて本展のために制作した新作を発表します。

人間は古くから旅をする生き物であったと言えます。旅が困難を伴う時代であった遥か昔から、《巡礼》や《参拝》といった宗教的儀礼としての旅は長い歴史を持ちます。時代が下るにつれ、交通の発達もあってさまざまな旅の形態が生まれました。たとえば、18世紀を中心にイギリスの上流階級子弟の間では、学習や教養の仕上げとして《グランドツアー》に出ることが流行しました。また、現代日本の学校教育において《修学旅行》は言うまでもなく定番の行事です。そして21世紀の今、観光であれビジネスであれ、《旅行(ツーリズム)》は各国・各地域の経済活動にとっても欠かせないものになっています。

気候、風景、言語、民族、文化、社会──さまざまに《異なる》国・地域への旅は、旅人それぞれにとって大きな意味を持ち、貴重な体験になるものです。「アート・スコープ」プログラムによって異文化を経験した4名のアーティストは、それぞれの旅の過程で何を見、何を感じ、旅の《後》の創作活動にどのような刺激を得たのでしょうか。絵画・写真・インスタレーションなど多彩な出品作品の中には、ストレートに体験が反映され主題となったものもあれば、その旅の《痕》を表現の中につかみとりにくいものもあります。いずれも、旅の報告や感想ではなく、旅の経験を表現としての作品に結実させる4者4様のアプローチと言えます。そこに現代美術の多様な魅力を感じていただくと同時に、人間にとって《旅》をすることの意味を再確認していただければと思います。

みなさまのお越しをお待ちしております。
なお、本展は2015年にドイツ・ベルリンのダイムラー・コンテンポラリー・ギャラリー(Daimler Contemporary)に巡回する予定です。

2014-6-20

The BAR(The Backers Foundation and AIT Residence Programme)vol. 7

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アルバート・サムレス(アメリカ)とゴル・スーダン(ケニア)による新作展

会期: 2014年7月12日(土)- 7月26日(土) 11:00 - 19:00 (日月祝は休廊)*入場無料
会場: 山本現代(白金高輪)
レセプション: 7月12日(土)18:00 - 20:00

The BAR vol.7
[左] アルバート・サムレス/「継続的な漂流」/2012/<ロバート・スミッソンの『スパイラル・ジェティ』付近で、発煙弾を使って描いたグラフィティ>(参考作品)
[右] ゴル・スーダン/「ドローイング・イン・スペース」/2014/プロテスト・ワイヤー(一部本展展示作品)



プレスリリース:Download(PDF / 1.2MB)

展覧会チラシ: Download(PDF / 5.4MB)

作家へのインタビュー記事:Download(PDF / 2.3MB)
展覧会報告印刷物: Download(PDF / 1.9MB)

この度、バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](以下、AIT)は、7月12日(土)から26日(土)まで、「アルバート・サムレス(アメリカ)とゴル・スーダン(ケニア)による新作展」を、白金高輪の山本現代にて開催いたします。本展は、バッカーズ・ファンデーションとAITが2007年より手がける、アーティスト・イン・レジデンス事業の第7回目の成果展です。これまでに、アフリカや中東、アジア、南米など、欧米に限らず多様な国々から積極的にアーティストやキュレーター(研究者、編集者)を招へいし、東京滞在における作品構想や展示のサポート、教育プログラムを通しての意見交換を実施してきました。

アメリカ在住で、カンボジア出身の両親を持つアルバート・サムレスは、「シンガポール・ビエンナーレ2013」など、名立たる国際展に参加経験を持つ気鋭のアーティストです。これまでに、海流の影響で時間と共に素材が変化する『太平洋の水彩画』や、世界の多くの空港で流れるアナウンスを担当し、地球上で最も聴かれている声の一つでありながら実体を想像し難かった人物が、人間の存在の限界を問う詩を朗読する『ザ・ボイス』など、人々の認識の曖昧さや不確かさに着目した作品を制作しています。本展では、雨によって生成される絵画のほか、本年、モスクワの展覧会に出品する、オウムに歌を習わせる作品の関連作として、図形楽譜を展示予定です。

ケニア出身のゴル・スーダンは、大学で社会学と哲学を学び、独学で制作を始めたアーティストです。急激な経済発展を迎えているケニアは、瞬く間に都市のインフラが整備されていく一方で、それに伴うデモも頻発しています。スーダンの『ドローイング・イン・スペース』シリーズには、近年のデモで燃やされた車のタイヤから拾い集めた針金(プロテスト・ワイヤー)が使われています。デモの際に、空間を分断するバリアとして使われていた素材を変容させることで、スーダンは、どちらにも属さない新たな空間を表出させます。本展でも、プロテスト・ワイヤーを使った同シリーズのほか、シエラレオネ共和国のフリータウンで見つけた自転車のケーブルや、東京で発見した素材を使用したドローイングやインスターレーションにより、さまざまな手法で空間を創出、介入することを試みます。

見慣れない環境から創造性の種を見いだし、表現に昇華していくアーティスト・イン・レジデンスの経験は、アーティスト自身にも、その作品と出会う私たちにも、思いもよらない発想を生み出してくれるものといえるでしょう。

みなさまのお越しをお待ちしております。

2014-6- 9

「クウキのヨメナイ、ワタシたち」展


「クウキのヨメナイ、ワタシたち」展
会期:2014年2月15日(土)- 3月9日(日)
*オープニングパーティー:2月15日(土)17:00-19:00
時間:11:00 - 18:00 *入場無料
休:水曜日
会場:CAPSULE / SUNDAY(東京都世田谷区池尻2-7-12)

松川朋奈
松川朋奈 「だけど、男に求められている人妻としての優越感、背徳感、
犯そうとしてる罪に対する少しの恐怖、どれも悪くないなぁって思う。」(2013)
パネルに油彩、242×162cm



NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](以下、エイト)は、世田谷区三宿にあるギャラリー「CAPSULE」と隣接するカフェ「SUNDAY」にて、「クウキのヨメナイ、ワタシたち」展を開催します。

本展は、6名の、いずれもこれからのアートシーンを担う20−30代のアーティスト6名によるグループ展です。
ひとえに「20代−30代」とはいえ、育った環境や経験、現在の生活状況によって、それぞれ違う世界を目にしています。しかし、じつは、そのどれもが同じ重さでこの世を並走しているとは考えられないでしょうか。

日々の生活における違和感に思いを巡らせて形にする出来事や語りは、いずれも世の中に蔓延している社会の見えない「クウキ」を向こうに回した闘いの痕跡であるかのようです。私たちの思考や感情、行動をもコントロールしようとするそうした「クウキ」の下には、止められない癖や習慣、失った感覚、揺らぐアイデンティティなど、個人の物語が数多流れています。本展では、気鋭の作家6人が、その「クウキ」によって見えなくなっている親密な語りを絵画や刺繍、インスタレーションなどの作品で解き明かします。

※ 本展は、MADアーティスト・プラクティスゼミの修了展です。本ゼミは、美術家の森弘治、小泉明郎、キュレーターの小澤慶介が1年かけて若手アーティストを指導するもので、エイトとアーティスト支援組織ARTISTS' GUILDが企画運営しています。

※ オープニングパーティーの際には、キュレーターによるミニトークや、アーティストによるミニ・ギャラリーツアーも予定しています。

2014-1-15

「リビング - 日々の世界の奏でかた」展



【重要:2/8(土)クローズのお知らせ】
本展は、明日2/8(土)、関東地方が大雪となる可能性が高く、悪天候による交通機関への影響を考慮し、お休みとさせていただきます。
お越しいただく予定であった皆様には大変申し訳ありませんが、何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます。


「リビング - 日々の世界の奏でかた」展
会期:2014年1月31日(金)- 2月9日(日)(休:2月2日)
時間:11:00 - 18:00 *入場無料
会場:AITルーム ( 東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山B-403 )

武田 拓「はし」2010
武田 拓「はし」2010
写真提供: わお -YAMAGATA ART PROJECT-
(特別企画展「ひらくさんのわりばし」東北芸術工科大学、2013)



このたび、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]が開講する現代アートの教育プログラムにおける展覧会制作の一環で、「リビング‐日々の世界の奏でかた」展を開催いたします。

本展は、繰り返しの日々を生きることに密接してある「アート」から世界を捉え直そうとする試みです。

私たちの生活を省みると、それがさまざまな繰返しの連続であることに気づきます。例えば、朝起きること、一定の通勤方法に通勤ルート、だいたい3回の食事、同じ家への帰宅。この繰返しは私たちを安心させるものであり、また時にうんざりさせるものでもあるでしょう。こうした「日常」における繰返しは、人が生きることの根底にある条件のようにも見えます。しかし、それが、何か創造的なものとしてあり得ると捉え直すとどうなるでしょうか。「単なる繰返し」であったものが、意外性に満ちたものであるとしたら。そう感じられた時、私たちは世界に対してもっと色を見、音を聴きはじめるのかもしれません。

齋藤裕一の平面作品には、「テレビ番組のタイトル」という身近でシンプルなコトバが繰り返し表れます。ここには生々しい身体感覚を筆跡に宿しながら、文字が詩的に波打ち、齋藤から発散される瑞々しいエネルギーの旋律が聴こえてくるようです。
武田拓による、まるで生き物のようなうねりを有した立体オブジェは、「割箸をつめこむ」という日課作業が繰り返され、気がつけば、身の丈を超える迫力を有するものとなっていたという作品です。
坂本三次郎は、日々、拾い集めてきた草、木、石などを大地に並べ置く行為を年老いた身体で脈々と続けています。坂本は、全身全霊で自然との触れ合いを奏でているようにも見えるでしょう。
そして、mamoruは、《etude for everyday life - 日常のための練習曲 ‐》の作品シリーズにおいて、一滴の水を吸いこむ瞬間やハンガーが風で擦れ合うことで発する微細な音に耳を傾ける、私たちの「聴くこと」に息吹を与えます。

本展を通じ、より多くの人に、より「日常」が新しく、より魅力的に捉えなおされることを願います。

2014-1-15

【MAD2013前期小澤ゼミ受講生による企画展】林 加奈子「きみとぼくと街の灯」展


【MAD2013「アートの詩学と存在論」小澤慶介ゼミ前期受講生による企画展】
林 加奈子「きみとぼくと街の灯」展
会期:12月11日(水)-12月21日(土)
14日(土)、17日(火)は、休み
時間:11:00 - 17:00 ※21日(土)は、13:00-17:00(17:30よりアーティストトーク)
会場:AITルーム(代官山)

みの虫 林加奈子
みの虫(2012) ラムダ プリント279×355mm

2013-11-22

都会に飽きたら、十和田奥入瀬に行こう! 「十和田奥入瀬芸術祭ナイト」開催


「十和田奥入瀬芸術祭ナイト」開催
日時:8月6日(火) 19:00 - 21:30 *要事前申込 *入場無料
会場:代官山AITルーム

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 写真:小山田邦哉



今年度から新たに始まる「十和田奥入瀬芸術祭」が、9月21日にいよいよオープニングを迎えます。 AITの小澤慶介がキュレーターとして関わっている本芸術祭ですが、7月2日に記者発表が行われ青写真が公開されました。

今回、会場となるのは十和田市現代美術館、奥入瀬渓流近くの遊休施設、そして十和田湖の遊覧船。 美術家のみならず、演出家、音楽家、小説家と多分野に渡る創り手たちが集まり、十和田奥入瀬を舞台に「時」というテーマを読み解きます。

そうした芸術祭の魅力を、制作秘話を交えながら、アーティスティック・ディレクターの藤浩志とキュレーターの小澤慶介が余すところなくお伝えします。

また、NPO法人AIT(エイト)では、芸術祭開催期間中にツアーを企画していますので、その概要も当日発表いたします。 十和田奥入瀬にみる芸術祭作りの流儀について知りたい方は、ぜひお集まりください!

2013-7-26

The BAR vol.6「ざわめきのあらわれ / Divided Against Ourselves」展

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The Backers Foundation and AIT residence programme vol. 6
中米からの気鋭のアーティスト、アレグラ・パチェコ(コスタリカ)と アルベルト・ロドリゲス・コジア(グアテマラ)の2名の新作展!

会期:2013年7月13日(土)- 7月27日(土) 会場:山本現代(白金高輪)


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左:アレグラ・パチェコ「Untitled」/ 2013年 (参考作品)  右:アルベルト・ロドリゲス・コジア「No lugar (Non place)」/ 2013年



プレスリリースはこちらDownload(PDF / 954KB)


-- オーナー型経営者とアートNPOが手がけるユニークなアーティスト・イン・レジデンス事業の6回目!--
-- 今年はコスタリカ、グアテマラ、そしてナイロビ出身のアーティストとキュレーターを招へい!--
-- 東京は「快楽抑圧都市」!? 若手アーティスト2名が、3ヶ月の滞在生活から見た「東京」を新作として発表!--


この度、バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月13日(土)から7月27日(土)まで、「ざわめきのあらわれ/Divided Against Ourselves」展を白金高輪の山本現代にて開催いたします。 本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの成果展となり、本年はアレグラ・パチェコ(コスタリカ)とアルベルト・ロドリゲス・コジア(グアテマラ)の2名が、その3ヶ月の生活から見えた日本の発見、不可思議さ、思いがけぬ出会いなどを新作として発表します。

コスタリカ出身のパチェコは、主に写真やドローイングを制作しています。「Boobs(乳房)」(2012)では、コスタリカのラ・カルピオ地区の女性たちとの共同作業により、乳房の形をしたソフト・スカルプチャーを制作しました。移民女性の労働問題や社会状況を浮き彫りにするこの作品の売り上げは全て、その地区の女性支援に充てられました。本展では、東京の密集する建築や都市構造から見える過剰なまでの秩序や法則、そして人々を飲み込んでいくかのように増殖し続ける街の気味悪さやおかしみを、写真やドローイング、コラージュなどの新作として表現します。

今回、初来日となるロドリゲス・コジアは、インターネットや新聞から集めた画像など、他者の創作物を引用し、映像やドローイングを制作しています。2008年には、グアテマラのアーティストとともに、街で見つけたグラフィティや風刺画など、匿名の表現を集める「La Favorita (みんなの一番)」プロジェクトを行い、社会に溢れる声無き声の集合体を展示しました。今なお政治的に不安定なグアテマラに住むコジアは、氾濫するメディアイメージを巧みに借りながら、社会のあり方を嘲笑することを企みます。本展では、グアテマラと東京の自身の経験をモチーフに、半自叙伝的な物語を、新作の版画作品として発表します。

アートコレクターの台頭やアートマーケットの拡大により、近年、中南米のアートシーンは世界の注目を集めています。その一方で、それを構成する一つひとつの国の複雑な社会情勢や文化、また、創造力を、私たちは知る機会が少ないといえます。 地下鉄の中、ビルの隙間、街を歩くサラリーマンや学生、その出会いや観察の全てが制作のひらめきとなる彼らの体験を通して世界を眺めてみることは、私たちに、「知り得ぬもの」を想像する力を与えてくれるといえるでしょう。
みなさまのお越しをお待ちしております。

テキスト:堀内奈穂子(AIT)


2013-6-19

泉太郎「たしかめる」展

現代アートの学校MAD2012「キュレーティング」コース(後期)企画
会期:3月9日(土)-3月17日(日)
会場:代官山AITルーム *入場無料 *パフォーマンスあり。


VisorAndFan    Perth
左:『ひさしと団扇』「リアル・ジャパネスク−世界の中の日本現代美術」展示風景 2012年 国立国際美術館、大阪
右: "浮き輪から入り樽井戸を抜けて胃腸にいたるスカンクトンネル" '"オムニログ:オルタネイティング カレント:3.11以降の日本現代美術 " 展示風景 Perth Institute of Contemporary Arts(PICA), オーストラリア Courtesy of PICA and Japan Foundation


プレスリリースはこちら Download(PDF / 136KB)

 

この度、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、泉太郎による個展「たしかめる」を、AITルーム(レクチャー・ルーム/代官山)にて開催致します。

本展は、ルーレットやすごろくなどの遊びの要素や音を取り入れた可笑しみのある映像やパフォーマンス作品を発表する美術家、泉太郎を迎え、かすかなヒントから他者の存在を探るさまざまな行為を繰り返し行う実験的な展覧会です。初日から、少しずつ作品行為やその結果が足されながら拡張してゆきます。

家族や恋人、友だち、知り合い、またまだ見ぬ未来の何者かに対して確かな手触りを求めようとする行為は、2年前の震災を経てより私たちの日常的な光景の一コマとなりつつあります。動物と目が合う回数を数える映像や、料理の匂いを会場に残すといった泉の「たしかめる」行為を通し、他者の気配を「たしかめる」ことへと鑑賞者を誘うことでしょう。

目の前に見ているものは果たしてどれほど「たしか」なのか、一方で誰かを通して何か知ることにどれほど「たしかさ」はあるか。小学校で手にした計算ドリルのように連鎖的に繰り広げられる行為は、東日本大震災から2年を迎える3月11日を前に、隔たりをかぎりなく失くしながら他者に触れる試み、またそれは、コミュニケーションで抜け落ちていく他者の体温や感情を想像し掬いとる試みとも言えるでしょう。

2013-2-28

福士朋子個展「Boarding」

会期:2013年1月19日(土)-2月16日(土)
開廊時間:11:00-19:00 日月祝休廊
オープニングレセプション:2013年1月19日(土)18:00-20:00
*コミックのリリースを記念した「サイン会」あり!
会場:山本現代/協力:NPO法人AIT

*会期中、現代アーティスト公募プログラム「ART IN THE OFFICE」の福士朋子受賞作品(場所:マネックス証券本社内)も予約制にて一般公開されます

 

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 福士朋子「マニュアル」 (2011) ©FUKUSHI Tomoko


 

この度、アーティストの福士朋子の個展「Boarding」が、ギャラリー山本現代で開催される運びとなりましたのでお知らせいたします。

福士はマンガの「構造」や「文法」を積極的に取り入れ、日常生活においてメッセージを伝えるための道具であるホワイトボードに、コマ割や内語(口には出さずに考えている言葉)等のマンガの手法を用いた作品を制作し、独特の制作スタイルを展開しています。
今回の展示では「ギャラリーを架空の空港に見立て、搭乗のための手続きから浮かび上がってくる内/外、安全/危険などの境界線や、個人のアイデンティティ、そして搭乗前の高揚感と不安の混じり合った時間を表現する」というテーマのもとで、新作インスタレーションの展開に挑みます。

本展は、福士が現代アーティスト公募プログラム「ART IN THE OFFICE 2012」(マネックス証券主催)の受賞を機に実現したもので、AITも協力をしています。
1月19日のレセプション会場では、福士のコミック「元祖FAXマンガ お絵描き少女★ラッキーちゃん」(500円・税込)のリリースを記念して、冊子を買ってくださった皆さまにサインをする「サイン会」も開きます!

また、個展の会期に連動して、マネックス証券本社プレスルームに展示されている、「ART IN THE OFFICE」受賞作品「take off / landing」も予約制にて一般公開されます。
ぜひこの機会に併せてご覧ください。

皆さまのお越しをお待ちしています。

2012-12-21

守章(もりあきら)『終日中継局』展

小澤慶介(AIT)とMAD2012キュレーティング・コース前期受講生による企画がいよいよスタート!
初日にはアーティスト・トークも!

会期:11月11日(日)-12月11日(火)
オープニングレセプション:11月11日(日)15:00-17:30(15:30から、アーティスト・トークあり)
会場:代官山AITルーム *入場無料
時間:不規則なオープン時間につき、AITのFacebookでお知らせします
必ず、ご確認の上ご来場ください。

 

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プレスリリースはこちら Download(PDF / 112KB)

日本経済新聞(夕刊)に掲載されました!(2012/11/27付 JPG / 1.3MB)

 

このほど、AITの小澤慶介とMADキュレーティング・コース(2012年前期)の受講生は、「震災後」を展覧会ととおして向き合うプロジェクト、守章の『終日中継局』展を、代官山AITルームで開催します。

守章は、東日本大震災以前から、地域の防災放送をモチーフに『終日市町村山口』、『終日23区』などのプロジェクトを手掛けてきました。夕方になるとどこからともなく聞こえてくる「赤とんぼ」や「家路」。遊んでいる子どもたちは、それを合図に家に帰りはじめる、あの音楽。それには、防災放送のテストという、もう一つの目的があります。

4枚の地殻が接合する上に乗っている日本列島では、地震が起こり、山は噴火します。この自然条件と恒常的な非常時という私たちの生存条件の結び目を、守章のプロジェクトは照らし出します。
ふだんレクチャーが行われているAITルームでは、受信される防災無線によって日常と被災地の関係が意識される作品『終日中継局』と、震災直後に被災地で見られた貼紙をモチーフにした『終日貼紙』が展開されます。

この地理的に隔たった日常的な空間から、アートをとおして密やかに「震災後」を見つめる本プロジェクトにご期待ください。

2012-11- 2

「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」

レジデンス・プログラムで東京を体験した若手アーティスト10名のグループ展!
会期:8月28日(火)- 11月18日(日) 会場:原美術館(品川)
*展覧会の様子をブログやSNSで伝えるリポーターのボランティアも募集します!


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左:シャギニ ラトナウラン「L.S.」2011年
右:メアリー=エリザベス ヤーボロー「変化(太陽の下で日々が始まり、終わる)」2008年

 

プレスリリースはこちら 日本語:Download(PDF / 4.1MB)/英語:Download(PDF / 736KB)

 

-- 7カ国、10名の若手アーティストが美術館に創る「共生」の場 ー
AITと原美術館では、2012年8月28日(火) から11月18日(日)まで、 原美術館にて「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」を開催します。この展覧会は、2007年から2011年までの過去5年間に渡り、バッカーズ/AITレジデンス・プログラムによって東京に招聘した若手アーティストのグループ展です。インドネシア、シンガポール、インド、アフガニスタン、ブラジル、アルゼンチン、アメリカなど、さまざまな国々から集まった彼らが、東京に滞在しながら制作した作品と、帰国後に制作した新作もあわせて展示します。

アンティークショップや動物園、問屋街、カラオケ、夜の六本木、そして日常的な場所であるスーパーマーケットや地下鉄など、それぞれのアーティストは3ヶ月という限られた時間を通し、さまざまな場所を訪れ、多くの発見や出会いを経験しました。彼らが滞在中に制作した作品の数々には、遊び心や実験的なアイディアとともに、言語や慣習の異なる地で生活をする不安感や違和感も表れています。それは同時に、私たちが普段見過ごしてしまうような出来事にも目を向け、丁寧に観察したからこそ見えてくる、彼ら独自の都市の捉え方でもあるといえるでしょう。
現在ドイツにて開催されている5年に一度の国際展、dOCUMENTA13に参加しているカディム・アリや、ブラジルで開催されるサンパウロビエンナーレに参加予定のチアゴ・ホシャ・ピッタをはじめ、アーティストの多くは帰国後にさまざまな国際展やアートフェアで活躍の場を広げています。

かつての私邸を美術館に改装した原美術館。
本展では、もともと「住処」だった空間をアーティストたちが「共生」する仮想の家(ホーム)にすることで、彼らを再び日本に迎え入れ、異国に滞在・移動することによって生まれる表現の変化や進展を紹介します。絵画・ドローイング・インスタレーション・写真・彫刻など、現代美術ならではの多様な表現を楽しめるのも見どころの一つです。

AITでは展覧会の特設WEBページを作成し、展覧会に向けた制作風景やエピソード、また、展覧会の様子をリポートするボランティアの募集情報など、随時更新していきます。
会期中はアーティスト・トークや関連イベントなども開催します。
新進気鋭のアーティストの作品が一堂に会す、他には類の無いレジデンス・プログラムの展覧会にぜひご来場ください。
皆さんのお越しをお待ちしています。


2012-7-30

マイケル・ヨハンソン「Memories of a Colour - 色の記憶」

AITレジデンスアーティスト、マイケル・ヨハンソンによるメゾンエルメスのウィンドウディプレイ
期間:5月17日(木)-7月31日(火)
場所:メゾンエルメスウィンドウディスプレイ(銀座)


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(c) Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon



この度、2011年冬にAITのレジデンスプログラムにて東京に滞在したスウェーデン出身アーティスト、マイケル・ヨハンソンが、 銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイを手がけました。 AITのレジデンスをきっかけとして、ヨハンソンが日本でのプロジェクトを展開し、新たな挑戦ができたことを嬉しく思うとともに、皆さんにもぜひ、作品をご覧いただきたく、ご案内いたします。

ヨハンソンは、本やスーツケース、家具、そして家電など、私たちの身の回りにある大小様々な日用品を使用したインスタレーションを制作しています。彼の作品は、身近であるはずの素材の数々が、ブロックのように隙間なく積み重ねられることで、素材の本来の機能や意味が消し去られ、新たな空間を可視化させるものとして立ち表れます。

メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、ヨハンソンが蚤の市を渡り歩き収集したーあらゆる家庭の歴史や記憶が刻まれたー「もの」から、100円ショップで見つけた製品まで、多様な素材によって構成されています。そのようなサイズも用途も異なるさまざまな素材を丁寧にはめ込むプロセスを繰り返し、最終的には全ての「もの」が直方体の一部となります。本作では、素材を白一色に統一することで均質化された日用品の積み重ねのなかに、エルメスの色鮮やかな商品が配され、過去と現在、日常と非日常が共存するディスプレイが完成しました。

2012年3月からはベルギーの「Triennial of Contemporary Art by the sea」で野外作品「The Move Overseas 」を制作。本展の後には、シドニーの某ホテルロビーにて、恒久展示の制作を控えています。
次々と活躍の場を広げるヨハンソンの最新作をぜひご覧ください!


2012-6- 4

- ito-hen- exhibition.vol3「present for you」

MAD2011助成金受賞企画
企画者:浅井慧
会期:5月13日(日)-26日(土)開廊時間:12:00-24:00(火曜定休)
*初日のみ18:00オープン/オープニングパーティー:19:00-24:00
会場:アトリエベムスター(展示、ライブ)、企画者宅(関連イベント)
itohen.jpg イベントフライヤー画像


この度、AITが開講している現代アートの学校「MAD」の、2011年度の助成金受賞企画が、浅井慧氏の「–ito-hen- exhibition.vol3『present for you』」に決まり、5月13日(日)より開催されますので、受賞の発表と合わせてお知らせいたします。
2011年度のMADでは、受講者を対象に助成金制度を設け、展覧会やアートイベントの企画案を募集しました。
浅井氏の「ito-hen」とは、関心を共有しながら不定期にアートの実験をしてきたアーティストのグループです。
カフェや企画者宅など、日常的な空間で行われる今回のアートイベントは、作家が鑑賞者に対してプレゼントを送る行為によって成り立ちます。
このオルタナティブな経済活動を提案しながら、価値を分かち合う場そのものを作品化する試みは、実験的であると同時に多くの人々に開かれている点で、公共的なものと捉えることができます。また、食や音楽など多ジャンルも取り入れながらアートやアートイベントの可能性を追求しているところも評価したポイントでした。
企画立案から少しずつ歩みを進めてきた浅井氏のイベントが、いよいよ5月13日に始まります。
展示のほか、オープニングパーティやライブ演奏、浅井氏宅を訪問する「open house」などのイベントも開催されますので、みなさんぜひお出かけください。

小澤慶介
MADプログラム・ディレクター

2012-5-10

「佐伯洋江」展

日時:2月4日(土)-12日(日)10:00-19:00 会期中無休
*オープニング・レセプション:2月3日(金)18:00-19:30
会場:メルセデス・ベンツ コネクション 1階 ギャラリースペース(六本木)

 

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Untitled, 2011年, 紙にシャープペンシル, 色鉛筆, アクリル, 66 x 194.5 cm(2作品とも)

 

 

このたび、東京・六本木のメルセデス・ベンツコネクションでは、1Fギャラリースペースにて2月4日(土)から2月12日 (日)まで、現代美術の分野で最も注目を集める若手のアーティスト、佐伯洋江の個展を開催いたします。AITは本展の企画協力を行っています。

佐伯洋江は、2010年度の「アート・スコープ」プログラムに選出され、アーティスト・イン・レジデンスプログラムにて3ヶ月間ベルリンに滞在したのち、その体験を踏まえ創作に励んだ成果を、2011年9月から12月まで、東京、品川の原美術館にて行われた「アート・スコープ2009-2011 インヴィジブル・メモリーズ」展にて発表しました。本展覧会ではそのなかから、佐伯がメルセデス・ベンツ コネクションに足を運び、この場所のために選定した作品を展示します。 佐伯は大阪府池田市に生まれ、2001年に京都精華大学美術学部デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザイン・コースを卒業しました。2004年、タカ・イシイギャラリーでのグループ展「invisible birds」に参加した後、ニューヨーク、バーゼル、ロンドンなど海外のアート・フェアで大きな注目を集めました。 2006年には、全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などが推薦する、今後の活躍に期待がもてる若手作家へ向けられたVOCA奨励賞を受賞しました。近年は、国内外で数多くの個展・グループ展に精力的 に参加し、その活動の場を広げています。その作品は国内では第一生命保険相互会社、トヨタアートコレクション、原美術館、海外ではニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)、UBSアートコレクション(ロンドン)、Deutsche Bankアートコレクション(フランクフルト)などに所蔵されています。

佐伯の作品は、初期から一貫して、白のケント紙に鉛筆やシャープペンシルなどで細かく丹念に描きこまれた有機的なモチーフや無機的な記号のようなもの、そして時には画面の半分以上を占める大きな空白とで構成されています。両者がもたらす緊張と対話、そして線描の繊細さと力強さと自在さは、鑑賞者をその絵画空間へ引き込む力強さを持っています。佐伯は「作品は何を描こうと決めてからではなく、何も考えず空間にはいりこみ、あたかも旅をするかのように描く。少し線が違えば異なる旅、作品となる。」と語ります。言葉に頼るのではなく、描き出された自由自在な線とモチーフ、空間が生み出す彼女の絵画世界の旅をお楽しみ下さい。

皆様のご来場をお待ちしております。

2012-1-26

宮永愛子「そらみみのおすそわけ」展のご案内

- 秋の夜長に、耳を澄まして「聞く」4日間限りの展覧会 -
宮永愛子「そらみみのおすそわけ」展

企画:AIT堀内奈穂子(フリーランス・キュレーター)
日時:2011 年11 月3 日(木・祝) - 11 月6 日(日) 18:00 - 20:00
会場:CAPSULE(東京都世田谷区池尻2-7-12)

 

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宮永愛子/そらみみみそら/陶、釉/写真:畠山崇/ (c)MIYANAGA Aiko/Courtesy Mizuma Art Gallery

 

プレスリリースはこちら Download(PDF / 1.6MB)

 

この度、AITのスタッフであり、MADの講師も務める堀内奈穂子が、三宿のアート・スペースCAPSULE にて開催される、宮永愛子「そらみみのおすそわけ」展を企画しました。本展では、宮永愛子の『そらみみみそら』を所蔵する3名が、それぞれの作品を持ち寄り、作品から発せられる音色を皆さんと楽しむひとときを演出します。

ナフタリンや塩などの素材を使用し、ものが持つ記憶や物語を紡ぎだすアーティストとして知られる宮永ですが、歴史ある京都の陶芸家の家系に育った彼女は、伝統的な陶芸の手法や素材も多く作品に取り入れています。器に塗る釉薬の調合により、窯場から出された後も、器が冷えるにつれてその表面にヒビが入る「貫入」が起こり、澄み渡った音を放つ『そらみみみそら』。
薄いガラスがそっと触れ合うようなかすかな音は、私たちの耳に届けられる一瞬のうちに再び静粛のなかへと戻り、その音の記憶をたぐりよせようと意識を傾けると、またどこかで慎ましい響きを奏でます。音は少しずつ変化しながらも、決して消え入ることなくそこにあり続け、私たちに繰り返しその存在を知らせるのです。

会期中は、毎日18 時から20 時までの2 時間、一度に5名までという人数を限定した空間にすることで音と作品をゆっくりと鑑賞していただけます。一人では聞き逃してしまうかもしれないかすかな音を、他の誰かが聞き取ることで、器の演奏は無限に広がりを見せることでしょう。
秋の夜長と共に、ぜひその共演をお楽しみください。

2011-10-26

展覧会「川村麻純 Mirror Portraits」

現代アートの学校MADキュレーション・プラクティス2009修了生企画展覧会
「川村 麻純  Mirror Portraits」

日時:8 月20 日(土)- 8 月31 日(水)11:00-19:00  *入場無料 *日休
オープニングレセプション:8 月20 日(土)18:00-20:00  *アーティストによるトーク 19:00〜

 

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「mirror portraits」/ Type C Print/ サイズ可変/ 2011年

 

プレスリリースはこちら Download(PDF / 5.5MB)

 

"Mirror Portraits"展は、AITが開講している現代アートの学校MAD(Making Art Different)の2009年キュレーション・プラクティスの修了生三名が企画した展覧会です。普段社会人として働く三人のキュレーターは、それぞれ全く違うバックグラウンドや視点を持っています。

三人は、AITオフィスのある「代官山」をキーワードに考え、この度、アーティストの川村麻純とともに、非常にユニークな展覧会を実現しました。これまで多くの建築写真を手がけてきた川村は、「代官山」というキーワードに対し、代官山の都市文化を形成してきた建築空間「ヒルサイドテラス」に目を向けました。

川村は、ヒルサイドテラスに関わりのある女性たちに母親についてのインタビューをし、彼女たちのポートレートを撮影しました。彼女たちが語った母との思い出は、本人とは異なる第三者の女性により語り継がれます。その物語に、鑑賞者の記憶が重なり合うとき、合わせ鏡のように、鑑賞者の様々な記憶が喚起されるでしょう。

8月20日(土)のレセプションでは、19時から、アーティストによるミニ・トークもあります。
ぜひアーティストを囲んでの作品鑑賞のひとときをお楽しみください。皆様のご来場をお待ちしています。

2011-8- 4

The BAR vol. 5「Rounds - めぐりめぐる」

The BAR vol. 5「Rounds - めぐりめぐる」
インドネシアからのアーティスト、シャギニ・ラトナウランとデュート・ハルドーノ新作展


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シャギニ・ラトナウラン / 「L.S.」/ 2010年 / 部分     デュート・ハルドーノ / 「訪問」/  2008年

 

プレスリリースはこちら Download(PDF / 904KB)

 

 

会期: 2011年5月28日(土)- 6月11日(土) 13:00 - 19:00 (日曜日・月曜日は休廊)*入場無料
会場: hiromiyoshii roppongi 東京都港区六本木5-9-20 TEL:03-5772-5233
主催: NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催: バッカーズ・ファンデーション
協力: hiromiyoshii roppongi、株式会社ヨックモック
レセプション: 5月28日(土)18:00 - 20:00  *19:00〜アーティストによるパフォーマンス

 

 

 バッカーズ・ファンデーションと、AITは、5月28日(土)から6月11日(土)まで、The BAR vol.5 「Rounds - めぐりめぐる」をhiromiyoshii roppongiにて開催いたします。本展は、アーティスト・イン・レジデンス・プログラムによって東京に3ヶ月間滞在したシャギニ・ラトナウラン(1979年生まれ)とデュート・ハルドーノ(1985年生まれ)の2名のインドネシアのアーティストによる新作展です。

 3月に発生した東北関東大震災は、多くの海外のアーティストにとって、滞在をあきらめざるを得ない大きな出 来事となりました。その後の余震や、解決が見えない原発の問題など、国内外のニュースは、いまだに深刻な現状を映し出しています。そのようななか、ラトナウランとハルドーノは、来日を強く希望し、4月初旬より滞在を開始しました。スマトラ沖地震を体験し、社会的な変化や動揺、そしてそこからの克服を記憶している2人からは、こうした不安定な状況においてもなお、東京の魅力を積極的に発見し、制作の動機としていく、表現者としての絶え間ない探求心と活力が伺えます。

 シャギニ・ラトナウランは、家具や食器などを使用したインスタレーションをはじめ、写真、ペインティングなど、多岐にわたる表現を行っています。2010年の個展『情事 第1章:ダイニングルーム/罪のない嘘』では、とろけるようにしたたり落ちる真っ白なテーブルや椅子、食器が並ぶダイニングルームを、白骨のポートレートと共に展示しました。それは、肉や皮膚に覆われ、普段は見えない私たちの骨のように、清らかな愛の裏にある誘惑や背徳など、相反する感情を映し出しています。本展の新作では、夢と現実をテーマに、滞在中に見つけた古い家具やタイプライター、クッションなどを使用し、インスタレーションや写真、ドローイングを展示します。17世紀のフランスの哲学者、ヴォルテールによる「歴史とは、死者の上で我々が演じているペテンに過ぎない」という一説を引用するラトナウランは、使い古され、歴史化したものに「アート」という名のトリックを吹き込むことで、アーティスト、あるいは欺く者としてそれらを変容させます。

 デュト・ハルドーノは、サウンド・インスタレーションやパフォーマンス、ドローイング、コラージュなどを制作しています。特に、巻き取りの変化で楽曲の速度を変えたり、予測不能な音のブレやズレが生じるカセットテープをはじめ、レコードや古い楽器などを、ハルドーノは積極的に作品に取り入れます。『サボテンが演奏する、ジョン・ケージの4分33秒を、テープの繰り返し再生で上演する方法』(2010年)では、前衛芸術運動のフルクサスのメンバーであったジョン・ケージが作曲し、演奏家が無音の音楽を演奏する『4分33秒』(1952年)を引用したインスタレーションを制作しました。そこでは、鑑賞者は、三鉢のサボテンによって再現される歴史的な作品を、カセットテープを通して繰り返し聴く、という奇妙な時間を体験します。本展の新作においても、ハルドーノは、カセットテープを使用し、東京に溢れる音や、話し声などを無作為に録音したサウンド・インスタレーションや、滞在中に収集した物を貼り合わせたコラージュ作品を発表します。また、オープニング当日には、中古のシンセサイザーを使用したライブ・パフォーマンスを行います。

 見知らぬ土地で見つけた素材を用い、それが持つ意味や物語を丁寧に紐解きながら時間を巻き戻すことで、2人は、別の誰かによって創られた歴史や認識を溶かし、まだ見ぬものへと変容させていきます。大小の無数の島々により構成され、さまざまな歴史、宗教、文化、思考などが混在するインドネシアは、アート・シーンにおいても、豊かな表現が生まれています。ラトナウランとハルドーノは、そうした自国の環境、そして時に海外で、より柔軟に活動の場を移し、即座に適応しながら表現を行う世代だと言えるでしょう。新進気鋭のインドネシアのアーティストの力作、そしてその多様な表現の対比をぜひご期待ください。

テキスト:堀内奈穂子 [AIT / エイト]


 

<作家紹介>
 ・シャギニ・ラトナウラン(1979年インドネシア生まれ、バンドゥン在住)
 ・デュート・ハルドーノ(1985年インドネシア生まれ、バンドゥン在住)

 

※ バッカーズ・ファンデーションとAITでは、キュレーターの招聘も行っています。6月3日(金)より、アグン・フヤットニカ/Agung Hujatnika(セラザール・スナルヨ・アート・スペースキュレーター、インドネシア)が3週間東京に滞在する予定です。


 


 

<バッカーズ・ファンデーションとは>
「バックアップしていく人たち」という意味で、オーナー型経営者が集まり、社会貢献事業を行なう経営者有志の任意団体です。1994年に社団法人日本動物福祉協会を助成することからスタートし、現在は、各団体に支援金を送るだけではなく、実際に会員たちが現場へ足を運び、「明るく楽しく」を合言葉に参加する活動を行っています。現在は、55人の会員が在籍し、そのなかで複数の委員会を作り、メンバー自らが参加型で手作りの活動を行なっています。本プログラムのほか、2005年からは「バッカーズ寺子屋」という子どもたちを対象にした塾の運営も行っています。The BARシリーズでは、これまでに、インド、ブラジル、アフガニスタン、シンガポール、モロッコなどの国々から、8名のアーティストと4名のキュレーターを招聘し、2012年には、全招聘アーティスト10名によるグループ展を予定しています。

2011-5-15

エリカ・ヴェルズッティとプラディープ・ミシュラの新作展

The BAR vol. 4 「エリカ・ヴェルズッティとプラディープ・ミシュラの新作展」

会期: 2010年5月22日(土)- 6月12日(土)
会場: GALLERY SIDE 2 港区東麻布2-6-5 タトルビル1F
           http://galleryside2.net/gallery/contact/index.php 
時間: 11:00?19:00
主催: 特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催: バッカーズ・ファンデーション
協力: GALLERY SIDE 2

※注:BAR = Backers foundation and AIT Residence programme

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展覧会の様子 写真:木奥恵三 (右-ミシュラ作品/左:ヴェルズッティ作品)  

 

現在、GALLERY SIDE 2(東麻布)にて、バッカーズ・ファンデーションとAITによる、
The BAR vol. 4「エリカ・ヴェルズティとプラディープ・ミシュラの新作展」を開催しています。
注:BAR = Backers foundation and AIT Residence programme
 
本展は、AITのアーティスト・イン・レジデンス・プログラムによって東京に3ヶ月間
滞在したエリカ・ヴェルズッティ(ブラジル サンパウロ出身/1971年生)とプラディープ・ミシュ
ラ(インド ムンバイ出身/1977年生)の2人のアーティストの新作を発表する展覧会です。

今回二度目の来日となるヴェルズッティは「前回の滞在では、ただただまちの魅力に圧倒
されていたけれども、今回はアーティストとして何ができるかという責任を意識できた。」と
語り、また初来日となるミシュラは「まちのリズムに影響を受けて、ムンバイにいるときとは
違い、規則正しく生産的な日々を送ることができた。」と振り返り、それぞれの東京滞在は
実り多きものとなりました。その二人の体験が表れている本展では、グレーの色調が際立
つヴェルズッティの彫刻とドローイングと、鮮やかな赤を基調としたミシュラのペインティング
という、対照的ながらもほどよくバランスのとれた世界が実現しています。

会期は6月12日(土)の午後7時までです。お誘い合わせの上、ぜひご高覧ください。


【バッカーズ・ファンデーションとは?】
バッカーズは、「バックアップしていく人たち」という意味で、オーナー型経営者が
集まり、社会貢献事業を行なう経営者有志の任意団体です。1994年に社団法人日本動
物福祉協会を助成することからスタートし、現在は、各団体に支援金を送るだけでは
なく、実際に会員たちが現場へ足を運び、「明るく楽しく」を合言葉に参加する活動
を行っています。現在は、55人の会員が在籍し、そのなかで複数の委員会を作り、メ
ンバー自らが参加型で手作りの活動を行なっているのが特徴です。本レジデンスプロ
グラムのほか、2005年からは「バッカーズ寺子屋」という子供達を対象にした塾の運
営なども行っています。The BARシリーズでは、これまでに、インド、ブラジル、アフガニ
スタン、シンガポール、モロッコなどの国々から、6名のアーティストと3名のキュレーター
を招聘しました。

2010-5-22