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「明け方の計略」展

会期:2018年1月13日(土) - 1月27日(土)
*オープニングレセプション:1月13日(土)18:00-20:00 
開廊時間:12:00 - 19:00 (月曜休廊)
*入場無料
会場:駒込倉庫(東京都豊島区駒込2-14-2)
    アクセス JR山手線・東京メトロ南北線駒込駅北口または東口より徒歩2分

★アーティスト・トーク:1月18日(木)19:00より 会場:代官山AITルーム★

「明け方の計略」展



この度、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、文化庁との共催で、現代アートのグループ展「明け方の計略」を駒込倉庫で開催します。

本展に出品する6名は、いずれも今後の活躍が期待される若い世代の芸術家です。
 タイトルにある「明け方」は、街や人の姿が闇に沈み、次第にそれらの輪郭が浮かび上がってくる時間帯です。これから世に出てゆこうとしている芸術家たちは、ぼんやりとしてはっきりと見えない世界を目を凝らし手をのばして捉えようとします。それはスマホやコンピュータを頼らずに、自らの足元で起こっている変化を意識することからはじまるのかもしれません。
 本展では、それぞれのアーティストが、この不透明な時代に対して私的な関心から立ち向かい、それを解き明かそうとする試みです。その試みに賭ける彼ら彼女たちの意思と表現にご期待ください。



*本展覧会は、AITと文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講しているアーティスト・プラクティス 2017の一環で企画制作され、美術家の森弘治、小泉明郎、森田浩彰、キュレーターの小澤慶介、コーディネーターの杉本ひと美が1年をかけて若手アーティストを指導しています。



アーティスト・トーク開催決定!
本トークでは、2017年5月より開講したアーティスト・プラクティス2017コースを受講した6名の作家が何を学び、それをどう表現へと昇華させたかなどを含め、本展で発表している作品についてプレゼンテーションを行います。
入場無料・予約不要ですので、こちらもあわせてご参加ください。みなさまのご来場をお待ちしております。(モデレーター:小澤慶介)

日時:1月18日(木)19:00-21:00 (18:30開場)
※会場は、代官山AITルームになります。
(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B403)

定員:20名
参加費:無料(予約不要、先着順)
*会場が混み合う場合、立ち見となる可能性もあります。あらかじめご了承ください。


2017-12-13

ラウンジ&ミュージックイベント「ミングリアス」


〜今年のアートイベントを振り返ろう!MAD POWER 100〜
日時:12月16日(土)18:30-22:00(終了予定) *19:30-20:30までミニ・トークあり
会場:代官山AITルーム [MAP]
*参加無料、予約不要、入退場自由
*イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。



過去のミングリアスの様子

AITでは、12月16日(土)の18:30から代官山のAITルームにて、ラウンジ・イベント「ミングリアス」を開催します。
「ミングリアス」とは、【mingle(混ざり合う) + us】」という意味で、現代アートの学校MADの受講生や修了生、アート好きな人々が集まり、ドリンクを片手に交流を楽しむ入場無料のイベントです。 毎回、心地良い音楽やイベントテーマにちなんだドリンクやフードも楽しめます。

今回は、「MAD POWER 100」と題して、MAD受講生による"今年一番印象に残った展覧会・アートイベント"をランキング形式で発表しながら、ロジャー・マクドナルドと塩見有子がこの一年を振り返ります。また、来年度のMADについても少しだけご紹介します!

そのほかに、当日はAITの本棚からセレクトしたカタログやアート・ブックなどのブック・セールも行う予定です。
恒例のMAD生とロジャーによるDJタイムや、この季節ならではのフードやドリンクもご用意しています!
また、オープンマイクも予定しますので、ご自身の作品やプロジェクトを発表したい方は、ぜひご準備下さい。

今年一年をアート好きな人たちと楽しく語らいたい方や、来年度のMADについて知りたい方は、ぜひお気軽にご参加ください。

[ タイムテーブル ](予定)
18:30 - オープン DJタイム
19:30 - ミニ・トークスタート
20:30 - オープンマイク(先着3組)
21:00 - DJタイム
22:00 - クローズ

*ミニトーク後は、オープンマイク形式で自由に意見交換を行いたいと思います。宣伝したいイベントやアートプロジェクトがある方や仲間を募りたいMAD修了生・受講生は、奮ってご参加下さい!
(先着3組 / 持ち時間:各5分 / 使用できるもの:マイクのみ / 参加はMAD生に限らせていただきます)

2017-11-24

AIT SLIDE TALK #35 集中とアートについてのワークショップ「私自身の眼鏡を磨く」

>>> English

AIT SLIDE TALK #35
集中とアートについてのワークショップ「私自身の眼鏡を磨く」

日程:2017年11月24日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 本イベントは英語で行われます。


AIT SLIDE TALK #35
A workshop on attentional practices "Polishing the Spectacle of Myself": A Brief Introduction to the Work of ESTAR(SER)

Date: Friday, November 24, 2017
Time: 19:00-21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admissions with 1 drink / Booking required / English only




「私自身の眼鏡を磨く」

AITでは11月24日(金)に、来日中のESTAR(SER)のメンバーによるトーク&ワークショップイベントを開催します。ESTAR(SER)は、「第三の鳥結社」という不思議な集団について研究を重ねてきたグループです。これまでにもさまざまな国々でトークを実施し、2016年には、アメリカのロサンゼルスにある、奇妙な博物館として知られるジュラシック・テクノロジー博物館でシンポジウムを行い、そこにAITのロジャー・マクドナルドもゲストとして招待されました。こうした経緯から、今回、日本で初めてとなる彼らのトークが実現することとなりました。

さて、彼らの最新のリサーチによって、MacGinitie コレクションで11個のゴーグルが発見されました。それらは、「第三の鳥結社」によって使われていたと推測され、特殊な視覚現象が起きると考えられています。また、そのゴーグルを装着した者は軽い変性意識状態となり、「第三の鳥結社」の秘密の儀式で使われていたとも言われています。 かれらはこのゴーグルを装着し、アートの「適切な」鑑賞を行っていたのでしょうか、あるいは、集団でそれを汚してから浄化し、新たな視覚を手に入れようとしたのでしょうか?それとも、なんらかのパフォーマンスに使ったのでしょうか?これらを裏付ける証拠は、未だ少ないままです。ある研究者は、オルダス・ハックスリー(Aldous Huxley)の著書「The Art of Seeing」(1942年)とも関係があると指摘しています。

当日は、ESTAR(SER)が発表してきた様々な出版物の発表と、発見されたゴーグルを用いて「第三の鳥結社」が行ってきたであろう「運動」を体験するワークショップをおこないます。
ご参加される皆さんには、実験精神をもってお集まりいただくことをお勧めします。

ESTAR(SER): The Esthetical Society for Transcendental and Applied Realization
(「実践と超越的覚醒の美学的協会」)
とは?

プライベートかつインディペンデントな研究者のネットワーク。「第三の鳥結社」について丁寧な研究や議論を進めてきた。

2017-11-16

AIT ARTIST TALK #72「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」

>>> English


AIT ARTIST TALK #72
「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」
〜スウェーデンよりアーティストのハンス・アンダーソンを迎えて〜
日程:2017年11月14日(火)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム

*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 要約通訳あり



AIT ARTIST TALK #72
"History flows from all the presents"
Artist Talk by Hans Andersson from Sweden
Date: Tuesday, November 14, 2017
Time: 19:00 - 21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admission with 1 drink / Booking required / Summarized Japanese translation available



Works by Hans Andersson, 2017, Courtesy of Galerie Forsblom, Photo by Angel Gil


AITでは、11月14日(火)19:00より、スウェーデン出身ストックホルム在住のアーティスト、ハンス・アンダーソンによるトーク「すべての現在から歴史は流れる - History flows from all the presents」を開催します。アンダーソンはIaspis財団の助成により、9月から11月30日まで東京に滞在しています。

アート作品は、鑑賞者の心の状況にある種の穏やかさをもたらすことはできるのでしょうか。
こうした問いは、アートがより高次の意識のために作られていた時には重要なものでした。それは、様々な文化における宗教芸術に繰り返し見られながらも、モダニズムの幕開けによって向き合うことが困難になった問いといえます。ハンス・アンダーソンは、丁寧に時間を折り重ねた緻密なドローイングやコラージュ、立体作品を制作しています。それらは、優れた宗教芸術が持つような、時間を超越した性質を持っているとも考えられます。初期エレクトロアコースティック音楽、インディアン・タントリック・アート、建築、そして変性意識など、数々の経験や情報によってドローイングは、私たちをそうした複雑ながらも魅了してやまない物質と時間の交差に身を任せるよう促します。

今回の滞在においても、アンダーソンは、特に使い古した布である襤褸(ボロ)に着目したり、日本におけるアニミズムや建築にも関心を示し、時間や意識の重なりについて積極的にリサーチを行ない、東京以外にも、京都や広島にも訪れました。

本トークでは、アンダーソンによるこれまでの作品のスライド写真などを例に活動の様子や思考のプロセスを紹介したのち、後半はロジャー・マクドナルドとの対話によって進行します。

みなさんのお越しをお待ちしています。

2017-11- 2

AIT ARTIST TALK #71「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」

>>> English


AIT ARTIST TALK #71
「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」
〜タイよりアーティストのピヤラット・ピヤポンウィワットを迎えて〜
日程:2017年10月23日(月)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム

*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 英語のみ



Collaborative patchwork created by local home-based tailor, courtesy of the artist


「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」

2000年以降、世界各地でファストファッションが旋風を巻き起こしています。多くの商品は、中国をはじめ東南アジアで生産されてショーウィンドウに並び、私たちの欲求を満たしています。一方その裏では、労働者をとりまく賃金や生活環境も問題として取り上げられています。

AIT ARTIST TALK #71「東南アジアのもつれた糸 - グローバリズムにおける労働と格差社会」"Tangled Thread over Southeast Asia" では、タイ出身のアーティスト、ピヤラット・ピヤポンウィワットを迎え、東南アジアの被服生産における労働環境と格差社会から、日本の養蚕業の歴史までを俯瞰します。
ピヤポンウィワットは、国際交流基金アジアセンターのフェローシッププログラムにより、ベトナム・タイ・カンボジア・ミャンマーにある縫製工場をリサーチで訪れ、労働者に丁寧なヒアリングを行いました。工業用ミシンが所狭しに並ぶ工場で寡黙に働く人々の姿を撮影したり、携帯電話を使って労働者用の集合住宅で日常生活の様子を捉えるなど、加速するグローバリズムや資本主義経済の一端から、労働者たちのささやかな「声」を掬い上げています。ここでは、5ヶ月に及ぶこれらのリサーチと、そこから浮かび上がった東南アジアのもつれた糸を紐解くと同時に、垣間見えた彼らの日常をどのように自身の作品へと変換していくのか、ピヤポンウィワットの思考にも迫ります。


Left: Garment workers working in the factory in Phnom Penh, courtesy of the artist
Right: Worker dormitory near Phnom Penh Special Economic Zone (PPSEZ), courtesy of the artist


日本における養蚕業を中心とした繊維・縫製工場の歴史や労働環境の問題とその背景にも取り組んだピヤポンウィワットの視点から、労働をめぐる現在の東南アジアの姿と、私たちの経済・文化活動、グローバリズムの裏側について考えてみませんか。

みなさんのお越しをお待ちしています。

2017-10-11

「日産アートアワード2017」展覧会・関連イベント


ファイナリスト5名による新作展:未来に駆け出す現代美術のアーティストたち
NAA2017
左上から:題府基之《無題》(Project Family より)2010年/藤井光《帝国の教育制度》2016年/石川竜一《A Grand Polyphony, ZK.013 NAHA》2013年
左下から:田村友一郎 《裏切りの海》2016年 展示風景:横浜美術館「BODY/PLAY/POLITICS」展/ 横山奈美《最初の物体》2016年 撮影:怡土鉄夫/日産アートアワードロゴ

 



日産アートアワードは、隔年で開催される現代美術のアワードで、日本人アーティストの国内外での活躍をサポートし、次世代へと続く日本の文化発展に貢献することを目的に、2013年にスタートしました。(AITは、企画・運営事務局として関わっています。)

第3回目となる今回は、日本人アーティストの活動を国内外の視点で捉えてきたキュレーターや研究者、NPOなど異なる背景を持つ10名が、それぞれ候補となるアーティスト3名をノミネートしました。その後、世界を拠点に活動する美術関係者5名からなる審査委員会により、25名の候補者から5名のファイナリストを選出しました。

 ファイナリスト
 題府基之    1985年東京都生まれ / 東京都在住
 藤井光     1976年東京都生まれ / 東京都在住
 石川竜一    1984年沖縄県生まれ / 沖縄県在住
 田村友一郎   1977年富山県生まれ / 静岡県在住
 横山奈美    1986年岐阜県生まれ / 茨城県在住


選出されたファイナリスト5名は、9月16日(土)より11月5日(日)まで横浜のBankART studio NYK にて開催される展覧会にて、新作を含む作品を発表。展覧会期間中には、グランプリ受賞のほかに、来場者からの投票により選出されるオーディエンス賞が発表されます。(詳細は9月28日、日産アートアワード公式サイトをご覧ください)
グランプリ受賞者には、賞金のほかに3ヶ月間にわたるニューヨーク滞在(協力:ISCP)の機会を提供し、さらなる飛躍の契機を創出します。

本展では、ファイナリストの作品により親しんでいただくための関連プログラムのほか、新たにファミリー向けのプログラムを開催します。(参加無料 / 一部要予約)

日産アートアワードに向けて新たに制作されたインスタレーション、映像、写真、絵画など、多岐に渡る表現が初めて披露されます。ぜひ、ファイナリストたちの作品を通して、アートが示す多様な世界のあり方をご覧ください。

みなさまのご来場お待ちしています。


2017-9- 8

ラウンジ&ミュージックイベント「夏のミングリアス」


〜夏のミングリアス〜
日時:2017年8月5日(土)18:30-22:00(終了予定)
会場:代官山AITルーム [ MAP ]
*参加無料、予約不要、入退場自由
*イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。



過去のミングリアスの様子

AITでは、8月5日(土)18:30から22:00まで、代官山のAITルームにて、ラウンジ・イベント「ミングリアス」を開催します。ミングリアスとは【mingle(混ざり合う) + us】」という意味で、音楽を楽しみつつ、ドリンク片手にアート好きのみなさんと交流するアットホームなラウンジ・イベントです。


MAD受講生はもちろん、アートについてもっと語りたい方や、AITの活動に興味のある方、都内近郊に滞在中のレジデンス・アーティストなどさまざまなバックグランドを持った方が集まり、今話題のアートスポットやこれからはじまる展覧会情報などについても情報交換ができ、AITルームがはじめての方も、気軽に楽しめます。

今回は、AITスタッフが巡った「Documenta14」や「ミュンスター彫刻プロジェクト」のミニレポートを、現地のグルメスポット情報を交えつつお届け&今秋、表参道のスパイラルで開催するアール・ブリュットの展覧会に関する情報を、キュレーション担当のロジャー・マクドナルドからいち早くご案内します! また、現代アートの学校MADの講師をゲストにお招きして、秋以降のMAD2017レクチャーの詳細もご紹介 (参加予定:近藤健一さん[森美術館キュレーター]、山村みどりさん[ニューヨーク近代美術館[MoMA]講師]ほか)。

夏休みを利用して国内や海外のアートフェスティバルを巡ろうと考えている方や、9月以降に現代アートの学校MADの受講を考えている方、障害とアート、というテーマに関心のある方は必聴です! また、MAD生とロジャー・マクドナルドによるDJタイムや、MAD修了生の浅井慧さんによる食のプロジェクト ito-hen のご協力で、夏にぴったりのフードやドリンクをご用意しています! 恒例のオープンマイクも開催しますので、ご自身の作品やプロジェクトを発表したい方はご準備ください。

真夏のひとときをアート好きな方々と一緒に楽しみませんか。みなさんのお越しを心よりお待ちしています!

2017-7-18

The BAR Vol. 10「Shaping Voices, Silent Skies」展

>>> English

The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) Vol. 10
「Shaping Voices, Silent Skies」
ミティ・ルアンクリタヤー(タイ)とサラ・アブ アブダラ(サウジアラビア)による新作展


会期: 2017年7月1日(土)- 7月17日(月・祝)
時間: 11:00 - 20:00 *入場無料/会期中無休
会場: 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(渋谷ヒカリエ8F)
オープニング・レセプション:6月30日(金)18:00 - 20:00
アーティスト・トーク:7月8日(土)14:00 - 16:00(13:30開場)@渋谷ヒカリエ8F COURT *要予約
(詳細はこちら)


The BAR Vol.10

The BAR Vol. 10「Shaping Voices, Silent Skies」展チラシ/Designed by Yasutaka Fukuoka
[Top] サラ・アブ アブダラ / 新作のための映像作品よりスティル画像, 2017, Courtesy of the artist
[Bottom] ミティ・ルアンクリタヤー / "Imagining Flood", 2011, Giclée print on archival paper, Courtesy of the artist


展覧会チラシ: Download(PDF / 680KB)



バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、7月1日(土)から7月17日(月・祝)まで「Shaping Voices, Silent Skies」展を8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて開催します。本展は、海外のアーティストを東京に招へいするアーティスト・イン・レジデンス・プログラム(The BAR)の10回目の成果展となり、本年はタイ出身のミティ・ルアンクリタヤーと、サウジアラビア出身のサラ・アブ アブダラが、日本未発表の作品に加え、東京で制作した新作を披露します。

ミティ・ルアンクリタヤーは、バンコクを拠点に創作活動をしています。主に写真やインターネット上のイメージを用いて、タイで近年みられる急激な都市開発による環境の変化、また、そこに集う人々の姿と欲望、喧騒と静寂など、都市が見せるさまざまな表情に着目しています。代表的なシリーズのひとつである《Imagining Flood》(2011)は、バンコクが洪水による被害を受けた日の、暗く静粛な人間不在の都市を切り取ることで、幻想的な都市の異相と自然への畏怖を際立たせています。

近年、シャルジャ・ビエンナーレ11(2013)などの国際展でも注目されるサウジアラビア出身のサラ・アブ アブダラは、絵画的な思考を取り入れながら、映像作品を中心に表現活動を行う若手アーティストです。映像作品《SAUDI AUTOMOBILE》(2012)には、アブ アブダラが、遺棄された車に無言のまま薄いピンクの塗料を施していく姿が映し出されています。「この切望的な行為のみが、私が車を所有できる唯一の方法なのです」と彼女が言うように、作品からは、女性が車を運転することが禁止されている同国の性規範への一つの眼差しが表現されています。

ふたりに共通するのは、グローバル化する都市や社会が作り出す幻想と、そこから取り残されて行く存在に触れながら、衝突ではなく静かな批判制を内包した表現ということでしょう。彼らの作品からは、私たちが生きる社会状況を映しつつも、政治性やジェンダーのステレオタイプに集約されることを意識的に避けようとする態度が見えます。
本展では、日本未発表の作品に加え、ルアンクリタヤーはバンコクにおける都市開発と東京、特に開発が進む渋谷の現在の姿を重ね合わせ、その裏に潜む環境汚染への危惧感にも言及します。アブ アブダラは、彼女がサウジアラビアで見ていた日本のアニメーションや漫画から構想した新作を発表します。3ヶ月の滞在で、ふたりが都市の囁きをどのように掬い取るのか、新作にご期待ください。


テキスト:堀内奈穂子[AIT/エイト]


2017-5-29

ラウンジ&ミュージックイベント「ミングリアス」


〜 MADで繋がって世界をのぞいてみよう 〜
日時:2017年5月27日(土)18:30-22:00(終了予定)
会場:代官山AITルーム [ MAP ]
*参加無料、予約不要、入退場自由
*イベント当日、会場は混み合う場合がございます。あらかじめご了承ください。



左:過去のミングリアスの様子、右:Frieze New York 2017の外観

AITでは、5月27日(土)18:30から22:00まで、代官山のAITルームにて、ラウンジ・イベント「ミングリアス」を開催します。「ミングリアス」とは、現代アートの学校MADの受講生や修了生をはじめ、アート好きな人々が集まり、ドリンクを片手に交流を楽しむ入場無料のイベントです。 毎回、心地良い音楽やテーマにちなんだドリンクやフードも楽しめます。

AITが2001年から開講している現代アートの学校MAD(Making Art Differentーアートを変えよう、違った角度で見てみよう)では、20-30代の社会人を中心に、さまざまな関心を持った人々が学び、これまでに約2,000人が受講し、アート界に多くの人材を輩出してきました。
これまで不定期で開催していたラウンジ・イベント「ミングリアス」が、今回から2ヶ月に1度の開催にパワーアップしてカムバック。MADをきっかけに知り合った方ともっと話をしてみたい、交流したいというリクエストに応え、積極的な交流の機会を作ります。過去には、MADをきっかけに仲間を募り、新しいプロジェクトやビジネスが生まれています。

今回の「ミングリアス」では、AITスタッフが巡った「ホイットニー・ビエンナーレ」や「Frieze New York」など、NYの最新アート情報をご紹介するほか、国内で話題の展覧会やプロジェクトなどについてミニ・トークを行います。

また、バッカーズ・ファンデーションとAITのレジデンス・プログラム(The BAR vol.10)で日本に滞在しているアーティストのサラ・アブ アブダラ(サウジアラビア生まれ、カティーフ在住)、ミティ・ルアンクリタヤー(タイ生まれ、バンコク在住)も参加予定です。東京に滞在中の彼らのリサーチや、6月30日(金)から行われる展覧会についても紹介します。
そのほか、AITと日本財団が行うプロジェクトで4月に子ども達と共にワークショップを行ったアニメーション作家、ひらのりょうさんと子どもたちとの恊働アニメーション映像の抜粋も紹介します。

MADやAITの活動について質問がある方も、更に交流の輪を広げたい方も、海外のアートシーンを覗いてみたい方も、どうぞお気軽にご来場ください。

2017-5-23

AIT ART TOUR 2017


終了しました
【世界が注目する10年に一度のアートイヤー!】
ドクメンタ14とミュンスター彫刻プロジェクトをめぐる8日間
2017年 7月12日(水)- 7月19日(水)


1)MAD受講生・修了生およびAITハウス・サポートメンバー/学生 399,000円(税込)
2)一般 414,000円(税込)

最小催行人員: 10名 (定員:15名前後)
*以下の費用が別途、事前のお支払いとなります。(お一人様)
・燃油サーチャージ 20,600円(4/1現在・目安)/成田空港利用料 2,670円(旅客保安サービス料込み)/ 出国税など 13,900円(概算)




左上:Documenta13外観、右上:ミュンスター彫刻プロジェクト, Jorge Pardo, Pier, 1997
左下:ドイツビール、右下:インゼルホンブロイッヒ美術館(外観)


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早期「お問合せ」割引!
このツアーに興味がある方。まずは5月9日(火)までお問い合わせください! 実際にツアーに参加するかは別として、お名前と生年月日を預からせていただいた方、 全員の参加費を1万円割引いたします。まずはお電話かメールで、ワイルドナビゲーションまでご連絡ください!
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AITでは、この夏、ドクメンタ14とミュンスター彫刻プロジェクトを訪れるツアーを企画しました。AITの大隈理恵と、ドイツ在住のキュレーター前岡義人氏の2名でナビゲートいたします。

「ドクメンタ」は、1955年にドイツ・カッセルで始まった5年に一度開催される現代アートの大型国際展で、最先端の現代アートが発信され、世界最大の国際展のひとつとして注目されています。今回は、アーティスティックディレクターに、クンストハレ・バーゼルのディレクター兼チーフキュレーターのアダム・シムジックを迎え、「アテネから学ぶ - Learning from Athens -」をテーマに、カッセルとギリシャ・アテネの二都市で開催。難民問題や経済問題などヨーロッパが抱える問題を考えるうえでアテネを重要な都市として捉え、美術館や図書館、美術館などの公共施設にて、160 組以上のアーティストによる展覧会やパフォーマンスが開催されます。

一方、10年に一度開催される「ミュンスター彫刻プロジェクト」は今年で5回目。ミュンスターの市街地や公園など町全体が展示会場になり、現在までに36以上の彫刻が市のコレクションとして点在します。街を歩き、キュレーターや市民との対話を繰り返しながら作品制作から展示まで行う本展は、35組のアーティストを招聘しています。

ドクメンタとミュンスター彫刻プロジェクトが同時に見られるのは、10年に一度のみです。
本ツアーでは、世界の政治や社会、芸術の変化を学ぶドクメンタと、のびのびと街歩きを楽しめるミュンスターを同時に訪れることで、2つの展覧会を比較しながら頭と体でアートを体験します。

ツアーの最後に訪れるデュッセルドルフでは、メディア・アートを中心にコレクションしているプライベート美術館「ジュリア・ストシェック・コレクション」や、広大な敷地でアートと自然の新たな関係が見られる「インゼルホンブロイッヒ美術館」、安藤忠雄が設計した「ランゲン美術館」を訪問予定です。さらに、AITが企画・運営事務局を務める「日産アートアワード」の2013年のファイナリストであり、デュッセルドルフを拠点に活動するアーティストの増山裕之氏のスタジオも訪問します。

10年に一度だけとなるアートの祭典を一緒に巡り、世界のいまを眺めてみませんか。みなさまのご参加をお待ちしております。
なお、オプションとして、ドクメンタのもうひとつの会場都市であるアテネや、100年以上の歴史を刻む国際展「第57回ヴェネチア・ビエンナーレ」の訪問も可能ですので、ご希望の方は早めにご相談ください。

2017-4-20

アーティスト・プラクティス 2017

プロのアーティストを育成するプログラム

左:「アーティスト・プラクティス2016」チュータリングの様子 右:修了展「ゆるんだ遠近法」展示風景

近い将来、独自の制作体系を構築しながら自立的に活動をし、美術館や国際展などにおいて作品を発表してゆくアーティストの育成を目的とした10ヶ月にわたるプログラムです。すでにアーティストやキュレーターとして活動している講師や仲間のアーティストたちとの議論をつうじて、制作動機やコンセプトの組み立て、作品の強化法、展示空間への展開のしかた、また知的・人的ネットワークの形成などについてのセミナーを10回、そしてアートを異分野との関わりや社会状況との関係において考えるレクチャーを全7回受講することができます。その他、アートの現場で活動する人々の声に触れるフィールド・トリップやキュレーターやアーティストとのチュートリアルもプログラム化されています。最終的に、都内のアートスペースでの作品発表(2018年1月下旬予定/以下、修了展)を目的とします。本プログラムは、少人数制のため、選考があります。(書類審査・インタビューあり)

[ ポイント ]
・ 少人数の実践型プログラム。
・ アーティストの支援組織アーティスツ・ギルドの森弘治氏(美術家)、小泉明郎氏(美術家)、森田浩彰(美術家)そして、アートトの小澤慶介(キュレーター)が、講師としてプログラムをリードします。
・ 講師のほか、フェロー・アーティストが、受講生とともに議論や現場での展覧会制作に伴走します。
・ 講師やフェロー・アーティスト以外のキュレーターや美術家、ギャラリストなど、プロフェッショナルに出会う機会づくりをサポートするチュートリアル(1回1時間3回まで)があります。

2017年度のチューター:近藤健一(森美術館キュレーター)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、山峰潤也(水戸芸術館現代美術ギャラリー学芸員)、能勢陽子(豊田市美術館キュレーター)、ロジャー・マクドナルド(AIT)、アーティスツ・ギルドの美術家ほか

・ スカラシップ制(全額あるいは一部免除)
・ 同時代の社会的課題やそれに対する研究を共有する一連のレクチャーにも参加できます。
・ 2018年1月下旬に、都内のアートスペースにての受講生による修了展を開催します。

[ 概要 ]
開講日程:2017年5月末〜2018年2月
開講場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F
講 師:森弘治(美術家)、小泉明郎(美術家)、森田浩彰(美術家)、小澤慶介(キュレーター)ほか
対 象:個展グループ展を問わず、これまでに現代アートの領域で展覧会を行ったことがある方
定 員:6名
主 催:文化庁、 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
制 作:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協 力:アーティスツ・ギルド、アートト



 文化庁委託事業「平成28年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業


[ 説明会 ]
「アーティスト・プラクティス2017」講師の小澤慶介が、プログラム全体の内容や受講方法について説明し、みなさんの疑問や質問にお答えします。また、当日、説明会にご参加の方には前年度の「アーティスト・プラクティス2016」修了展のカタログをプレゼントいたします。
*会場は、アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)となります。代官山エイトルームではございませんので、お間違いのないようお気をつけください。


日程:2017年4月27日(木)19:30〜20:30
場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
定員:20名(定員に達し次第締め切ります。)
申し込み方法:件名を「4月27日 説明会参加希望」とし、「1.氏名(ふりがな)、2.携帯番号」をartistpractice@a-i-t.netまで、お送りください。折り返し、申込受付のメールをお送りします。(@を半角にして、お使いください)


[ お申し込み方法 ]
応募要項を、以下よりダウンロードし、必要事項をご記入の上、ポートフォリオ(A4/10枚まで)をPDFデータにし、artistpractice@a-i-t.netまでメールでお送りください。

 

* 応募書類の受付はメールで行います。郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
* 書類審査とインタビューによる選考の上、受講生が決定されます。

 

[ 締め切り ]
2017年5月9日(火)23:59(日本時間)必着 *郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。

[ 受講料 ]
86,400円(税込)

* 本プログラムは、文化庁との協働事業により、上記の受講料となっています。
* 受講者は、書類審査とインタビューの結果によって選考されます。
* 受講料には、外部のキュレーターやアーティストとのチュートリアル、修了展制作費(会場費、会場運営費、広報印刷費など)が含まれます。
* 受講料には、作品の材料費、制作費は、含まれません。


[ お申込後のスケジュール ]
締切日:         5月9日(火)23:59(日本時間)必着
書類選考結果通知:    5月中旬予定
インタビュー:      5月19日(金)予定
インタビュー選考結果通知:5月23日(火)予定
開講期間:        2017年5月28日(金)-2018年2月中旬予定
修了展:         2018年1月下旬予定

2017-4-13

AIT ARTIST TALK #70 「未来の身体を想像すること」

>>> English

AIT ARTIST TALK #70 「未来の身体を想像すること」
〜オランダよりアーティストのローリー・ピルグリムを招いて〜
日程:2017年3月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 日英逐次通訳あり

AIT ARTIST TALK #70
"FUTURE BODY TALK"
Artist Talk by Dutch artist Rory Pilgrim
Date: Friday, March 17, 2017
Time: 19:00-21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admissions with 1 drink / Booking required / Consecutive translation available



Top and bottom left: Sacred Repository N.3: THE OPEN SKY HD Film, 2016
Bottom right: Affection is the Best Protection Performance Land Art Live, Flevoland, NL 2015





「未来の身体を想像すること」

AITでは、3月17日(金)19:00より、オランダで活動を行うアーティストのローリー・ピルグリムによるトークを開催いたします。ピルグリムは、モンドリアン財団の助成により、1月から3月31日まで東京に滞在しています。

ソーシャリー・エンゲージド・アートやフェミニストのアート表現に影響を受けたピルグリムは、学校や教会、アートフェア、公共の場、そしてテレビなどで多様な人々と恊働し、人々が声をあげるための言語の必要性と、その過程や失敗を考察する作品を制作しています。インターネットが台頭する時代において、画面の向こう側にいる人々がどのように個々に、または共同体として声をあげることが出来るのかを模索し、人々が集うための方法の一つとして作曲を用い、アクションを促し、集合的な経験をつくり出しています。

彼の代表的な作品には、アムステルダム市立美術館の再オープンの際に、十代の若者と共に、彼らの世代の声を賛美歌として美術館へ届ける一連のスピーチを作り、振り付けをしたパフォーマンスがあります。2013年から16年まで制作された「聖なる宝庫(Sacred Repositories)」という三部作の映像作品では、世代間の対話から言葉の発見と奪還を目指し、言語がなおも急進的な媒介となり得るかについて探求しました。

当日は、ピルグリムが言語、身体、そしてテクノロジーを考察するパフォーマティヴなトークを行います。これまでの作品を紹介しながら、言語と身体の関係性を考える簡単なエクササイズを織り交ぜながら進行します。また、重大な局面を迎える世界的な政治状況の中で、いかに声や身体がアクションの場となり得るかを探る近年の作品、「抹消(Erasure)」にも繋がる、日本で行ったリサーチについても説明します。

ピルグリムのトークを通して、みなさんも身体の声に耳を傾けてみませんか。

みなさんのお越しをお待ちしています。

2017-2-28

第9回恵比寿映像祭「マルチプルな未来」を巡るガイドツアー開催!



1. AITスタッフと映像祭スタッフが会場をご案内します!
「第9回恵比寿映像祭 マルチプルな未来」を巡るガイドツアー開催
期間:2017年2月11日(土・祝)- 2月26日(日)※会期中8回(うち2回は英語ツアー)
時間:11:00 - 12:30 (2/18, 26) / 11:00 - 12:00 (2/19) / 19:00 - 20:00 (2/16, 22, 23) / 13:00 - 13:30 (2/11, 25)
会場:第9回恵比寿映像祭会場 ※詳細は各ガイドツアー概要をご参照ください

参加無料、各回先着15名

左:ガブリエラ・マンガノ&シルヴァーナ・マンガノ《そこはそこにない》2015年/シングルチャンネル・ヴィデオ/作家蔵/協力:アナ・シュワルツ・ギャラリー、メルボルン
右:ズビグ・リプチンスキー《タンゴ》1980年/シングルチャンネル・ヴィデオ(オリジナル:35ミリフィルム)/作家蔵



いよいよ2017年2月10日(金)より15日間開催される、「第9回恵比寿映像祭」。年に一度、恵比寿の街を舞台に展示や上映、ライブ、シンポジウム、レクチャーなどを複合的に行うアートと映像のフェスティヴァル。第9回は「マルチプルな未来 Multiple Future」をテーマに、今、刻々と形作られている「未来」について、複製技術をともなう映像の特質と、メディア技術の発達とともに個人や社会にもたらされている変化が指し示すものについて考えます。

東京都写真美術館のリニューアルオープン後、初となる今回の恵比寿映像祭。メイン会場が再び美術館に戻ってきます。参加アーティストは、著名な美術作品の人物、ポップスターや女優に自ら扮した多くの作品で「オリジナリティの神話」へ揺さぶりをかける森村泰昌、一卵性双生児の姉妹で恊働し、身体性や動き、風景を考察する映像インスタレーションを国内外で発表しているガブリエラ・マンガノ&シルヴァーナ・マンガノ、2009年のヴェネツィア・ビエンナーレのオランダ館代表にも選ばれた、写真や映像インスタレーション作品にいくつもの視点を内在させるフィオナ・タンによる初の長編映画や、国内外の気鋭のアーティストによる作品が多数展示・上映されます。そのほか、初日から3日間は、笹本晃や、前述のガブリエラ・マンガノ&シルヴァーナ・マンガノのディレクションによるパフォーマンスも行われます。上映プログラムでは、ナンシー・D・ケイツによる、知識人、著述家、映画製作者、活動家などマルチな領域で活動したスーザン・ソンタグについてのドキュメンタリーがプレミア上映されるほか、映像祭でしか観られない作品も多数上映されます。

映像祭に合わせて、これまで地域連携プログラムで参加してきたAITが、第7回よりガイドツアーを担当。メイン会場の東京都写真美術館を中心に、それぞれの会場の作品や見どころをAITスタッフと映像祭スタッフがご案内します。今回は初めて英語ツアーも開催します。ガイドツアーは、いずれも参加無料ですので、恵比寿映像祭は初めてという方や、もう少し詳しく解説を聞いてみたいという方はぜひご参加ください。

[ガイドツアー 参加方法]
・整理券はガイドツアー実施日の午前10時から、東京都写真美術館1F総合受付にて配布。
・開始時間の5分前までに、東京都写真美術館1F総合受付前に集合してください。
 ※集合時間に遅れた場合も、そのまま進行致しますので、予めご了承ください。
 ※終了時は、その場所で解散いたします。
 ※最新情報は映像祭公式ウェブサイトをごください。
 ※ツアー1.2.3は日本語、4は英語で実施いたします。




2017-2- 7

AIT ARTIST TALK #69 「Unknown Arts & Crafts ー 無銘のアートと工芸」

>>> English

AIT ARTIST TALK #69 「Unknown Arts & Crafts」ー無銘のアートと工芸
〜イギリスよりアーティストのエヴァ・マスターマン、ジャクソン・スプラーグを招いて〜

日程:2017年2月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム
*有料(1ドリンク付き)/ 要予約 / 日英逐次通訳あり

AIT ARTIST TALK #69
"Unknown Arts & Crafts"
Artist Talk by British artists, Eva Masterman and Jackson Sprague
followed by a discussion with Roger McDonald [AIT]

Date: Friday, Feburary 17, 2017
Time: 19:00-21:00 (18:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room
*All admissions with 1 drink / Booking required / Consecutive translation available



Left: Jackson Sprague, My hand on your eye, 2017, Plywood, acrylic, Coutesy of Breese Little
Right: Eva Masterman, Used, 2016, Ceramic, Steel, Kiln Props, trolley



「Unknown Arts & Crafts ー 無銘のアートと工芸」

AITでは、2月17日(金)19:00より、ロンドンを活動拠点とする2人のアーティスト、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグによるアーティスト・トークと、AIT副ディレクターのロジャー・マクドナルドを交えたディスカッション・イベントを代官山AITルームにて行います。
現在、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグは、文化庁の助成により、AITとロンドンのカムデン・アーツ・センターとの恊働によるレジデンス・プログラムにて3月まで日本に滞在しています。

カムデン・アーツ・センターとの継続的な恊働で二回目を迎える本レジデンス・プログラムでは、主に現代アートの実践と陶芸の関係性や表現に着目しています。さまざまな議論と意見の交換を通して、今日見られるアートが、多様な表現領域の取り組みを受け入れながらどのように拡張しているのかを考察します。こうしたことに着目する背景には、近年、工芸の分野に改めて注目が集まっていることや、人間の手で作られたものや土、粘土など古来からの素材がもたらす影響と、アートにおける言論から外されてきた歴史的な参照が未だ多く残されていることが挙げられます。

本イベントのタイトル「Unknown Arts & Crafts」は、日本で民藝運動をおこした柳宗悦と、1972年に出版された柳の著作『The Unknown Craftsman』(無銘の工芸家)に由来しています。柳は、イギリスの陶芸家バーナード・リーチと半世紀にも渡って友情を深め、そこでは魅力的な交流が行われました。同じくイギリスでアーツ・アンド・クラフツ運動を主導し、アーティスト・詩人としても活躍したウィリアムス・モリスと評論家ジョン・ラスキンとの間にも、同じように豊かな影響と対話をみることができます。過去に行われたこれらの交流が、今回、カムデン・アーツ・センターと、アートやクラフトに関する恊働的なレジデンス・プログラムを行う契機のひとつとなっています。
当日は、スライドを交えながら、ふたりのこれまでの作品と活動を紹介します。その後、AITの副ディレクターを務めるロジャー・マクドナルドが加わり、アートとクラフトやアートと用の美について、共に生活すること、社会的な機能、手から造られるもの、実在することや時間についてのアイディア、過去の参照項との関連性など、幅広い観点からディスカッションを行います。

また、アートをあらゆる側面からみてみようというこれらの視点は、AITが10年以上に渡って行う現代アートの学校、MAD(Making Art Different)の新しいプログラムのテーマである「Holistic=ホリスティック(全体性、健やかに生きること、ものごとを癒すこと)」にも大きく繋がっています。

みなさんのお越しをお待ちしています。

[概要]
日程:2017年2月17日(金)
時間:19:00 - 21:00 (18:30 開場)
会場:代官山AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8 ツインビル代官山 B-403)
定員:20名(予約制)
参加費:一般1,000円、MAD受講生・修了生、一般学生・ベースメンバー 800円、ハウス/サポートメンバー 無料(すべて1ドリンク付き)
その他:要予約、日英逐次通訳あり
モデレーター:ロジャー・マクドナルド [AIT]
通訳:池田哲
主催:特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]
平成28年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業

[ご予約方法]
タイトルを「AIT ARTIST TALK #69 参加希望」とし、お名前(ふりがな)、ご連絡先を明記したメールをotoiawase@a-i-t.net宛てにお送りください。(@を半角にしてお使いください)



2017-2- 2

映像作品上映会「シネマティック・プリズム」



「第9回恵比寿映像祭」地域連携プログラム
「シネマティック・プリズム」
AIT×TAKANAWA Unlimited 映像作品上映会

日時:2017年2月11日(土・祝) 、18日(土)18:00 - 21:00 (17:30 開場)
会場:代官山AITルーム *入場無料(フード・ドリンクは有料)/ 入退場自由

Partnership event of The Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2017
"Cinematic Prism"
Video screening by AIT×TAKANAWA Unlimited

Date and Time: Saturday, February 11, 18, 2017. 18:00 - 21:00 (17:30 Door open)
Venue: Daikanyama AIT Room *Admission Free (Charges apply for food and drink) / Free re-entry


Image photo from TAKANAWA Unlimited


AITでは、2月11日と18日の2日間に渡り、「第9回恵比寿映像祭」地域連携プログラムの一環として、映像作品上映会「シネマティック・プリズム」を代官山AITルームで開催します。

本上映会では、レジデンス・プログラムを行うAITと、現代アートコレクターが集まり、映像作品のプライベート上映会を行うTAKANAWA Unlimitedが恊働し、美術館での鑑賞スタイルから離れ、映像作品をゆったりと最初から最後まで鑑賞します。また、鑑賞の合間には感想や意見を自由に共有することにより、国内外の気鋭アーティストによる映像作品に新たな魅力を見出そうとするものです。

2月11日は、AITが2007年から現在まで招へいしたアーティストの中から、8カ国8人のアーティストによる映像作品を上映します。レジデンス・プログラムを契機に、日本で新たに養われたアーティストの感性は、移動を越えて多層な表現を生み出しています。これまでの生活環境と経験から脱して思考や視点を屈折させ、作品に投影されるアーティストの実践は、まるでプリズムが通す一筋の光のように捉えられます。
2月18日は、TAKANAWA Unlimitedが紹介する日本人アーティストの映像作品を上映します。アーティストの手から作品が離れ、コレクターが選りすぐる視点や所有という行為を通じて、新たな解釈と発表の場を得た映像作品もまた、プリズムを通り放射状に延びてゆく光としてイメージできます。

自然と人間の関係性を眺める映像作品や、日本で働く外国人労働者の日常を映した作品、国境を越えた愛について語る作品など、扱うテーマや、アーティストの表現と独自の視点は多種多様に異なります。ここでの私たちの鑑賞行為と体験を通じ、上映の間には、感想や意見のほかにも、アーティストや作品の背景を共有しながら、のびやかな光として映像表現がまた新たな方向へと導かれてゆきます。

本上映会は入退場自由ですので、どうぞお気軽にお越しください。

2017-2- 1