メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2018-2020
AITは2003年より、メルセデス・ベンツ日本株式会社が1991年より継続する文化・芸術支援活動「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」プログラムの事務局として、アーティスト・イン・レジデンスの運営を始めとする企画協力をしています。このたび、2018- 2020年度の受賞アーティスト2名が決定しましたのでお知らせします。
また、2018年6月2日-11月4日の期間、ダイムラー・コンテンポラリー(ドイツ・ベルリン)にて、 過去の受賞アーティスト11名による合同展「Visions of Exchange Mercedes-Benz Art Scope Award 2009-2017」を開催します。
この夏、ベルリンに行かれる方は是非お立ち寄りください。
● 「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2018-2020」受賞アーティスト
久門 剛史 (2018年、ドイツ・ベルリンに派遣)
ハリス・エパミノンダ (2019年、東京に招聘)
● 2020年、原美術館にて「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018-2020(仮題)」展を開催予定
「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」は1991年に始まり、27年間継続しているMBJ及びグループ企業による先駆的な文化・芸術支援活動です。本プログラムは、現代美術の有望な若手アーティストの育成と、国際交流を促進することを目的とした滞在プログラム(アーティスト・イン・レジデンス)で、日独間でアーティストを相互に派遣・招聘し、異文化での生活体験、創作活動を通じて交流を図ります。これまでに日本からアーティストを22名海外へ派遣、ドイツからアーティストを10名日本に招聘してきました。異国での滞在を終えたアーティストは、原美術館で開催される展覧会で成果を発表します。また、過去の受賞アーティストの中から招待出品 作家として各回1名を選出しており、2018-2020年度の作家は追って選出予定です。
本件に関するメルセデス・ベンツ日本のプレスリリースはこちら(PDF)
<アーティストの選考について>
ダイムラー社、メルセデス・ベンツ日本、原美術館、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]の4者が、以下を条件に日独アーティストを候補として挙げ、選考会にて 協議の上決定しました。
選考条件
・若手から中堅の、次代の現代美術を担うアーティスト・ アーティスト・イン・レジデンスという異国での滞在経験を積極的に楽しみ、新たな創作に意欲的である、あるいは能力や資質があること
・原美術館という空間を生かした実験的な展示が期待できること
<選考理由>
原美術館副館長/学芸統括 安田篤生氏によるコメント
日本作家・ドイツ作家を1名ずつ選考するにあたり、原美術館で同じ展覧会に出品するということから、両者の照応・対比とともに、作品のクオリティだけでなく、特徴のある原美術館の空間を生かしたインスタレーションを期待できるかどうかもポイントであった。
・久門 剛史について
久門剛史は音や光、動きも取り入れながら劇場的・環境的なインスタレーションを組み立てる作家である。その場所特有の歴史や記憶、日常のささやかな現象の中から作品 を組み立てていく作風の持ち味は、「アジア回廊 現代美術展」(2017)における京都・ 二条城の内部で展開したインスタレーションでも遺憾なく発揮されており、原美術館の持つ空間と歴史を生かした新作を期待できる。
・ハリス・エパミノンダについて
ハリス・エパミノンダはコラージュ(切り貼り、貼り混ぜ)的な手法で空間を作品に創り上げ ていく作家で、やはり原美術館の特色を生かした作品を期待できる。立体やオブジェ、写真や映像も交えて多層的に織り上げられる環境的なインスタレーションには、物語に 結実するかのように見えて鑑賞者を幻惑させる独特の魅力がある。なお、キプロス出身ではあるが現在はベルリンに拠点を持ち、2013年にはドイツの若手アーティストを対象 とした「国立美術館賞」にノミネートされた。
<受賞者プロフィール>
久門 剛史
2007 年京都市立芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻修了。様々な現象や歴史を採取し、 音や光、立体を用いて個々の記憶や物語と再会させる劇場的空間を創出する。近年の主 な展覧会に、個展「MoCA Pavilion Special Project Tsuyoshi Hisakado」(上海当代芸術館、2016 年)、グループ展「アジア回廊」(京都二条城、2017 年)、「あいちトリエンナーレ 2016」がある。 世界各国で上演されたチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』(2016)の舞台美術と音を 担当するなど活躍の場を広げている。主な賞歴に「日産アートアワード 2015」ファイナリスト/オーディエンス賞、VOCA 賞(2016 年)、平成 28 年度京都市新人賞。平成 28 年度文化庁 「東アジア文化交流使」、平成 27 年度京都市芸術文化特別奨励者。
左:「Gale」 2017年/右「Pause」 2016年
ハリス・エパミノンダ
1980年キプロスのニコシア出身。ベルリン在住。イギリス・ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートとキングストン大学で学ぶ。2013年、ドイツ「国立美術館賞」の最終候補作家4名の ひとりにノミネート。欧米各国で多数の展覧会に参加し、2007年キプロス代表としてヴェネチア・ビエンナーレに出品したほか、ベルリンビエンナーレ(2008)など国際展でもたびたび発表している。昨年(2017)はドイツ・カッセルの大型国際展「ドクメンタ14」に出品。日本では森美術館のグループ展「万華鏡の視覚」(2009)に出品。
Photo @Javier Folkenb
左:「VOL.XXIII」 2018年/右「Untitled#04a/w」 2016年
Visions of Exchange Mercedes-Benz Art Scope Award 2009-2017
会期 :2018年6月2日-11月4日
会場 :ダイムラー・コンテンポラリー(ドイツ・ベルリン)
出展アーティスト:
日本 :泉太郎、佐藤時啓、今村遼佑、大野智史、小泉明郎、佐伯洋江
ドイツ:メンヤ・ステヴェンソン、リタ・ヘンゼン、ベネディクト・パーテンハイマー、エヴァ・ベレンデス、ヤン・シャレルマン
ダイムラー・コンテンポラリーのウェブサイトはこちら
「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」とは?
1991年に始まり、24年間継続しているMBJ及びグループ企業による先駆的な文化・芸術支援活動で、2003年からは原美術館とのパートナーシップにより実施されています。本プログラムは、現代美術の有望な若手アーティストの育成と、国際交流を促進することを目的とした滞在プログラム(アーティスト・イン・レジデンス プログラム)です。日独間でアーティストを相互に派遣・招聘し、異文化での生活体験、創作活動を通じて交流を図ります。これまでに日本人アーティストを21名海外へ派遣、ドイツ人アーティストを9名日本に招聘してきました。また、異国での滞在を終えたアーティストが成果を発表する場として原美術館での展覧会を開催しています。
2018-5-31