English
Home  >  Future / Archives  >  アーティスト・プラクティス 2017

アーティスト・プラクティス 2017

プロのアーティストを育成するプログラム

左:「アーティスト・プラクティス2016」チュータリングの様子 右:修了展「ゆるんだ遠近法」展示風景

近い将来、独自の制作体系を構築しながら自立的に活動をし、美術館や国際展などにおいて作品を発表してゆくアーティストの育成を目的とした10ヶ月にわたるプログラムです。すでにアーティストやキュレーターとして活動している講師や仲間のアーティストたちとの議論をつうじて、制作動機やコンセプトの組み立て、作品の強化法、展示空間への展開のしかた、また知的・人的ネットワークの形成などについてのセミナーを10回、そしてアートを異分野との関わりや社会状況との関係において考えるレクチャーを全7回受講することができます。その他、アートの現場で活動する人々の声に触れるフィールド・トリップやキュレーターやアーティストとのチュートリアルもプログラム化されています。最終的に、都内のアートスペースでの作品発表(2018年1月下旬予定/以下、修了展)を目的とします。本プログラムは、少人数制のため、選考があります。(書類審査・インタビューあり)

[ ポイント ]
・ 少人数の実践型プログラム。
・ アーティストの支援組織アーティスツ・ギルドの森弘治氏(美術家)、小泉明郎氏(美術家)、森田浩彰(美術家)そして、アートトの小澤慶介(キュレーター)が、講師としてプログラムをリードします。
・ 講師のほか、フェロー・アーティストが、受講生とともに議論や現場での展覧会制作に伴走します。
・ 講師やフェロー・アーティスト以外のキュレーターや美術家、ギャラリストなど、プロフェッショナルに出会う機会づくりをサポートするチュートリアル(1回1時間3回まで)があります。

2017年度のチューター:近藤健一(森美術館キュレーター)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、山峰潤也(水戸芸術館現代美術ギャラリー学芸員)、能勢陽子(豊田市美術館キュレーター)、ロジャー・マクドナルド(AIT)、アーティスツ・ギルドの美術家ほか

・ スカラシップ制(全額あるいは一部免除)
・ 同時代の社会的課題やそれに対する研究を共有する一連のレクチャーにも参加できます。
・ 2018年1月下旬に、都内のアートスペースにての受講生による修了展を開催します。

[ 概要 ]
開講日程:2017年5月末〜2018年2月
開講場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F
講 師:森弘治(美術家)、小泉明郎(美術家)、森田浩彰(美術家)、小澤慶介(キュレーター)ほか
対 象:個展グループ展を問わず、これまでに現代アートの領域で展覧会を行ったことがある方
定 員:6名
主 催:文化庁、 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
制 作:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
協 力:アーティスツ・ギルド、アートト



 文化庁委託事業「平成28年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業


[ 説明会 ]
「アーティスト・プラクティス2017」講師の小澤慶介が、プログラム全体の内容や受講方法について説明し、みなさんの疑問や質問にお答えします。また、当日、説明会にご参加の方には前年度の「アーティスト・プラクティス2016」修了展のカタログをプレゼントいたします。
*会場は、アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)となります。代官山エイトルームではございませんので、お間違いのないようお気をつけください。


日程:2017年4月27日(木)19:30〜20:30
場所:アートト(東京都江東区高橋7-5 酒井ビル2F)
定員:20名(定員に達し次第締め切ります。)
申し込み方法:件名を「4月27日 説明会参加希望」とし、「1.氏名(ふりがな)、2.携帯番号」をartistpractice@a-i-t.netまで、お送りください。折り返し、申込受付のメールをお送りします。(@を半角にして、お使いください)


[ お申し込み方法 ]
応募要項を、以下よりダウンロードし、必要事項をご記入の上、ポートフォリオ(A4/10枚まで)をPDFデータにし、artistpractice@a-i-t.netまでメールでお送りください。

 

* 応募書類の受付はメールで行います。郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。
* 書類審査とインタビューによる選考の上、受講生が決定されます。

 

[ 締め切り ]
2017年5月9日(火)23:59(日本時間)必着 *郵送は受付けておりませんので、ご了承ください。

[ 受講料 ]
86,400円(税込)

* 本プログラムは、文化庁との協働事業により、上記の受講料となっています。
* 受講者は、書類審査とインタビューの結果によって選考されます。
* 受講料には、外部のキュレーターやアーティストとのチュートリアル、修了展制作費(会場費、会場運営費、広報印刷費など)が含まれます。
* 受講料には、作品の材料費、制作費は、含まれません。


[ お申込後のスケジュール ]
締切日:         5月9日(火)23:59(日本時間)必着
書類選考結果通知:    5月中旬予定
インタビュー:      5月19日(金)予定
インタビュー選考結果通知:5月23日(火)予定
開講期間:        2017年5月28日(金)-2018年2月中旬予定
修了展:         2018年1月下旬予定


[ 受講内容 ]
アーティスト・プラクティス 全10回(すべて13:30-17:30)

1. プレゼンテーション 5月28日(日)


これまでの活動や作品について、各自プレゼンテーションをします。考えていることと作品の関係に留意しながら、平易なことばで伝えます。



2. 考えを深める 7月1日(土)

作品を作るにあたり考えていることを客観的に把握します。またグループで話し合うことにより、気づいていなかったことにも意識を向けます。



3. 調査 7月2日(日)

考えていることは実際にどのような形で現れているのかを探り、またそれを確かなものにするためにさらに調べることを試みます。



4. 調査の報告 8月6日(日)

調査を経てわかったことと自らの考えの変化について話し合い、作品化への新たなる道を探ります。



5. 新作のプロトタイプのプレゼンテーション 9月16日(土)

2018年1月に発表する作品のプロトタイプを制作し、発表します。指導者から展開の可能性について助言を受けます。



6. 展開案のプレゼンテーション 10月21日(土)

指導者や外部チューターからの助言を受けて、変更した作品案を発表し、考えていることと形式や素材の選択が一貫しているか見極めます。



7. 具体的な展示へ向けて 11月18日(土)

展覧会会場の下見を経て、作品をどのように展示すれば自らの考えが伝えられるかについて、話し合います。



8. 展示案のプレゼンテーション 12月17日(日)

展覧会会場の図面に書きこみ、動線や照明、他の作品との距離感などを想定しながら、作品案を修正します。



9. 展示設営に向けて 1月6日(土)

最終的な作品展示案や展示設営作業の段取り、注意点について確認します。



10. 展覧会のフィードバック 未定 会期後 

展示設営の経験や講評などを経て、気づいたことやさらに取り組むべきことなどを発表し、話し合います。




レクチャー 全7回(金曜日は19:15-21:15、日曜日は10:00-12:00)

1. 世界を読み解く方法論 6月16日(金)

近私たちが生きる近代とは、どのような時代なのでしょうか。国民と国家、資本主義、成長、私たちが無意識のうちに前提としている考えを眺め返すことで、近代の特異性を浮かび上がらせます。



2. 日本の戦後と芸術祭 6月30日(金)

もはや戦後日本の社会構造に組み込まれて増加しているように見える芸術祭。構造的に生み出される芸術祭は、それでも何か特異なものである可能性はあるのでしょうか?



3. 身体と体のあいだ 7月7日(金)

身体と体は、同じものを指し示すことがあるけれども、その眼差しのあり方が違うといってもいいでしょう。その違いを心に留めながら、近代をとおして変容してきたカラダを考えます。



4. 「他者」について 7月21日(金)

1990年代の幕開け、多文化主義の到来とともにさかんに取り上げられるようになった「他者」ですが、「他者」とは一体誰か、その考えが今どのように変わってきているかを考えます。



5. 記憶について 8月20日(日)

時が経てばそれだけ、また眼差しを向ける人がいればいるだけ、出来事にまつわる記憶は複雑になってきます。芸術家はそうした記憶に対してどのように向き合っているのかを考えます。



6. 空間についてー空間に対する基礎的な考え 9月29日(金)

あらゆるアートは、空間を前提にしているといってもいいですが、では空間とは一体どのように定義できるでしょうか。



7. 空間についてー今、世界はどのようになりつつある? 10月20日(金)

人間が作り上げた文明が綻びを見せているとき、世界はどのようなものになりつつあるのでしょうか。それを捉える視座を紹介し、話し合います。






[ 講師 ]



小澤慶介(アートト代表、キュレーター):1971年生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ現代美術理論修士課程修了。NPO法人AIT(エイト)に15年在籍した後、2016年6月、清澄白河にアートスクールとヨガクラスを開くアートトを開設した。 近年では、十和田市現代美術館で開催された「十和田奥入瀬芸術祭 SURVIVE この惑星の時間旅行へ」(2013)や「そらいろユートピア」展(2014)などのキュレーターを、また森美術館の「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(2016)では共同キュレーターを、さらに「富士の山ビエンナーレ2016 フジヤマ・タイムマシン」(静岡市、富士市、富士宮市、2016)ではディレクターを務めた。 現在、法政大学非常勤講師、Asian Art Award supported by Warehouse TERRADAディレクターを兼務している。



森弘治(アーティスト):映像作品を中心に現代美術の分野で活動。主な展覧会に、第3回恵比寿映像祭、越後妻有アートトリエンナーレ2009、第52 回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際企画展、原美術館「アートスコープ2005/2006」、ジュ・ド・ポーム国立ギャラリー「The Burlesque Contemporains」(フランス)など国内外で作品を発表。2016年には東京都現代美術館の「MOTアニュアル2016:キセイノセイキ」展のディレクションとキュレーションを主導する。また、2009年にアーティストによる芸術支援システム「ARTISTS` GUILD」を設立。東京造形大学、東京芸術大学などの大学でも講師を務め、現在はAITで教えている他、アートの実践教育のプログラム開発にも携わる。2016年3月より一年間マサチューセッツ工科大学(MIT)にて客員研究員として研究に従事。



小泉明郎(アーティスト):国際基督教大学卒業後、ロンドンのチェルシー・カレッジにて映像を学ぶ。2005年よりオランダ・アムステルダムのライクスアカデミーにて二年間制作活動を行う。主な個展に「Project Series 99: Meiro Koizumi」ニューヨーク近代美術館(2013年)、「Stories of a Beautiful Country」Centro de Arte Caja de Burgos(CAB)(ブルゴス、スペイン、2012年)、「MAM Project 009:小泉明郎」森美術館(東京、2009年)など。主なグループ展に「フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2012」ピンチュック・アートセンター(キエフ、2012年)、「インビジブル・メモリーズ」展 原美術館(東京、2011年)、「リバプール・ビエンナーレ2010」(2010年)、「メディア・シティ・ソウル2010」(2010年)、「第一回あいちトリエンナーレ」(2010年)など。



森田浩彰(アーティスト):1973年福井県生まれ。1998年Bゼミスクール修了。2002年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジMAファインアート修了。生活の中で当たり前に存在しているが特に意識されない物事に注意を向け、それらの中に折り重なっているコンテクストや関係性を可視化させる作品を制作している。近年の主な展覧会に2017年「Triple Point of Matter」Fondation Fiminco、2016年「Something to Something else」青山|目黒、2015年ジョン・ササキとのコラボレーション「かわのまち」NICA、2013年「Mono no aware: The Beauty of Things」エルミタージュ美術館 、2012年「MOTアニュアル2012: 風が吹けば桶屋が儲かる」東京都現代美術館などがある。



杉本ひと美(アート・コーディネーター):慶應義塾大学環境情報学部卒業後、外資企業に勤務しながらNPO法人AIT(エイト)にてキュレーションについて学ぶ。これまでに、「曽根裕展 Perfect Moment」(東京オペラシティアートギャラリー、2011年)でのアシスタントキュレーター、トーキョーワンダーサイトでの勤務、「HERB & DOROTHY 50X50 South East Asia Premier」(シンガポール、2014年)でのコーディネーターなど、さまざまな現代アートに関する仕事に携わっている。



Artists' Guildとは?
Artists' Guild(アーティスツ・ギルド)は、アーティストによる、アーティストのための会員制芸術支援システムです。会員はプロフェッショナルに活動している?アーティストによって構成されます。映像を扱うアーティストに必要不可欠な「機材」を活動の中心に据え、機材共有システムを構築します。このシステムを?個々のアーティストが利用することによって、制作・展示の現場での経済負担を軽減し表現活動の幅を広げ、よりクオリティーの高い芸術作品を1つでも多く社会に産み落とすことを目的とします。新しい芸術支援の可能性をアーティスト自ら模索する社会実験の一形態です。


アートトとは?
「こころ」と「からだ」をやわらかく。
2016年6月に清澄白河ではじまった、現代アートのスクールとヨガクラスです。 現代アートには、この時代をのびのびと生きるためのヒントが、 ヨガには、呼吸をととのえ体に向き合うためのヒントがあります。 心と体を解放しながら、自由に生きる知恵や技について学び、実践します。



[ 授業・チュータリングの様子 ]
MAD2015 APMAD2015 APMAD2015 AP



[ 過去開催の修了展 ]

MAD2016 AP

「アーティスト・プラクティス 2016」修了展
ゆるんだ遠近法
会期:2017年1月14日(土)-2月5日(日)
会場:gallery COEXIST-TOKYO(東京都江東区木場3-18-17)


MAD2015 AP

MAD2015「アーティスト・プラクティス」修了展
「感性の法則」展
会期:2016年1月29日(金)-2月14日(日)
会場:マキイマサルファインアーツ(東京都台東区浅草橋1-7-7)


MAD2013 AP

MAD2013「アーティスト・プラクティス」修了展
「クウキのヨメナイ、ワタシたち」展
会期:2014年2月15日(土)-3月9日(日)
会場:CAPSULE / SUNDAY


2017-4-13