ソニア・クーラナ
AIT ARTIST TALK #47 「身体表現とビデオ・インスタレーションについて」
インド出身アーティスト ソニア・クーラナを迎えて
スピーカー:ソニア・クーラナ
日時:2010年8月26日(木)19:00−21:00
場所:代官山AITルーム
主催:特定非営利活動法人アーツイニシアティヴ トウキョウ[AIT/エイト]
[作家略歴]
1968年インド生まれ。王立芸術院大学院(ロンドン)、およびフィルム・
アンド・テレビジョン・インスティトュート・オブ・インディア(プネー)で短期コースを修了。
ライクス・アカデミー(アムステルダム)のリサーチ・レジデンス・プログラムにてオランダに
2年間滞在。近年、「ローズ・ミュージアム」(ボストン)、「ローマ・フィルム・フェスティバル」
(ローマ)、「アラリオ・ギャラリー」(北京)などで展覧会やパフォーマンスを行うなど、幅広く
活動している。
AITでは、ニューデリーを拠点に活動するソニア・クーラナ(1968年生まれ、インド) を
迎え、これまでの活動や「あいちトリエンナーレ」に出品している作品などについて
話を聞きます。ク—ラナは、ロンドンの王立芸術院大学院を1999年に修了したあと、ベ
ルン市立美術館やニューヨークのブルックリン美術館などでの展覧会や、第7回光州ビ
エンナーレなどの国際展、またニューヨーク近代美術館などでのシンポジウムに多数
参加しています。
ク—ラナは、作品に対して「私の制作は、ビデオや写真、パフォーマンス、ドローイン
グ、インスタレーション、また最近では公共の空間における作品など、さまざまな領
域にわたっている。」といいます。そうした彼女の最近の作品は、自らの身体を使っ
てパフォーマンスを行ったり、またそれをビデオや写真にし、肉体の経験の詩的な感
覚をとおして世界に存在することを探る試みとみることができるでしょう。それらの
作品は、視覚的にシンプルで決して饒舌ではありませんが、彼女の肉体は詩情豊かに
少しずつ語りを紡ぎ、その肉体が向き合う「社会」という政治的な空間がどのような
ものであるかを明かしてゆきます。肉体が、ごろんと公共空間に横たわっているとい
うのは、不思議な光景に違いありません。しかし、何がその光景を不思議にしている
のでしょうか。肉体そのもの?公共空間の性質?それとも肉体と公共空間の組み合わせ
でしょうか?ク—ラナは、肉体と空間の関係をずらすことによって、それぞれの意味を
明らかにしているといってもいいかもしれません。
パフォーマンスのみならず、映像、写真、インスタレーションなど、領域を横断する
表現や、社会空間と女性の肉体などの関係を探るフェミニズムなどの学問に関心を寄
せるアーティストやキュレーター、またアートファンのみなさん、ぜひこの機会に
ク—ラナの思考と実践に触れてみてください。皆さまのご参加をお待ちしています。
2010-8-26