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「ART IN THE OFFICE 2020」選出アーティスト発表


マネックスグループ株式会社主催 アーティスト公募プログラム
「ART IN THE OFFICE 2020」選出アーティストは宮内裕賀氏に決定!

AIO2020AIO2020


『イカトカイ』2019 キャンバス、ジェッソ、イカ墨、コウイカ甲、ケンサキイカ水晶体、アラビアゴム、油彩
左:表面 右:裏面
撮影:木奥惠三
※参考作品イメージは、宮内氏の完成作品のイメージとして掲載するものです。受賞作品は2020年8月以降に展示予定です。
※無断転載・複製を禁じます。



このたび、AITが運営協力を行っている「ART IN THE OFFICE 2020」[企画・主催:マネックスグループ株式会社(以下「マネックス」)]の受賞者が選出されましたので、お知らせいたします。2020年度は、86点の応募作品案の中から、、イカを素材に用いてイカを描くユニークさと、独自の生命観をオフィス内に展開させるスケール観を評価され、宮内裕賀氏が選出されました。
多数のご応募、誠にありがとうございました。なお、本年のART IN THE OFFICEは新型コロナウィルス感染症の対策のため、審査会からプログラムの実施までをオンラインまたはリモートで開催することに致しました。この変更に対して、ご応募くださった皆様のご理解とご協力に感謝いたします。

(1) 概要および目的
本プログラムは、マネックスグループの社員啓蒙活動として実施しております。プログラムへの応募条件にオフィスでの滞在制作を入れるなど、制作期間中のアーティストと社員との交流により社員がデザインや金融以外の分野に従事する方の考え方に触れ、啓発を受けること、並びに現代アートの分野で活躍する新進アーティストの応援を目的として 、マネックス証券が企画・主催しているもので、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]が運営協力しています。 公募により選出された1名(1組)のアーティストに対し、マネックス社内のプレスルーム(会議室)を応募作品の発表の場として約1年間提供します。選出されたアーティストには50万円の賞金を贈呈、10万円の制作費が支払われます。また、本プログラムによる作品は、マネックスグループ株式会社のアニュアルレポートなどに掲載される予定です。

(2) 募集内容
対象:現代アートの分野で活動するアーティスト
作品:プレスルーム(会議室)の壁に展示する平面作品案(油彩、水彩、写真など)
募集期間:2020年1月30日(火)〜2020年3月25日(水)(終了)

(3) 審査員(50音順、敬称略)
太田 雄貴(国際フェンシング連盟 副会長/公益社団法人 日本フェンシング協会 会長/公益財団法人 日本オリンピック委員 オリンピック・ムーブメント専門部会 副部長))
塩見 有子(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]理事長)
成相 肇(東京ステーションギャラリー学芸員)
松本 大(マネックスグループ株式会社 代表執行役社長CEO)
結城 加代子(KAYOKOYUKIオーナーディレクター)



選出されたアーティストについて


<宮内裕賀(みやうち ゆか)氏 プロフィール>

AIO2020_Miyauchi

1985年、鹿児島県生まれ。タラデザイン専門学校卒業。
2004年頃に近所のおじさんが釣ってきたイカの美しさと美味しさに魅了され、 以来ひたすらイカの絵を描き続けている。第22回岡本太郎現代芸術賞入選、TOKYO MIDTOWN AWARD 2019 アートコンペ準グランプリ受賞。 これまでの展示に「全国いか加工業協同組合創立50周年記念式典」ホテルオークラ東京(2015、東京)、「国際頭足類諮問委員会函館会議」函館国際ホテル(2015年、北海道)、「Cephalopod Interface in Crete」ギリシャ・クレタ水族館(2017年、ギリシャ)、個展「イカスイム」レトロフトMuseo(2018、鹿児島)、「Street Museum」東京ミッドタウン(2020年、東京)などがある。
 http://www.miyauchiyuka.com



<宮内 裕賀氏コメントおよび作品コンセプト>
作品タイトル:「イカリング」
私はイカを好きでイカの魅力を多くの人に伝えたくて描いてきましたが、今は描くことでイカに生かされていると感じています。
イカ墨、イカ甲、イカの眼の水晶体などを画材に加工し、イカそのものでイカを描く作品をつくります。生き物の命をいただき芸術にいかします。
死後は物質にもどり大きな生の中にかえって次の命になると考えます。
陸に揚げられ1杯の鮮魚になる前、コンビニに置かれた1枚のスルメになる前は、海でうまれて1匹として生きていた実存のイカでした。
自分たちの知覚できる世界だけでこの世ができているわけではなくて、死者もこれから生まれる生命も全てがつながっています。みんなそれを知っていて心に宿しているけど日々の生活に忙殺され、忘れているのではないかと思います。 つながってきた命を実感し生きる自分を大切にすることで、世界を大切にできます。人工物に囲まれた安全な都会のオフィスの中でも生命について思い出していただけるように、いかなるときも全ての創造は地球の一部から生まれ、イカともつながっているという思いをもって制作します。





審査員のコメント(敬称略 50音順)



AIO2020審査員

オンライン審査の様子(左下から時計回りに、松本氏、太田氏、塩見、結城氏、成相氏)と選出された作品案(中央)

◯ 太田 雄貴(国際フェンシング連盟 副会長/公益社団法人 日本フェンシング協会 会長/公益財団法人 日本オリンピック委員 オリンピック・ムーブメント専門部会 副部長)

 人生で初めてのアートの審査員でしたので、緊張感もありつつ、楽しみながら取り組めました。 コンセプトを拝見しながら、マネックスの社員のみなさんや、お客さんがどう感じるかを想像しながら審査させて頂きました。
アートが持つ力や、心を豊かにす事を改めて感じた審査会でした。
展示される作品が、沢山の人の心に残る事を願っております。



◯ 塩見 有子(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]理事長)

 この数ヶ月の間に、私たちの生活や社会、価値観の急激な変化が起こり、このAIO応募条件も変更を余儀なくされる中で、応募してくださったアーティストたちが最後までAIOにチャレンジしてくれたことに、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。 そして今回もまた、激戦でした。特にワークショップは必須条件ではないものの、社員の参加の仕方にアイディアの広がりが見られ、単発で行って見たいと思わせるものもありました。宮内さんの提案は、彼女のなかのイカでなければならない必然と技術、気迫が混ぜ合わさり、圧倒的な主張として迫り来るものがありました。オフィス空間にイカ!考えるだけでも、その意外性に胸高鳴ります。



◯ 成相 肇(東京ステーションギャラリー学芸員)

 証券会社のプレスルームという場所や、ワークショップを行うことも可能という条件を受けて、一般的な株式市場のイメージの安易な援用や、ワークショップ参加者の創造性任せであるようなプランが多く見受けられました。選考過程ではそのような踏み込みが浅いプランが斥けられ、作者独自の論理と方法が練り上げられたものが自ずと残り、結果として最も突飛な作品が選ばれることとなりました。イカでイカを描くという奇天烈な動機は賛否両論あったものの、すでに十年以上にわたるスタイルの継続性およびその経験と技術の蓄積、オフィスルームに埋もれないインパクトと端的かつ親近性のある自明さ、といった要素が総合的に評価されたものと考えています。



◯ 松本 大 (マネックスグループ株式会社 代表執行役社長 CEO)

 13年目の「ART IN THE OFFICE」は、昨今の状況下、ZOOMを使った審査会となりました。しかしながら、審査の議論が活発に行われ、各審査員のお気に入りも揺れる、というAIO審査会のダイナミックさは、リモート審査会であっても例年と全く変わりありませんでした。 そして今回は、AIO史上初の、極めてインパクトのある、"生きもの"系の作品となりました。 デジタルなイメージの強い当社とその会議室に、どのようなアンバランスなバランスを創り出すのか、今から楽しみです!



◯ 結城 加代子(KAYOKOYUKIオーナーディレクター)

 コロナ禍で、オンラインも含めたギャラリーの在り方をはじめ、自身のアートとの関わり方についても模索する中、今回の熱意あるたくさんのアーティストの作品を、同じくオンラインで拝見し評価するというのは、なかなかに覚悟の要るスリリングな体験となりました。いくつかの応募作品からも同様の戸惑いが感じられ、改めて、「作品を作るとは何か。それを展示する、また鑑賞するとは?」ということを一緒に考える、貴重なアートの機会をいただいたと思っています。最終的には、コロナもマネックスさんも会議室も全く関係のない!(汗)イカが大好きな宮内さんに決定されたのですが、揺るぎない表現の根源を見せつけられ、一番大切な部分に立ち返ることが要求されているとも感じられました。




マネックスグループ株式会社について


"MONEYのYの一歩先を行くMONEX"
現在、日本、米国、中国(含む香港)、オーストラリアにリテール向けのオンライン証券ビジネスの本拠地を持ち、また資産形成事業、投資教育、M&A、FX、仮想通貨交換業などさまざまな金融ニーズに応える、グローバルなオンライン金融グループです。「ART IN THE OFFICE」プログラムは、文化活動の一環としてコンテンポラリー・アーティストの作品を知っていただくことを目的とし、2008年よりマネックスグループが、2010年からはマネックス証券主催で実施しています。
https://www.monexgroup.jp/jp/index.html



●マネックスグループ株式会社に関するお問い合わせ
マネックスグループ株式会社 コーポレートコミュニケーション室 加藤
Tel: 03-4323-8698

 

●アーティストやプログラムに関するお問い合わせ
特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/ エイト] 青木
E-mail: otoiawase@a-i-t.net Tel: 03-5489-7277 Fax: 03-3780-0266


2020-7- 2