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「東京 アラカルト -The Backers Foundation and AIT Residence Programme (The BAR) 10年の記憶」展

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企業家やビジネスの専門家が支援するアーティスト・イン・レジデンスプログラム 10年の集大成!
「東京 アラカルト -The Backers Foundation and AIT Residence Programme (The BAR) 10年の記憶」展
会期:2018年8月24日(金)- 9月1日(土)*8月26日(日)、27日(月)を除く
会場:小山登美夫ギャラリー / シュウゴアーツ / タカ・イシイギャラリー(六本木)

A La Carte
<展覧会イメージビジュアル>
撮影:ミティ・ルアンクリタヤー(2017年タイより招聘)
デザイン:福岡泰隆

 

プレスリリースはこちら 日本語:Download(PDF / 3.6MB)/英語:Download(PDF / 3.2MB)






− 20名のアーティストが映し出す、これまで10年間の東京

バッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、8月24日(金)から9月1日(土)まで「東京 アラカルト -The Backers Foundation and AIT Residence Programme (The BAR) 10年の記憶」展を六本木complex665にある小山登美夫ギャラリー / シュウゴアーツ / タカ・イシイギャラリーにて開催します。本展は、2007年より2017年まで海外のアーティストを東京に招聘したアーティスト・イン・レジデンスプログラムの集大成です。

バッカーズ・ファンデーションとAITは、10年に渡る協働的なアーティスト・イン・レジデンスプログラムを通して、これまで欧米はもとより中南米やアフリカ、東南アジアの国々から毎年2名、全15カ国から20名におよぶ気鋭のアーティストを招聘し、日本でのリサーチと作品制作の支援を行いました。2012年には、原美術館(品川)にて「ホームアゲイン −Japanを体験した10人のアーティスト」展を開催し、美術館内の伸びやかな空間にプログラムの開始から5年間で招聘したアーティストらによる作品を展示しました。
社会貢献活動を軸にプロジェクトを「バックアップする」ことを目的とする企業家やビジネスの専門家によるバッカーズ・ファンデーションと、現代アートのさまざまなプログラムを手がけるNPOとの連携が特徴である本プログラムは、これまで都内のギャラリーより協力を得て、アーティストが滞在中に制作した新作を広く紹介する機会を創出してまいりました。その一部はバッカーズ・ファンデーションが所蔵しています。
12年目を迎える2018年、本プログラムを振り返る「東京 アラカルト -The Backers Foundation and AIT Residence Programme (The BAR) 10年の記憶」展では、小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、タカ・イシイギャラリーより協力を得て、日本に滞在した20名のアーティストによる作品を一挙に展示します。

これまで本プログラムは、アーティストの視点と作品を通じて、彼らの国や地域が辿った複雑な歴史と今の姿を見つめてきました。2007年の第一回目に招聘したカディム・アリ(アフガニスタン)が生まれ育った中央アジアのハザラ族は、紛争により治安と生活状況の悪化を経験し、その最中に起きたバーミヤン渓谷の大仏破壊は今もアリの思考と創作に大きな影響を与えています。デュート・ハルドーノ(インドネシア)とシャギニ・ラトナウラン(インドネシア)は、2011年、東日本大震災後の余震が続く中、インドネシアでも経験した「揺れ」への記憶と共感から、特別な思いを抱えて本プログラムに参加しました。ゴル・スーダン(ケニア)とアルベルト・ロドリゲス・コジア(グアテマラ)は、自国で表現活動の抑制を経験しながら来日し、帰国後もたゆまずアーティスト活動を続けています。2016年に来日したクリシュナプリヤ・ターマクリシュナ(スリランカ)は、同国で2009年まで続いた民族間の争いにより不在となった家族との記憶から作品を制作しています。本プログラムで初めて国外に出る機会を得て、高層ビルが立ち並ぶ東京を目にしながら、失った家族や毀損されたスリランカの伝統的調度品にまつわる公私の記憶と現代社会を繋ぎました。

自国と日本において、さまざまな歴史の通過点を経験したアーティストらは、その背景をもとに、日本で社会や人々との関係性を体感しながら創作活動を行い、作品に昇華させました。それらをこの機会に再び展示することは、改めて彼らの国と地域の歴史文化を知る機会になると同時に、ひいては私たちが住む日本、または東京のこれまで10年を振り返り、その歴史化を試みるささやかな行為ともいえるでしょう。

本展では、3つのギャラリー空間を、東京のこれまでと今を見つめる「Urban Space −都市空間」(小山登美夫ギャラリー)、「Inhabitants −住まう人びと」(シュウゴアーツ)、「Imaginative Memory −空想」(タカ・イシイギャラリー)とゆるやかにテーマを掲げて構成します。10年間の異なる時期に制作されたこの作品群は、時に共鳴して語り合い、私たちが暮らす東京の姿を考察する視点に繋がっていきます。個々のアーティストが映し出す東京のアラカルト、そしてその集合体となる本展をじっくり味わって頂ければ幸いです。

開催にあわせて、展覧会を巡るガイドツアーを開催するほか、当時の展示風景や関係者から寄せられたコメントなどを収録した本プログラムの記録冊子「東京 アラカルト」を制作しました。展示と合わせて是非ご高覧ください。
皆さんのお越しをお待ちしています。



[ 開催概要 ]
「東京 アラカルト -The Backers Foundation and AIT Residence Programme (The BAR) 10年の記憶」展
会期:2018年8月24日(金)-9月1日(土)*8月26日(日)、27日(月)を除く
会場:小山登美夫ギャラリー / シュウゴアーツ / タカ・イシイギャラリー
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F/3F
時間:11:00-19:00
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催:バッカーズ・ファンデーション
協力:小山登美夫ギャラリー / シュウゴアーツ / タカ・イシイギャラリー
後援:アルゼンチン共和国大使館、スリランカ民主社会主義共和国大使館

オープニング・レセプション:8月24日(金)18:00-20:00
ガイドツアー:8月25日(土)15:00-16:00、8月31日(金)16:00-17:00
(参加無料 / 申込不要 / 2Fエレベーターホールに直接お集りください)




バッカーズ・ファンデーションとは
「バッカーズ=バックアップしていく人たち」という意味を持ち、オーナー型経営者が集まり、社会貢献事業を行う経営者有志の任意団体です。1994年に社団法人日本動物福祉協会を助成することからスタートし、今では、各団体に支援金を送るだけでなく、実際に会員たちが現場へ足を運び、「良い事を楽しく」を合言葉に参加する活動を行っています。現在は64人の会員が在籍し、そのなかで複数の委員会を作り、メンバー自らが参加型で手作りの活動を幅広く行っています。



アーティスト一覧

小山登美夫ギャラリー (2F) − 都市空間

 ・ティアゴ・ホシャ・ピッタ / Thiago Rocha Pitta (b.1980 ブラジル)
 ・アレグラ・パチェコ / Allegra Pacheco (b.1986 コスタリカ)
 ・プラディープ・ミシュラ / Pradeep Mishra (b.1977 インド)
 ・ラッタナ・ヴァンディー / Rattana Vandy (b.1980 カンボジア)
 ・カニータ・ティス / Kanitha Tith (b.1987 カンボジア)
 ・ミティ・ルアンクリタヤー / Miti Ruangkritya (b.1981 タイ)


左:ラッタナ・ヴァンディー, Shadow in the Dark, 2015, 92.5 x 182.5 x 5.5cm, Wood, nails, text *2
中:プラディープ・ミシュラ warmth of togetherness(展示風景), 2010, 各45.5 x 53cm, Oil paint, canvas *1
右:アレグラ・パチェコ Untitled (展示風景), 2013, Ink on paper *1
*1 撮影:木奥惠三 | *2 撮影:越間有紀子



シュウゴアーツ (2F) − 住まう人びと

 ・カディム・アリ / Khadim Ali (b.1978 アフガニスタン)
 ・エリカ・ヴェルズッティ / Erika Verzutti (b.1971 ブラジル)
 ・アルベルト・ロドリゲス・コジア / Alberto Rodríguez Collía (b.1985 グアテマラ)
 ・アルバート・サムレス / Albert Samreth (b.1987 アメリカ)
 ・クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ / Krishnapriya Tharmakrishnar (b.1987 スリランカ)
 ・チョウ イー・ティン / Chaw Ei Thein (b.1969 ミャンマー)


左:カディム・アリ 《コイサンカ(子守歌)》, 2007, DVD data *1
中:アルバート・サムレス Perfect Strangers, 2014, 45.5 x 33.5cm, Pigment on primed linen *2
右:アルベルト・ロドリゲス・コジア Non-place, 2013, 各32 x 38cm, Drypoint, paper *参考作品 *2
*1 撮影:木奥惠三 | *2 撮影:越間有紀子



タカ・イシイギャラリー (3F) − 空想

 ・メアリー=エリザベス ヤーボロー / Mary-Elizabeth Yarbrough (b.1974 アメリカ)
 ・ドナ・オン / Donna Ong (b.1978 シンガポール)
 ・フロレンシア・ロドリゲス・ヒレス / Florencia Rodríguez Giles (b.1978 アルゼンチン)
 ・ムナム・アパン / Minam Apang (b.1980 インド)
 ・シャギニ・ラトナウラン / Syagini Ratnawulan (b.1979 インドネシア)
 ・デュト・ハルドーノ / Duto Hardono (b.1985 インドネシア)
 ・ゴル・スーダン / Gor Soudan (b.1983 ケニア)
 ・サラ アブ・アブダラ / Sarah Abu Abdallah (b.1990 サウジアラビア)


左:シャギニ・ラトナウラン Family portrait, 2011, 77 x 57cm, Technical pen drawing on paper *1
中:ゴル・スーダン minimal tension 1/6, 2014, 36 x 36cm, Protest wire *2
右:デュト・ハルドーノ Memory Spy(部分), 2011, Dimensions variable, Blank cassette tapes *2
*1 撮影:木奥惠三 | *2 撮影:越間有紀子


2018-7- 9