AITでは、2009年より、アーティストの創作活動を資金面などから支援する「スカラシッププログラム」を開始しています。
今後の活躍が期待されるアーティストを毎年1名選出し、一年間にわたり、創作活動の支援を行います。具体的には、資金の提供のほか、MADやE-MADの無料受講、トークなどの参加、人的ネットワークやAITの資源を活用することができます。
2009年度は、1972年生まれの石田尚志氏を選出しました。石田は主にアニメーション映像を制作していますが、その作品は、マン・レイやフェルナン・レジェ、また元祖VJともいわれるレン・ライなど、20世紀のはじめから脈々と受け継がれてきた実験映画の流れに関連づけられるといってもいいでしょう。今回のスカラシップ・プログラムでは、東京都写真美術館で「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」展において新作発表を行いました。
[石田尚志 略歴]
1972年東京都生まれ。有機的な線描による抽象絵画の制作過程をコマ単位の撮影によってアニメーション化する映像作家・美術家。映像作品を国際映画祭等で発表する他、巻物状の絵画とその絵画の生成映像とを組み合わせたインスタレーションや、他分野の表現者とのライブセッション、 ライブペインティングに積極的に取り組むなど、領域を自在に横断しながらの表現活動を展開している。2007年4月五島記念文化賞美術新人賞受賞。 多摩美術大学講師。
[活動内容]
2009年12月22日(火)- 2010年2月7日(日)「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」@東京都写真美術館
2010年3月8日(月)AIT ARTIST TALK #44「逃げ去るアニメーション」
2009年度受賞作品:三囲(みめぐり)アニメーション だれもしらない映画「何もしないことをおそれて何もしないわけではない
松本 力(まつもと ちから)
|
1967年東京生まれ。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン専攻卒業。コマ割りのドローイングを描く手法で、独自の「時間の絵」による映像表現を目指す。本プログラムでは、マネックス社員によって語られた個人的な出来事やエピソードから着想を得た18段に渡る絵巻物を制作。 http://chikara.p1.bindsite.jp/
|
|
MADのアーティスト・コース修了生およびMAD受講生を対象とし、一年間にわたり、創作活動の支援を行います。資金面での援助はありませが、MADやE-MADの無料受講、トークなどの参加、人的ネットワークやAITの資源を活用することができるほか、AIT でのトークや作品発表の機会が与えられます。
2010年度受賞者は以下の二名が選ばれました。
西尾美也 :「Overallプロジェクトinナイロビ」 帰国報告展(2010年2月26日 - 3月5日)
川村麻純
[西尾美也 略歴]
東京藝術大学大学院博士後期課程在籍。装いの行為とコミュニケーションの関係性に介入し、作品制作やワークショップ、パフォーマンスなど様々な形で操作する。主な個展に「西尾美也展」(京都服飾文化研究財団KCIギャラリー、2006)、「Self Selectin Nairobi」(RaMoMA、ケニア、2009)、グループ展に「Media_City Seoul」(ソウル市立美術館、2006)、「日常の喜び」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2008)、「越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟県十日町市、2009)ほか。
[川村麻純 略歴]
1998年 跡見学園文学部美学美術史学科卒業
2008年 東京藝術大学大学院美術研究科在学中
主な展覧会:
2004年 グループ展「第27回キャノン新世紀」東京都写真美術館・東京
2005年 個展「I know you go」ビジュアルアーツギャラリー・東京
2006年 個展「I know you go」palanga(リトアニア)
2006年 グループ展「New Visions of Japanese Photography」上海(中国)