English
Home  >  Projects  >  日本財団 Diversity in the Arts Project

日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー

>>> English


AITは、日本財団が主催するDIVERSITY IN THE ARTSプロジェクトの一環で10月13日から東京・青山のスペース「スパイラル」にて行われる期間限定の美術館「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー」の企画・監修として関わっています。

「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」は、アウトサイダー・アート、現代アートといった境界を取り払い、誰もが楽しめるアクセシブルな展覧会にしようと、障害のある当事者とともに会場構成から鑑賞プログラムまで、さまざまな取り組みを行なっています。

本展開催期間中は、参加型ワークショップ、ギャラリーツアー、参加作家やキュレーターによるトークなど、作品を楽しむためのプログラムに加え、1F スパイラルカフェでの特別フードメニューの提供や関連フォーラムなど、沢山のプログラムをご用意しています。最新情報は、展覧会特設ウェブサイトをご覧ください。
入場は無料ですので、お誘い合わせの上、皆様のお越しをお待ちしています。


日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 企画展
ミュージアム・オブ・トゥギャザー
2017.10.13.Fri-10.31.Tue

アウトサイダーアートと現代アート、22の異世界をめぐるアート体験
どんな人にもひらかれた、アクセシブルな美術館
[会場]スパイラルガーデン(スパイラル1F)
[開館時間]11:00〜20:00[入場料]無料 / 会期中無休

※ 10月13日(金)は18:00まで

MOTO

プレスリリースをダウンロード (PDF)

[ キュレーターズメッセージ ]

「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」展は、22の作家による作品と、資料や模型などのアーカイブから構成する期間限定の美術館です。この展覧会に参加している作家たちは、それぞれにまったく異なる環境で生活をし、一人ひとり異なる感情や考えのなかで制作を続けています。この多種多様な作家たちを結びつけているものは何かと言えば、「つくりたい」という欲求。身体のなかからどうしようもなくわき起こって、何かをつくらずにはいられないような、自我を超えた行為です。アートとは、絶望や快楽、孤独や欲望、そして変性意識状態など、つくり手の内面をただよう激しい感情のゆらぎのなかから生まれているのです。

そこで、この展覧会では、アートを心理的あるいは精神的に安定した状態を生み出し、その状態を維持するための能動的な道具であると捉えてみることにしました。これは、いわゆる"アウトサイダー・アート"や"アール・ブリュット"という言葉で括られる作家のことだけを言っているのではありません。古来の宗教芸術から、近・現代までのあらゆるアート表現に共通してみることのできる、はっきりとした輪郭を現すことのない「スピリチュアリティ(精神世界)」。それこそが、あらゆる芸術表現の根底に横たわっているものだと考えているのです。そして、この"道具としてのアート"は、作家だけに限ったものでもありません。作品を注意深く鑑賞していくと、さまざまな感覚や欲求が自分の内側から自然と生まれてくるという体験を得る人もいるでしょう。この展覧会では、会場構成などいたるところに鑑賞者が能動的に展覧会に参加できる工夫をこらしました。

アートファンのみならず、こうした場に足を運ぶことを躊躇してしまう方たちにも鑑賞に来ていただける展覧会にするには、どんな新しいチャレンジが必要なのか。企画のはじまる段階から視覚障害のある方、聴覚障害のある方、車椅子の方など、当事者の方たちと意見交換をしながら議論を重ね、検証してきました。会場のデザインやアクセス・アート・プログラムなどを通して作り手の世界へと入り込み、より多くの鑑賞者の心のなかで作品同士が共鳴し、関係を結び合う。道具としてのアートの実験に、みなさんもぜひ参加してみてください。

(キュレーター)ロジャー・マクドナルド / 塩見有子

2017-10- 6